グローバルナビゲーションへ

本文へ

バナーエリアへ

フッターへ




教育・研究

高橋一秋のWebsite

里地里山を生息・生育地とする動植物の生態を解き明かし、生態系サービスを地域に活かすための基礎・応用研究に取り組んでいます。

①鳥類・野ネズミ・ツキノワグマの種子散布、および野生鳥獣による種子散布を活用した森林再生の手法を研究するほか、軽井沢をフィールドにツキノワグマが森林生態系の維持に果たす役割を探求しています。
②人間が森林に手を加えることによって変化する生物多様性や生態系サービス(自然の恵み)を野外におけるモニタリング調査により把握し、森林生態系を保全しながら、生態系サービスを効果的に享受する新たな森林の活用法と、そのための管理法を探求しています。
③森・川・里のさまざまな恵み(生態系サービス)を持続可能な地域社会の発展のために活かす知識と技術を学ぶための環境教育プログラムの開発・実施・評価に関する研究にも取り組んでいます。


プロフィール

夢ナビ 全国の大学教授がキミを学問の世界へナビゲート!
→ 講義No.05883 ツキノワグマの意外な役割とは? ~ただの有害獣とは言わせない~

高橋一秋(東京都青梅市出身)

高橋一秋(東京都青梅市出身)

被食散布の果実 (新潟市角田浜・海岸クロマツ林で採集)

被食散布の果実
(新潟市角田浜・海岸クロマツ林で採集)

研究業績

自己紹介

2007年10月に、長野大学に着任しました。

◆学歴・職歴

・新潟大学大学院自然科学研究科博士後期課程修了(学術博士)
・山梨県森林総合研究所 短期雇用研究員
・東京大学農学生命科学研究科21世紀COEプログラム研究拠点形成特任研究員(PD)
・長野大学環境ツーリズム学部 教授(現在に至る)

◆専門: 森林生態学

キーワード: 種子散布、種子散布者(鳥類、アカネズミ・ヒメネズミ、ツキノワグマ)、エコシステムエンジニア(ツキノワグマ、イノシシ)、生物間相互作用、森林再生、森林管理、生態系サービス

◆種子散布研究から学んだこと

森林生態学の分野に飛び込んだのは、種子散布という現象に興味をもったのがきっかけです。一度根を張ってしまうと動くことができない植物が新天地に子孫を送り出すために発明したものが”種子”です。植物は、何らかの動力(風・水・動物)を巧みに利用して種子を運ばせます。

種子とは何でしょうか。それは、親と同等の植物体を形作るのに必要な遺伝情報と、発芽に必要な少しばかりの栄養分と組織と栄養分をギュッと詰め込んだ小型カプセルです。発芽や生育に適切な環境を光や温度などの情報から察知するためのセンサー(生物時計)をも内蔵しています。まさしく種子は、植物が長い進化の過程で獲得した小さな発明品といえるでしょう。

その中でも、動物に果実を積極的に食べさせて種子を運ばせる”被食散布”は、動物と植物が共に利用し合う”相利共生関係”(Give&Takeの関係)によって成り立っています。植物のTakeは種子を運んでもらうこと、動物にとってのTakeは果肉をもらえることです。

両者が利用し合えばし合うほど、両者の関係がうまく行く。これこそ森林生態学が私に教えてくれた最初の”哲学”です。多くの社会問題を抱える人間社会は、地球上に存在する多様な生物間相互作用から”生きる知恵”を学ぶことができるのではないでしょうか。

◆趣味

トレイルラン
出場したレース
日本山岳耐久レース(71.5㎞) → アドベンチャーグリーン・メダルを獲得
富士登山競争(距離15㎞、高低差3,000m)
菅平スカイライントレイルランレース(15㎞の部)

登山
登った日本百名山: 34座
002羅臼岳、005大雪山、006トムラウシ山、007十勝岳、009後方羊蹄山、013岩手山、014早池峰山、016月山、018蔵王山、019飯豊連峰、021安達太良山、025筑波山、026燧ケ岳、036谷川岳、039妙高山、043四阿山、044浅間山、047金峰山、049雲取山、050大菩薩嶺、051丹沢、052富士山、054白馬岳、063槍ヶ岳、067焼岳、069美ヶ原、072八ヶ岳、073御嶽山、080北岳、081間ノ岳、087白山、092大山、095九重山、100宮之浦岳

絵画
好きな画家: シャガール、ゴッホ、ピカソ、レンブラント、斉藤清(版画家)、ロダン(彫刻家)

オーディオ
お気に入り: 自作のバックロードホーン型スピーカーボックス(スピーカーユニット:フォステックスFE103E、FE168Σ)、レコードプレーヤー(KENWOOD KP-1100 )、真空管アンプ

物理学
影響を受けた学者・理論: アインシュタイン・相対性理論

主な教育・研究活動

■ 森林再生に関する活動・研究

海岸防災林の再生

たねぷろじぇくと(正式名:被災地里山救済・地域性苗木生産プロジェクト) 2013年4月~
 ・東日本大震災の大津波で流されてしまった宮城県南部沿岸の海岸防災林再生および里山再生
 ・被災地の山林から採取した種子を使った地域性苗木の生産
 ・森林再生と苗木生産を学ぶ環境教育プログラムの開発と実践(小学校児童・保護者対象)

森林の生態系サービスの活用・再生・保全

森・川・里の恵みクリエイター養成講座 2021年4月~
 ・森・川・里の恵み(生態系サービス)の活用・再生・保全
 ・環境教育と持続可能な開発のための教育(ESD:Education for Sustainable Development)に関する教材とプログラムの開発・実施・評価

森の生態系サービスの活用を学ぶ環境教育(教育GP選定プログラム) 2008年10月~2011年3月
 ・森林の生態系サービスの活用と環境教育
 ・森林環境教育の教材とプログラムの開発
 ・森林を活用したエコツーリズム
  ⇒ 日本の研究.com - 森の生態系サービスの活用を学ぶ環境教育
  ⇒ 長野大学リポリトジ - 長野大学 森の生態系サービスの活用を学ぶ環境教育 成果報告書

AUN長野大学恵みの森再生プロジェクト 2007年5月~2008年9月
 ・森林の生態系サービス(森の恵み)の活用と保全の両立
 ・そのための、生態系サービスと生物多様性のモニタリング手法
 ・生態的な基礎研究と社会的有用性の融合

■ 森林生態学(生物間相互作用)に関する研究

種子散布者としてのツキノワグマ、花粉媒介者としてのハナバチ・アリ類の役割
 ・ 高山帯まで登ったツキノワグマが採食するツツジ科小低木の種子繁殖メカニズムの解明
   日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 2024年4月 - 2027年3月
 ・ 高山帯のツツジ科小低木・花粉媒介者・種子散布者をめぐる相利共生ネットワークの解明
   日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C) 2017年4月 - 2020年3月

林冠ギャップ創出者としてのツキノワグマの役割
  ・ 林冠ギャップ創出者としてのツキノワグマをめぐる生物間相互作用ネットワークの解明
   日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C) 2014年4月 - 2018年3月
 ・ ツキノワグマによるクマ棚形成を介した間接効果とハビタット創出
   日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(B) 若手研究(B) 2009年 - 2012年

所属学会・研究会

研究紹介

種子散布者としてのツキノワグマ、花粉媒介者としてのハナバチ・アリ類の役割

■高山帯まで登ったツキノワグマが採食するツツジ科小低木の種子繁殖メカニズムの解明
 日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 2024年4月 - 2027年3月
 →  KAKEN

ツキノワグマは、「絶滅のおそれのある地域個体群(LP)」に指定されている一方で、農作物・林業被害や人身事故を引き起す害獣でもある。本研究は、夏に高山帯まで登ったクマが果実を利用するツツジ科小低木4種を対象に、(a)種子生産量、自家受粉由来・他家受粉由来の種子の遺伝的多様性を標高別に把握すること、(b)ツキノワグマによる種子の垂直散布距離を酸素同位体比分析によって推定すること、(c)散布後の種子の発芽率および実生の定着率を自家受粉由来と他家受粉由来や標高別に把握することを通じて、標高別の種子繁殖特性(種子生産と種子の垂直散布距離)と生育に適した標高域を解明し、地球温暖化による気温上昇の影響を推定することを目的とする。これらの種子繁殖のメカニズムを解明することで、気温上昇の影響を受けつつある高山帯で、クマが夏に餌として利用できるツツジ科小低木の果実量を予測し、ツキノワグマの保全と共生に繋がる提言をまとめる。

■高山帯のツツジ科小低木・花粉媒介者・種子散布者をめぐる相利共生ネットワークの解明
 日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C) 2017年4月 - 2020年3月
 →  KAKEN

本研究は、地球温暖化の影響が最も懸念されるスポットの一つである高山帯に着目し、植物の繁殖(花粉媒介と種子散布)にとって重要な作用系であるにもかかわらず、研究が遅れていた“生物が相互に利用しあう”「相利共生」と気温上昇との関係の全貌解明を試みた。送粉系と種子散布系をめぐる動植物の「相利共生ネットワーク」と「気温上昇の影響」の基本的なパターンを解明し、地球温暖化が「植物-花粉媒介者-種子散布者」相利共生ネットワークに与える影響を推測するで、地球温暖化が高山帯の生物に及ぼす影響に関する研究の基礎を構築することに貢献できる。

オオマルハナバチがクロマメノキ・シラタマノキ・コケモモの主要な花粉媒介者であることが特定できた。これら3樹種は自家受粉より他家受粉の方が結実率が高くなる傾向が認められた。ツキノワグマとハシブトガラスがガンコウランの果実を高頻度で利用する主要な種子散布者であることと、果実利用は低頻度ではあるが、ツグミがクロマメノキ、ツキノワグマとキツネがシラタマノキの種子散布者であることが特定できた。種子中の酸素安定同位体比の分析から、ツキノワグマはガンコウランの高標高への種子散布に貢献していることが示された。ツキノワグマは地球温暖化の影響からガンコウランを救う可能性のある重要な種子散布者だと推測される。
研究成果

Alpine ericaceous dwarf shrubs as summer food resources for Asiatic black bears in Japan
Kazuaki Takahashi and Kaori Takahashi (2022) Ursus, 2022(33e5):1-15.

浅間山高山帯におけるツツジ科小低木の受粉様式-クロマメノキ・コケモモの人工受粉実験-
井出萌,芳賀由奈,高橋一秋(2020)長野大学紀要 41(3): 13-26.

ツツジ科小低木の果実利用と種子散布: 浅間山高山帯の事例
高橋一秋,佐伯幸祐,小出悠太朗,甘利大河,高橋香織(2020年3月)第131回日本森林学会

ツツジ科小低木の強制受粉実験: 浅間山高山帯の事例
井出萌,芳賀由奈,黒岩爽真,高橋香織,高橋一秋(2020年3月)第131回日本森林学会

Vertical seed dispersal of Japanese crowberry by Japanese black bears and birds: estimation using stable oxygen isotope ratios
Kazuaki Takahashi, Shoji Naoe, Kosuke Saeki, Yutaro Koide, Taiga Amari, Yoshihiro Tsunamoto, Ichiro Tayasu, Takashi F. Haraguchi, Kaori Takahashi (2020年3月) 7th International Symposium on Frugivores and Seed Dispersal (FSD 2020)(インド・ウッタランチャル州)

Morphological and nutritional characteristics of Japanese crowberry’s berries that are used by Japanese black bears
Kaori Takahashi, Taiga Amari, Moe Ide, Kosuke Saeki, Yutaro Koide, Kengo Kawamoto, Kazuaki Takahashi (2020年3月) International Symposium on Frugivores and Seed Dispersal (FSD 2020)(インド・ウッタランチャル州)

浅間山高山帯におけるツツジ科小低木の開花・結実フェノロジーと果実特性-ガンコウラン・クロマメノキ・シラタマノキ・コケモモ-
高橋一秋,高橋香織(2019)長野大学紀要 41(1): 49-56.

ツキノワグマと鳥類によるガンコウランの垂直種子散布: 酸素安定同位体を用いた推定
高橋一秋,直江将司,佐伯幸祐,小出悠太朗,甘利大河,綱本良啓,陀安一郎,原口岳,高橋香織(2019年3月)第66回日本生態学会、神戸国際会議場・神戸国際展示場(神戸)

哺乳類と鳥類によるツツジ科小低木(ガンコウラン、クロマメノキ、シラタマノキ、コケモモ)の果実利用: 浅間山高山帯における果実食者の垂直分布に着目して
高橋一秋,向山大智,佐伯幸祐,小出悠太朗,川本謙伍,甘利大河,井出萌,高橋香織(2018年3月)第65回日本生態学会、札幌コンベンションセンター(札幌)

ツツジ科小低木(ガンコウラン、クロマメノキ、シラタマノキ、コケモモ)の果実特性 ~形態と栄養成分~
高橋香織,甘利大河,井出萌,佐伯幸祐,小出悠太朗,川本謙伍,高橋一秋(2018年3月)第65回日本生態学会、札幌コンベンションセンター(札幌)

林冠ギャップ創出者としてのツキノワグマの役割

軽井沢・長倉山国有林のツキノワグマ親子
(2010年11月7日7:27撮影)

コナラ樹木に作られたクマ棚
(軽井沢・長倉山国有林、2012年6月17日撮影)

コナラ樹木に作られたクマ棚
(2007年11月23日撮影、軽井沢・野鳥の森)

ミズナラ樹木に作られた林冠ギャップ

クマ剥ぎの被害を受けたカラマツ

クマ剥ぎによって樹木が枯れてできた林冠ギャップ

■ 林冠ギャップ創出者としてのツキノワグマをめぐる生物間相互作用ネットワークの解明
 日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C) 2014年4月 - 2018年3月
 →  KAKEN

本研究は、ツキノワグマが落葉広葉樹林と針葉樹人工林に創出する林冠ギャップの面積や空間分布の特徴を把握した。また、創出された林冠ギャップの下の光環境と植生構造の特徴を階層別に把握した。クマ棚由来の林冠ギャップの面積は、枯死や倒伏などの自然由来の林冠ギャップの約2倍、クマ剥ぎ由来の林冠ギャップの面積は、約1.3倍であった。クマ棚由来の林冠ギャップは、林冠層の光環境を改善し、木本種の種数や個体数を向上させた。クマ剥ぎ由来の林冠ギャップは、林床層の光環境を改善し、木本種の種数を向上させた。これらの結果をもとに、森林施業の一つの選択肢となる「野生動物の機能を活かした新しい森林管理の考え方」を提案した。

深刻な林業被害の一つであるクマ剥ぎが巻き枯らし間伐(環状剥皮)と同様の効果を発揮し、林冠ギャップの形成と林床植物の種多様性向上をもたらすメカニズムを解明するとともに、間伐が難しい奥山の針葉樹人工林においてクマ剥ぎが針広混交林化を進める一要因となる可能性を検討しつつ、クマとの共生に配慮した新しい人工林管理の施策づくりに新たな視点を提供した。

■ ツキノワグマによるクマ棚形成を介した間接効果とハビタット創出
 日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(B) 若手研究(B) 2009年 - 2012年
 →  KAKEN

クマ棚の分布は尾根に集中した。クマ棚形成に伴って形成された小規模林冠ギャップの面積は、尾根において年間1haあたり141.3m2にも達し、この面積は調査地区の尾根に創出した倒木ギャップ面積の約6.6倍であった。林冠層における開空率および液果植物の結実率は閉鎖林冠下より小規模林冠ギャップ下のほうが高い値を示した。センサーカメラによる観察から、鳥類および哺乳類がクマ棚を採餌、貯食、休憩、繁殖の場所として利用していることが明らかになった。
研究成果

林冠ギャップ創出者としてのツキノワグマの役割: クマ棚とクマ剥ぎの比較
高橋一秋,高橋香織(2018年3月)第129回日本森林学会、高知大学朝倉キャンパス(高知)

ツル性木本はツキノワグマが作った小規模林冠ギャップを選択的に利用するか?
高橋 一秋, 高橋 香織(2017年3月)第64回日本生態学会、早稲田大学早稲田キャンパス(東京)

ツキノワグマが9年間に作った小規模林冠ギャップは階層別の植生構造にどのような変化をもたらしたか?
高橋 一秋, 高橋 香織,吉田英正(2016年3月)第63回日本生態学会、仙台国際センター(仙台)

ニホンツキノワグマが作った小規模林冠ギャップは林内の光環境をどの程度改変するのか? ―照度センサを使った階層別光環境のモニタリング手法の開発とその評価―
高橋一秋,高橋香織(2016)長野大学紀要 37(3): 17-25.

Do small canopy gaps created by Japanese black bears facilitate fruiting of fleshy-fruited plants?
Kazuaki Takahashi, Kaori Takahashi, and Izumi Washitani (2015) PLoS ONE 10(7): e0130956.

Spatial distribution and size of small canopy gaps created by Japanese black bears: estimating gap size using dropped branch measurements
Kazuaki Takahashi and Kaori Takahashi (2013) BMC Ecology 13:23.

クマ剥ぎが林内植生と光環境に与える影響
高橋一秋,高橋香織 (2013年3月)第60回日本生態学会、静岡県コンベンションアーツセンター(グランシップ静岡)(静岡)

ツキノワグマによって創出された小規模林冠ギャップのサイズ推定
高橋一秋,高橋香織,柳貴洋,美齊津裕太(2011年3月)第58回日本生態学会、札幌コンベンションセンター(北海道)

The Japanese black bear (Ursus thibetanus japonicus) as seed dispersers and ecosystem engineers
Kazuaki Takahashi, Kaori Takahashi,Takahiro Yanagi, Yuta Misaizu, Hiroo Tamatani, Masaru Koyama, Izumi Washitani(2010年6月)The 5th International Symposium-Workshop on Frugivores and Seed Dispersal,Le Corum (Montpellier, France)

ツキノワグマによるクマ棚の形成
高橋一秋,高橋香織,柳貴洋,美齊津裕太(2010年3月)第57回日本生態学会、東京大学駒場キャンパス(東京)

クマ棚下の光環境と液果植物の結実状況
高橋一秋,高橋香織,柳貴洋,鷲谷いづみ (2009年3月)第56回日本生態学会、東京大学駒場キャンパス(東京)

たねぷろじぇくと

「たねぷろじぇくと」のホームページを開設しました。 → たねぷろじぇくとWebsite

目的

東日本大震災で津波の被害を受けた宮城県南部の海岸防災林や里山を再生させることを目的に、小学生児童と大学生の協働によって、被災地の種子から苗木を生産し、植栽する「たねぷろじぇくと」(正式名:被災地里山救済・地域性苗木生産プロジェクト)が、経団連自然保護基金(2013年度支援事業)の助成を受けて、2013年4月にスタートしました。

たねぷろじぇくとビジョン

たねぷろじぇくとパンフレット

里山再生学ゼミの紹介

◆ 里山再生学ゼミとは?
里山再生学ゼミ(高橋一秋ゼミ)は、2008年4月からスタートした研究室です。ゼミナールのメンバーは、環境ツーリズム学部に所属する2年生~4年生(15名~20名)です。

研究テーマ:里地里山を生息・生育地とする動植物の生態を解き明かし、生態系サービスを地域に活かす

里山再生学ゼミ(高橋一秋ゼミ)では、生態学の視点から、里地里山を生息・生育地とする動植物の生態を解き明かし、生物多様性の保全や再生に寄与する研究を行っています。また、里地里山の生態系サービスを地域社会の持続的発展に役立てるためのアイデアを産み出し、それを具現化するための手法の開発と実践を目指します。これらの研究成果を活用して、環境教育学の視点から、環境問題の解決に役立つ環境教育プログラムやESD(持続可能な開発のための教育Education for Sustainable Development)プログラムの開発と実践に取り組んでいます。

里山再生学ゼミでは、野生生物の生態学的な基礎調査から環境教育プログラムの開発と実践まで、幅広い研究テーマを対象としています。また、長野大学独自の資格「森・川・里の恵みクリエイターI種・II種」の取得を目指します。

独鈷山山頂から眺めた塩田平

独鈷山山頂から眺めた塩田平(長野大学キャンパスは、写真の中央から2時の方向の、山林と平野部の境界に位置する)

◆ 2023年度 研究テーマ
●卒業論文のテーマ
・ため池土手に自生するフデリンドウの繁殖生態(学長賞受賞)
・木育教室「丈夫で、津波に強い木は、重い木と軽い木のどっち?」の開発・実施・評価
・木育教室「重い木と軽い木で鍵盤を作った木琴は、どのように音が違うのか?」の開発・実施・評価
・標高の違いに対するガンコウランの表現型可塑性:浅間山高山帯の事例
・ツツジ科小低木3種をめぐる花粉媒介者の推定と評価:浅間山の事例
・塩田平ため池群における水鳥の繁殖
●2年生のテーマ
・ツキノワグマはガンコウランの種子を高標高へと運ぶのか
・木育教室「地域材の積み木で工作を楽しむ」の開発・実施・評価
・木育教室『地域材でつくろう』の開発・実施・評価
・鳥類によるため池・水田・河川の利用特性

◆ 2022年度 研究テーマ
●卒業論文のテーマ
・苗木ビオトープを活用した環境教育プログラムの開発・実施・評価~たねぷろじぇくとの事例~(学長賞受賞)
・苗木ビオトープを活用したニホンアマガエル観察会
●2年生・3年生のテーマ
・林冠ギャップ創出者としてのツキノワグマの木登り~浅間山山麓の事例~
・塩田平の社寺林における巨樹の種構成
・土壌埋土種子を活用した地域性苗木の生産~たねぷろじぇくとの事例~
・ツツジ科小低木3樹種の花に訪れるハナバチ・ハナアブ類:浅間山の事例
・鳥類・哺乳類によるガンコウランの冬季果実利用:浅間山の事例
・登山者向け「開花カレンダー」パンフレットの考案 ~浅間山の事例~
・苗木ビオトープに訪れる生き物と児童~たねぷじぇくとの事例~
・ため池の土手に自生するフデリンドウの分布と種子生産~塩吹池の事例~

◆ 2021年度 研究テーマ
●卒業論文のテーマ
・ため池の水位変動が飛来する鳥類相に及ぼす影響
・シギゾウムシ類によるブナ科堅果の食害とその後の発芽
●2年生・3年生のテーマ
・苗木ビオトープを利用するニホンアマガエルを題材とした環境教育プログラムの開発・実施・評価:たねぷじぇくとの事例
・木育教材「ドングリ」の開発と教材としての特性:たねぷじぇくとの事例
・木育教材「ドングリ」の開発と教材としての特性:たねぷじぇくとの事例
・ニホンジカによるツツジ科小低木4種の枝葉・果実利用:浅間山の事例
・標高の違いに対するガンコウランの表現型可塑性:浅間山の事例
・クロマメノキを食樹として利用する昆虫相:浅間山の事例
・ツツジ科小低木3種の花に訪れるアリ類:浅間山の事例
・ため池の土手に自生するフデリンドウの分布と種子生産:塩吹池の事例
・ため池を繁殖地として利用する鳥類と環境特性:塩田平ため池群の事例

◆ 2020年度 研究テーマ
●卒業論文のテーマ
・浅間山高山帯に生息する鳥類の特徴―ツツジ科小低木4種の種子散布者の推定―
・テンナンショウ属の開花・結実花粉媒介・種子散布-浅間山の事例-
・植栽したコナラ苗木の根元周辺をハビタットとして利用する土壌動物
●2年生のテーマ
・苗木ビオトープを活用した環境教育プログラムの開発・実施・評価~たねぷろじぇくとの事例~
・浅間山に生息するツキノワグマによるガンコウランの種子散布~散布先のマイクロハビタットの特徴~

◆ 2019年度 研究テーマ
●卒業論文のテーマ
・菌根菌と海の音がコナラ苗木の生長に与える影響
●2年生のテーマ
・ため池の水量管理が及ばす鳥類相への影響およびそれを介したため池底泥中の肥料成分蓄積への影響
・シギゾウムシ類によるブナ科3種(コナラ・ミズナラ・クリ)の堅果利用
・花の形態から受粉戦略を探る~ツツジ科小低木(コケモモ・クロマメノキ・シラタマノキ)~
・海岸防災林ジオラマを用いた防災教育プログラムの開発・実施・評価~樹木の根の形状と津波に対する耐性の関係を学ぶ~

◆ 2018年度 研究テーマ
●卒業論文のテーマ
・海岸防災林再生地に植栽するコナラ地域性苗木の生産に適した外生菌根菌の探求(学長奨励賞受賞)
・浅間山高山帯に分布するツツジ科小低木3種とマルハナバチ類の相利共生関係の解明
●2年生のテーマ
・木育プログラム「木工クラフト~えんぴつストラップ作り~」の開発・実施・評価~たねぷろじぇくとワークショップ~
・植栽したコナラ苗木の根元周辺をハビタットとして利用する土壌動物~たねぷろじぇくと植栽地の事例~
・なぜツキノワグマは高山帯まで登るのか?~浅間山の謎を解く!~
・ノウサギは浅間山高山帯に自生するガンコウランの有効な種子散布者と言えるか?
・浅間山高山帯に生息する鳥類の特徴~ツツジ科小低木4種の種子散布者の推定~
・浅間山高山帯に自生するツツジ科小低木3種の花の構造と受粉様式の解明~マルハナバチによる花粉媒介の謎に迫る!~
・軽井沢におけるテンナンショウ属の垂直分布の特徴と種子散布戦略

◆ 2017年度 研究テーマ
●卒業論文のテーマ
・ネイチャーゲームを利用した環境教育プログラムの開発と実践: 五感を使ったアクティビティによる学習効果と記憶の定着の分析(学長奨励賞受賞)
・シジュウカラを題材とした生態学教育のためのコンテンツ(巣箱環境・教材)作り
●2年生のテーマ
・海岸防災林再生地に植栽した苗木の生長に与える要因:防風ネットとマルチング材の効果
・海の音がコナラ苗木の生長に与える影響~「たねぷろじぇくと」がめざす苗木生産~
・ツキノワグマは高山帯に分布するガンコウランの果実をなぜ好むのか?~ツツジ科小低木(ガンコウラン・クロマメノキ・コケモモ・シラタマノキ)の栄養成分分析から謎を探る!~
・ツキノワグマは高標高への種子散布に貢献しているのか?~ツキノワグマが地球温暖化から植物を救う!~

◆ 2016年度 研究テーマ
●卒業論文のテーマ
・オオムラサキを用いた環境教育プログラムの開発・実施・評価(学長奨励賞受賞)
●2年生のテーマ
・たねぷろコナラ苗木と共生関係を結ぶ菌根菌の同定~たねぷろじぇくと苗木生産にふさわしい菌根菌を探る!~
・全国植樹祭で植栽した苗木のモニタリング~二ホンジカによる食害~
・ツキノワグマによるツツジ科・小低木の果実利用と種子散布
・「恵みの森」の巣箱を利用するシジュウカラの巣材分析
・塩田平のため池を繁殖地として利用する水鳥
・花をめぐるトラマルハナバチの選好性~主選好から副選好へのシフトはいつ起こるのか?~
・ニホンミツバチの最適採餌戦略~百花蜜生成の謎に迫る!~

◆ 2015年度 研究テーマ
●卒業論文のテーマ
・光環境が土壌埋土種子の発芽とその後の成長に与える影響 ~海岸防災林再生のための予備実験~(学長賞受賞)
●2年生のテーマ
・塩田平ため池群に生息する水鳥の種構成と環境選好性
・北山林業とその地域の魅力を知る~北山杉エコツーリズム~
・下之郷・東山におけるマツ枯れの進行状況
・下之郷・東山におけるアカマツ林の広葉樹林化
・アカマツ林に自生する野生果樹と山菜(木本)
・都市近郊の低山で活用されうる観光資源の特徴
・楽しみながら学ぶNALアクティビティ「葉っぱでつくろう」の提案と実践

◆ 2014年度 研究テーマ
●2年生のテーマ
・堆肥場におけるカブトムシの生活史の解明
・オオムラサキの生活史の解明
・ムラサキの保全と草木染め教室
・ペットボトル植木鉢を活用したコナラ苗木生産技術の開発
・浅間山に自生するガンコウラン・クロマメノキのツキノワグマによる種子散布の解明
・外来種ニセアカシアの利用形態と里山保全上の課題
・木質バイオマスの活用による社会システムの変容の分析

◆ 2013年度 研究テーマ
●卒業論文のテーマ
・魅力的なバードウォッチング・プログラムの開発と評価(学長賞受賞)
●2年生のテーマ
・どんぐりキーホルダー作りの提案~たねぷろじぇくとワークショップでの実践~
・光環境が土壌埋土種子とその後の生長に与える影響~たねぷろじぇくとの予備実験~
・カブトムシの生活史を学ぶ紙芝居教材の作成~森博士教室(児童対象)での実践~
・恵みの森に自生する薬草の種類と利用方法の実践

◆ 2012年度 研究テーマ
●卒業論文のテーマ
・国立公園の指定が周辺地域に与えるインパクトの評価
・キーストーン種がエコツーリズム推進に果たす役割~キツツキから地域づくりの道を探る~
●2年生・3年生のテーマ
・ヤマグワの葉を利用したお茶づくり
・野生果樹の食品化
・オオムラサキを守ることから始まる里山再生
・恵みの森パンフレット制作
・野生果樹の普及による地域づくり
・草木染め
・プランター家庭菜園による新・エコライフの提案
・野生果樹の食品化
・野生植物を利用したアロマオイル作り
・堆肥作りと堆肥場を利用する中型哺乳類
・野性鳥類のエコツアー開発
・林内に造成した水辺環境が哺乳類の活動に与える影響
・恵みの森フィールドミュージアム構想
・土壌シードバンクを活用した森林再生の可能性

◆ 2011年度 研究テーマ
●卒業論文のテーマ
・里山再生活動の事前学習としてのアイスブレイキング型環境教育プログラムに関する研究
●2年生・3年生のテーマ
・ヤマグワの葉を利用したお茶づくり
・アイスブレイキング型環境教育プログラムの開発
・野生果樹の食品化
・オオムラサキを守ることから始まる里山再生
・恵みの森パンフレット制作
・野生果樹の普及による地域づくり
・草木染め&ミミズコンポスト
・プランター家庭菜園による新・エコライフの提案
・野生果樹の食品化
・野生植物を利用したアロマオイル作り
・堆肥作りと堆肥場を利用する中型哺乳類
・野性鳥類のエコツアー開発
・森林の持続的管理と利用
・ニホンミツバチを呼ぶ森林整備~実践一年目の軌跡~
・林内に造成した水辺環境が哺乳類の活動に与える影響
・恵みの森が持つ 癒し効果の可能性
・恵みの森フィールドミュージアム構想
・土壌シードバンクを活用した森林再生の可能性

◆ 2010年度 研究テーマ
●2年生・3年生・4年生のテーマ
・樹皮剥ぎによる昆虫採集の手法開発
・ため池の土手をハビタットとする種多様性
・野生果樹による森林・地域の再生
・キツツキの開ける樹洞の特性
・AUN長野大学恵みの森のパンフレット制作
・ヤマグワ茶の開発
・松葉の堆肥づくり
・アイスブレイキング型環境教育プログラムの開発
・恵みの森の木材を使ったクラフト作り
・巣箱を利用したシジュウカラの繁殖の観察
・ミミズコンポストの手法開発
・AUN長野大学恵みの森の木を使ったクラフト
・アカネズミの観察会
・人工巣を利用したフクロウウォッチング

◆ 2009年度 研究テーマ
●2年生・3年生のテーマ
・クヌギとコナラの樹皮剥ぎによる昆虫誘引効果
・鳥類によるシードレイン(種子散布の分布)と森林構造の関係
・巣箱におけるシジュウカラの繁殖生態研究とその教材化
・野ネズミの繁殖スケジュールとハビタット利用性
・花の形態的特徴とポリネーターとの関係
・AUN長野大学恵みの森における生態系サービスの変遷
・上田地域のため池における植生の特徴

◆ 2008年度 研究テーマ
●2年生のテーマ
・植栽した野生果樹の成長および開花・結実と植栽環境
・鳥類を介した結実木の誘引効果
・巣箱におけるシジュウカラの繁殖生態研究とその教材化
・クヌギとコナラの樹皮剥ぎによる昆虫誘引効果
・ドングリの食品化:素材を生かしたスイーツを求めて
◆ 里山再生学ゼミの活動紹介

◆ 2024年度
【環境ツーリズム学部】森・川・里の恵みクリエイター養成講座 ネイチャーゲームリーダー養成講座に参加しました
【環境ツーリズム学部】高橋一秋ゼミ(里山再生学ゼミ) ため池に水鳥のための浮島を設置しました
【環境ツーリズム学部】高橋一秋ゼミ(里山再生学ゼミ) たねぷろじぇく宮城遠征(現地調査、たねぷろ教室①)を行いました
【環境ツーリズム学部】高橋一秋ゼミ(課題探求ゼミ)、森・川・里の恵みクリエイター養成講座 合同企画 ピッキオ・ガイドツアー「野鳥の森 ネイチャーウォッチング」に参加しました
【環境ツーリズム学部】高橋一秋ゼミ(課題探求ゼミ・里山再生学ゼミ)、森・川・里の恵みクリエイター養成講座 合同企画 「UE森2024~上田地域にぎやかな森づくり植樹の集い~」に参加しました
【環境ツーリズム学部】高橋一秋ゼミ(里山再生学ゼミ) 「たねぷろじぇくと」の活動を開始しました
【環境ツーリズム学部】高橋一秋ゼミ(里山再生学ゼミ) キャンパス内「恵みの森」で堆肥づくりを行いました
【環境ツーリズム学部】高橋一秋ゼミ(里山再生学ゼミ) ゼミ合宿「軽井沢フィールド見学」を行いました
【環境ツーリズム学部】高橋一秋ゼミ(課題探求ゼミ)・満尾ゼミ(専門ゼミ) 千曲川・鯉西つけば漁を見学しました

フォトギャラリー

ゼミナール活動とコミュニティ体験を写真で詳しく紹介します。

※ 2009年に行った活動を日程の順で、掲載しています。

長野大学「森の恵みクリエイター養成講座」の野外実習「アグロフォレストリー~野生果樹の植樹~」(市民公開イベント)に参加

2009年5月9日 コミュニティ体験、入門・専門ゼミナール活動報告

ゼミ生は、野外実習「アグロフォレストリー~野生果樹の植樹~」の企画に携わりました。
ゼミナールでは、2007年と2008年の5月に植栽された野生果樹の成長や開花・結実をモニタリング調査しています。それらのデータから、野生果樹の種類ごとに植樹に適した環境(林内、林縁、草原)を明らかにしようとしています。例えば、2年間の調査の結果、これまで植栽した14種類の野生果樹のうちナツハゼがどの環境に植えても、それなりに実をつけることが分かりました。このようなモニタリング調査の結果を踏まえて、今回の植樹では、ナツハゼを中心に、合計5種類76本(ナツハゼ30本、ヤマボウシ10本、サルナシ15本、ヤマグワ11本、ヤマブドウ10本)の野生果樹を植栽することにしました。
なお、今回植樹した野生果樹はすべて「財団法人HIOKI 奨学・緑化基金」に寄付していただきました。
なお、このイベントは、長野大学「森の生態系サービスの活用を学ぶ環境教育」(文部科学省教育GP選定プログラム)とAUN長野大学恵みの森再生プロジェクト(旧称:長野大学恵みの森再生プロジェクト)が主催するものです。長野大学独自の資格認定講座である「森の恵みクリエイター養成講座」の野外実習と、一般市民向けのイベントを同時に実施しています。

一般参加者呼びかけの資料


植栽する前の野生果樹のようす

植栽する前の野生果樹のようす

植栽したナツハゼに水をやるようす

植栽したナツハゼに水をやるようす

ヤマグワを植栽するようす

ヤマグワを植栽するようす

植栽したサルナシの根元直径をノギスで測るようす

植栽したサルナシの根元直径をノギスで計測するようす

植栽する前に樹木の根元直径と樹高を計測するようす

植栽する前に樹木の根元直径と樹高を計測するようす

最後の一本(野外実習のあと居残り植樹)

最後の一本(野外実習のあと居残り植樹)

上田市真田で里山見学

2009年6月7日 コミュニティ体験報告

コニュニティ体験の授業で、上田市真田地域の山林を見学に行きました。株式会社信州樵工房の熊崎一也さんに現地を案内していただきながら、かつての里山の利用(薪炭林・農用林など)や人工林の管理放棄の実情について解説してもらいました。

現地に到着(右手は現地を案内してくださる熊崎さん)

現地に到着(右手は現地を案内してくださる熊崎さん)

放棄された桑畑の石積み

放棄された桑畑の石積み

間伐を実施したカラマツ林

間伐を実施したカラマツ林

里山の現状と森林管理の重要性を熊崎さんから聞く

里山の現状と森林管理の重要性を熊崎さんから聞く

炭焼き窯の跡のを見学し、かつての里山の生活を聞く

炭焼き窯の跡のを見学し、かつての里山の生活を聞く

里山の見学が終わり、集落へと降りる

里山の見学が終わり、集落へと降りる

独鈷山を登山

2009年6月14日 コミュニティ体験報告

上田市塩田平を一望できる独鈷山に登りました。山岳ガイドの荒木富美雄さんを講師にお招きし、山の歩き方(荒木さん考案の「カメ歩き」)、登山に必要な道具の使い方、安全管理についてレクチャーいただきました。山頂から塩田平と長野大学を眺めながら、登山の魅力について考えました。

荒木さんからカメ歩きの説明を受ける

荒木さんからカメ歩きの説明を受ける

いよいよカメ歩きで登山スタート

いよいよカメ歩きで登山スタート

ストーブでお湯の沸かす方法を教わる

ストーブでお湯の沸かす方法を教わる

イヌブナ・ミズナラ林を登る

イヌブナ・ミズナラ林を登る

昼食をとる

昼食をとる

独鈷山山頂に到着

独鈷山山頂に到着

塩田平の眺め(曇っていましたが、長野大学が見えました)

塩田平の眺め(曇っていましたが、長野大学が見えました)

山頂で記念写真

山頂で記念写真

軽井沢・NPO法人ピッキオの観察会に参加

2009年6月14日 コミュニティ体験報告

長野県軽井沢のNPO法人ピッキオが主催するネイチャーウォッチングとナイトハイクに参加しました。ネイチャーウォッチングでは、ガイドの大塚敏之さんによる案内のもと、軽井沢野鳥の森を散策しながら、軽井沢の自然や野生動物(ツキノワグマ、ムササビ、キビタキ、シジュウカラ、昆虫など)の生態を詳しく教えてもらいました。ナイトハイクでは、ムササビが巣箱から出てくるようすと、木から木へと飛ぶようすを観察しました。

ネイチャーウォッチングに参加(左手は大塚さん)

ネイチャーウォッチングに参加(左手は大塚さん)

ハンディービデオでムササビの巣箱の中のようすを観察

ハンディービデオでムササビの巣箱の中のようすを観察

野鳥の森で繁殖するシジュウカラの説明を聞く

野鳥の森で繁殖するシジュウカラの説明を聞く

浅間山の噴火で堆積した軽石の上に成立した森林のようす

浅間山の噴火で堆積した軽石の上に成立した森林のようす

フィールドスコープで夏鳥のキビタキを観察

フィールドスコープで夏鳥のキビタキを観察

森林内のため池にオタマジャクシを発見

森林内のため池にオタマジャクシを発見

ツキノワグマの棲む森林を見学(高橋一秋のクマ棚研究の調査地)

ツキノワグマの棲む森林を見学(高橋一秋のクマ棚研究の調査地)

巨木のウラジロモミ

巨木のウラジロモミ

沢を登り、核心部へ

沢を登り、核心部へ

炭焼き窯の跡を発見

炭焼き窯の跡を発見

ついにクマ棚を発見

ついにクマ棚を発見(クマ棚とは、クマが木に登って枝を折りながら実を食べた痕にできる棚状の枝の束のこと)

クマの棲む森をバックに集合写真

クマの棲む森をバックに集合写真

ナイトハイクに参加し、ムササビ観察

ナイトハイクに参加し、ムササビ観察

ムササビが木から木へと飛翔するようすを観察

ムササビが木から木へと飛翔するようすを観察

長野大学「森の恵みクリエイター養成講座」の野外実習「昆虫採集」(市民公開イベント)に参加

2009年8月9日 入門・専門ゼミナール活動報告

ゼミ生は、野外実習「昆虫採集」に参加し、クヌギとコナラの樹液に集まる昆虫を小学生と一緒に調査し、昆虫採集を楽しみました。ゼミナールでは、樹皮の剥ぎ方をいろいろと変えて、樹液の染み出し方や昆虫の集まりやすさを調査しています。クヌギ林はかつては薪炭林として活用されていましたが、現在はそのような利用価値を失っています。ゼミナールでは、クヌギ林の新しい活用の方法として、昆虫採集の楽しめる森づくりを始めました。
今回のイベントで小学生と一緒に調べた結果は、今後の研究に役立てます。また、今回のイベントは「樹皮剥ぎによる昆虫誘引効果」の研究を行っているゼミ生にとっては、研究内容とその成果について一般参加者に知ってもらう良い機会になっています。クヌギの樹皮を削ると樹液が染み出し、カブトムシやクワガタムシなどの昆虫が集まってくる仕組みなどについて小学生に説明しました。
なお、このイベントは、長野大学「森の生態系サービスの活用を学ぶ環境教育」(文部科学省教育GP選定プログラム)とAUN長野大学恵みの森再生プロジェクト(旧称:長野大学恵みの森再生プロジェクト)が主催するものです。長野大学独自の資格認定講座である「森の恵みクリエイター養成講座」の野外実習と、一般市民向けのイベントを同時に実施しています。

長野大学「森の恵みクリエイター養成講座」ブログに掲載

受付のようす

受付のようす

グループを作って、自己紹介

グループを作って、自己紹介

樹皮を剥いだ場所に昆虫が来ているかどうかチェック

樹皮を剥いだ場所に昆虫が来ているかどうかチェック

木の根元にかくれていないかチェック

木の根元にかくれていないかチェック

カブトムシ・クワガタムシを真剣に探すようす

カブトムシ・クワガタムシを真剣に探すようす

捕まえたカブトムシ!

捕まえたカブトムシ!

知床自然世界遺産登録地でゼミ合宿

2009年8月24-31日 入門・専門ゼミナール活動報告

知床自然世界遺産登録地で実施されているエコツーリズムについて体験を通じて学ぶために、7泊8日の日程でゼミ合宿を行いました。合宿では、知床財団が主催する「知床ボランティアレンジャー」や知床五湖の「ガイドウォーク」に参加しました。ボランティアでは、エゾシカの食害を防ぐためのシカ柵の修復作業を行いました。また、知床までは青春18きっぷとフェリーとバスの乗り継ぎと徒歩で行きました。宿泊も1000円で泊まれるライダーハウスになるべく宿泊しました。サービスとホスピタリティを可能な限りそぎ落とした旅行を体験し、充実したサービスとは何か、ホスピタリティ・マインドとは何かを考えました。
シカ柵の修復作業のようす
知床ボランティアレンジャーとは

ゼミ合宿の日程
8月24日 上田から新潟まで電車移動、ビジネスホテルにて宿泊
8月25日-26日 新潟港から小樽港までフェリー移動、フェリー泊
8月26日 小樽から網走まで電車移動、ライダーハウス「民宿ランプ」にて宿泊
8月27日 網走から知床ウトロまで電車・バス移動、知床五湖ガイドウォークに参加、カムイワッカの滝とフレペの滝を見学、民宿ランタンにて宿泊
8月28日 知床ボランティアレンジャーに参加、民宿ランタンにて宿泊
8月29日 遊覧船で知床半島と知床岬を見学、ウトロから知床斜里までバス移動、知床博物館を見学、ライダーハウス「クリオネ」にて宿泊
8月30日 知床斜里から小樽まで電車移動
8月30日-31日 小樽港から新潟港までフェリー移動、フェリー泊
8月31日 新潟から上田まで電車移動

8月24日 上田から新潟へ深夜電車で移動

8月24日 上田から新潟へ深夜電車で移動

8月25日 新潟駅から新潟港へバス移動 

8月25日 新潟駅から新潟港へバス移動 

8月25日 フェリーの搭乗手続き

8月25日 フェリーの搭乗手続き

8月25日 新潟港を発つ

8月25日 新潟港を発つ

8月25日 ゼミナール対抗エアホッケー大会

8月25日 ゼミナール対抗エアホッケー大会

8月25日 日本海に沈む夕日

8月25日 日本海に沈む夕日

8月26日 小樽港到着

8月26日 小樽港到着

8月26日 小樽運河

8月26日 小樽運河

8月26日 小樽の市場

8月26日 小樽の市場

8月26日 小樽の市場で海鮮丼

8月26日 小樽の市場で海鮮丼

8月26日 小樽駅に到着

8月26日 小樽駅に到着

8月26日 長い電車旅が始まる(小樽駅)

8月26日 長い電車旅が始まる(小樽駅)

8月26日 旭川で途中下車(電車待ち)

8月26日 旭川で途中下車(電車待ち)

8月26日 旭川でラーメン(山頭火)

8月26日 旭川でラーメン(山頭火)

8月26日 網走に到着

8月26日 網走に到着

8月26日 網走のライダーハウス「民宿ランプ」に宿泊

8月26日 網走のライダーハウス「民宿ランプ」に宿泊

8月27日 「民宿ランプ」を早朝発つ

8月27日 「民宿ランプ」を早朝発つ

8月27日 網走から知床斜里まで電車移動

8月27日 網走から知床斜里まで電車移動

8月27日 知床斜里駅に到着

8月27日 知床斜里駅に到着

8月27日 いよいよ知床ウトロへバス移動

8月27日 いよいよ知床ウトロへバス移動

8月27日 知床ウトロに到着

8月27日 知床ウトロに到着

8月27日 知床五湖のガイドウォークに参加

8月27日 知床五湖のガイドウォークに参加

8月27日 エゾシカの食害で枯れた樹木

8月27日 エゾシカの食害で枯れた樹木

8月27日 エゾシカの食害で枯れた樹木が倒れたようす

8月27日 エゾシカの食害で枯れた樹木が倒れたようす

8月27日 エゾシカに遭遇

8月27日 エゾシカに遭遇

8月27日 湖の水と水草を観察

8月27日 湖の水と水草を観察

8月27日 五湖と硫黄岳

8月27日 五湖と硫黄岳

8月27日 五湖をバックに記念撮影

8月27日 五湖をバックに記念撮影

8月27日 カムイワッカの滝に到着

8月27日 カムイワッカの滝に到着

8月27日 カムイワッカの滝を登

8月27日 カムイワッカの滝を登る

8月27日 カムイワッカの滝を登る

8月27日 カムイワッカの滝を登る

8月27日 カムイワッカの滝につかる

8月27日 カムイワッカの滝につかる

8月27日 民宿「ランタン」に到着

8月27日 民宿「ランタン」に到着

8月27日 民宿「ランタン」の夕食

8月27日 民宿「ランタン」の夕食

8月28日 海を見ながら朝食を食べる

8月28日 海を見ながら朝食を食べる

8月28日 知床アルパの事務所で、シマフクロウの羽を見せてもらう

8月28日 知床アルパの事務所で、シマフクロウの羽を見せてもらう

8月28日 知床ボランティアレンジャーに参加

8月28日 知床ボランティアレンジャーに参加

8月28日 森の番人に知床の林の歴史を説明してもらう

8月28日 森の番人に知床の林の歴史を説明してもらう

8月28日 100平方メートル運動の森・トラストの森づくりで植栽している樹木の説明を受ける

8月28日 100平方メートル運動の森・トラストの森づくりで植栽している樹木の説明を受ける

8月28日 苗畑で草むしり

8月28日 苗畑で草むしり

8月28日 シカ柵の修復作業の開始

8月28日 シカ柵の修復作業の開始

8月28日 シカ柵の杭を運ぶ

8月28日 シカ柵の杭を運ぶ

8月28日 シカ柵の杭を立てる穴を掘る

8月28日 シカ柵の杭を立てる穴を掘る

8月28日 シカ柵の杭を立てる

8月28日 シカ柵の杭を立てる

8月28日 シカ柵の杭が立ちました

8月28日 シカ柵の杭が立ちました

8月28日 シカ柵の杭の周りに土を入れて棒で突く

8月28日 シカ柵の杭の周りに土を入れて棒で突く

8月28日 お昼休み

8月28日 お昼休み

8月28日 作業に慣れてきました

8月28日 作業に慣れてきました

8月28日 ロープの結び方を教わる

8月28日 ロープの結び方を教わる

8月28日 集合写真

8月28日 集合写真(一緒に作業した日本大学の学生さん、ご指導いただいた知床財団のスタッフの皆さん、ありがとうございました)

8月28日 「民宿ランタン」の夕食2日目

8月28日 「民宿ランタン」の夕食2日目

8月29日 ロビーにて朝のミーティング

8月29日 ロビーにて朝のミーティング

8月29日 遊覧船「おーろら」に乗り込む

8月29日 遊覧船「おーろら」に乗り込む

8月29日 遊覧船で知床岬へ

8月29日 遊覧船で知床岬へ

8月29日 カムイワッカの滝

8月29日 カムイワッカの滝

8月29日 羅臼岳

8月29日 羅臼岳

8月29日 知床岬

8月29日 知床岬

8月29日 岸壁

8月29日 岸壁

8月29日 グジラとイルカを双眼鏡で探す

8月29日 グジラとイルカを双眼鏡で探す

8月29日 遊覧船

8月29日 遊覧船

8月29日 2日間お世話になった「民宿ランタン」の前で集合写真

8月29日 2日間お世話になった「民宿ランタン」の前で集合写真

8月29日 ウトロから知床斜里までバス移動

8月29日 ウトロから知床斜里までバス移動

8月29日 シカ肉バーガー

8月29日 シカ肉バーガー

8月29日 斜里岳

8月29日 斜里岳

8月29日 知床博物館に到着

8月29日 知床博物館に到着

8月29日 知床博物館で知床の自然と文化歴史を学ぶ

8月29日 知床博物館で知床の自然と文化歴史を学ぶ

8月29日 オジロワシ

8月29日 オジロワシ

8月29日 ヒグマ

8月29日 ヒグマ

8月29日 知床博物館からライダーハウス「クリオネ」まで徒歩50分

8月29日 知床博物館からライダーハウス「クリオネ」まで徒歩50分

8月29日 ライダーハウス「クリオネ」に到着

8月29日 ライダーハウス「クリオネ」に到着

8月29日 ロビーのようす

8月29日 ロビーのようす

8月29日 クリオネに訪れたライダーたち

8月29日 クリオネに訪れたライダーたち

8月30日 宿泊した部屋のようす

8月30日 宿泊した部屋のようす

8月30日 早朝「クリオネ」を発つ

8月30日 早朝「クリオネ」を発つ

8月30日 知床斜里駅まで徒歩30分

8月30日 知床斜里駅まで徒歩30分

8月30日 知床斜里駅で朝食

8月30日 知床斜里駅で朝食

8月30日 知床斜里から小樽まで電車旅

8月30日 知床斜里から小樽まで電車旅

8月30日 車窓から知床に別れを告げる

8月30日 車窓から知床に別れを告げる

8月30日 小樽駅に到着

8月30日 小樽駅に到着

8月30日 新潟行のフェリーに乗船

8月30日 新潟行のフェリーに乗船

8月30日 フェリーでくつろぐ

8月30日 フェリーでくつろぐ

8月31日 爆睡中

8月31日 爆睡中

8月31日 ゼミ合宿の反省会

8月31日 ゼミ合宿の反省会(ゼミ生は各自テーマを持ってゼミ合宿に参加しました。反省会では、ゼミ合宿で得たことと、反省点を一人ずつ発表しました)

8月31日 新潟港に到着

8月31日 新潟港に到着

8月31日 新潟から上田まで、最後の電車旅

8月31日 新潟から上田まで、最後の電車旅

8月31日 直江津にて乗り換え

8月31日 直江津にて乗り換え

8月31日 上田駅到着(7泊8日のゼミ合宿が無事に終わりました)

8月31日 上田駅到着(7泊8日のゼミ合宿が無事に終わりました)

8月31日 使用済みの青春18きっぷ

8月31日 使用済みの青春18きっぷ

第2回菅平スカイライントレイルランレースに出場

2009年9月27日 コミュニティ体験、入門・専門ゼミナール活動報告

菅平高原の登山道を駆け巡る山岳レースにゼミ生10名(環境ツーリズム学部1年・2年・3年)が15kmコースと5kmコースに出場し、全員完走しました。
田村大和さん(環境ツーリズム学部2年)は5kmコースの部で2位と健闘しました。
長野大学ホームページ「ニュース&トピックス」に掲載
第2回菅平スカイライントレイルランレースとは

スタート前のウォーミングアップ

スタート前のウォーミングアップ

スタート前

スタート前

まだまだ余裕

まだまだ余裕

スキー場ゲレンデを直登

スキー場ゲレンデを直登

一回目のエイドステーション

一回目のエイドステーション

清々しい森林の中を駆け登る

清々しい森林の中を駆け登る

二カ所目のエイドステーション

二カ所目のエイドステーション

大松山から眺める菅平高原と根子岳

大松山から眺める菅平高原と根子岳

ゴール

ゴール

ゴール

ゴール

手洗池土手の植物観察会に参加

2009年10月10日 入門・専門ゼミナール活動報告

古安曽水土里会環境保全向上対策部が主催するこの植物観察会には地元小学生の児童が参加しました。ゼミ生の山口友子さん(環境ツーリズム学部3年)は、塩田平のため池の土手に生育している植物を調査しています。観察会では、植物の名前や、食べられる植物の料理方法や薬になる植物について小学生にわかりやすく解説しました。
古安曽水土里会環境保全向上対策部は、上田市・古安曽地区の農村特有の豊かな美しい環境を維持していきたいという願いのもとに、今年度より活動を始めています。

長野大学ホームページ「ニュース&トピックス」に掲載

手洗池の土手に咲く植物を説明する山口さん

手洗池の土手に咲く植物を説明する山口さん

ツリガネニンジンの特徴を説明

ツリガネニンジンの特徴を説明

食べられる植物って、たくさんあります

食べられる植物って、たくさんあります

土手のようす

土手のようす

「第1回全国エコツーリズム学生シンポジウム2009」で発表

2009年10月17日 入門・専門ゼミナール活動報告

ゼミ生の美齊津裕太さん、山本貴紀さん、上野徹さん(環境ツーリズム学部3年)東京大学弥生講堂アネックスで開催された「第1回全国エコツーリズム学生シンポジウム」で、「樹皮剥ぎによる昆虫誘引の手法開発と観光化」のテーマでポスター発表しました。
今回のシンポジウムでは、これまでの研究から明らかになってきたこと、昆虫の誘引に効果的な樹皮剥ぎの手法について報告しました。さらに、樹皮剥ぎの手法を用いた昆虫採集がエコツーリズムに必要な要素(①地域の固有性を地域の魅力とすること、②自然環境の保全を念頭に置くこと)を満たすという考え方を提案しました。
第1回全国エコツーリズム学生シンポジウムとは2009
長野大学ホームページ「ニュース&トピックス」に掲載

発表者を含む6名のメンバー(他、小林紀博さん、島田尚樹さん、天田圭助さん)は、管理放棄が進む身近な里山に、時代のニーズに合った新しい利用価値を生み出そうと、昆虫採集の楽しめる森づくりの研究に取り組んでいます。
カブトムシやクワガタムシなどの子供たちに人気のあるの昆虫は、クヌギやコナラなどの幹から染み出す樹液に集まるという特性があります。このような昆虫の特性をうまく人間がコントロールすることによって、昆虫を効果的に誘引することができないかと考えているのです。
これまで、本学キャンパス内の「AUN長野大学恵みの森」をフィールドに、さまざまな調査・研究を行ってきました。その結果、クヌギやコナラの樹皮を剥ぐと樹液が染み出し、カブトムシやクワガタムシなどの昆虫が樹液を吸いに集まることが分かってきました。また、樹皮を剥ぐ面積や高さを変化させて、樹液の染み出し方や昆虫の集まりやすさを調査し、昆虫への誘引効果が高い樹皮剥ぎの方法が、ある程度明らかになってきました。
今回のシンポジウムでは、これまでの研究成果を報告しました。

東京大学の赤門を見学

東京大学の赤門を見学

安田講堂前にたたずむ発表者たち

安田講堂前にたたずむ発表者たち

発表会場の弥生講堂アネックスに到着

発表会場の弥生講堂アネックスに到着

ポスターを貼るようす

ポスターを貼るようす

発表のようす

発表のようす

発表のようす

発表のようす

交流会のようす

交流会のようす

交流会でも議論はつづく

交流会でも議論はつづく

シンポジウムで発表した学生たちと一緒に記念撮影

シンポジウムで発表した学生たちと一緒に記念撮影

「恵みの森」における東塩田小学校の遠足をサポート

2009年10月23日 入門・専門ゼミナール活動報告 

東塩田小学校の児童26名が「恵みの森」に遠足で訪れました。上野徹さん、酒井太郎さん、山口友子さん、山本貴紀さん、尾島今日平さん、髙藤雅光さん、田村大和さん、柳貴洋さんのゼミ生8名は小学生と一緒にドングリを集めたり森で遊びながら、森で見た木の実や葉っぱなどに関わる素朴な疑問に答えてあげました。柳貴洋さんは、「恵みの森」に設置してあるバイオトイレに小学生を案内し、人間の排泄物が微生物に分解されるしくみを分かりやすく説明しました。
長野大学ホームページ「ニュース&トピックス」に掲載

小学生と遊ぶ田村大和さん

小学生と遊ぶ田村大和さん

何かを一緒に見つけた柳貴洋さん

何かを一緒に見つけた柳貴洋さん

集めたドングリ

集めたドングリ

ドングリの説明をする酒井太郎さん

ドングリの説明をする酒井太郎さん

樹皮剥ぎによる昆虫誘引とキノコ栽培の説明

酒井太郎さんは、樹皮を剥ぐと樹液が出て昆虫が集まるしくみと、枯れた立木でキノコ栽培を行っていることを説明しました。

食べられる植物の説明

山口友子さんは、恵みの森で見られる食べられる植物について説明しました。

髙藤雅光さんと上野徹さんも子供たちと一緒に遊びました。

髙藤雅光さんと上野徹さんも子供たちと一緒に遊びました。

山本貴紀さん、ちょっとひと休憩

山本貴紀さん、ちょっとひと休憩

恵みの森を散策

恵みの森を散策

柳貴洋さんは、バイオトイレで人間の排泄物が分解されるしくみを説明しました。

柳貴洋さんは、バイオトイレで人間の排泄物が分解されるしくみを分かりやすく説明しました。「バクテリアのいい子ちゃんは、うんちやおしっこを食べて、きれいにしちゃうんだよ」と柳さん

「恵みの森」の堆肥場の土壌動物モニタリングを実施

2009年10月28日 入門・専門ゼミナール活動報告

10月28日、長野大学「森の恵みクリエイター養成講座」の必修実習が「森の生態系サービス概論(供給サービス・文化的サービスの理解)~堆肥場の切り返しと土壌動物モニタリング~」のテーマで実施されました。

野外実習のあと、堀内誠さん、上野徹さん、山本貴紀さん、美齊津裕太さん、酒井太郎さんは、堆肥場の中に潜んでいたカブトムシの幼虫を全て数え、125匹の幼虫が堆肥場を利用していることを確認しました。

また、ゼミ生によるこれまでの研究から、堆肥場にアナグマ、タヌキ、テンなどの中型哺乳類が訪れ、堆肥場の中をあさるようすがセンサーカメラで撮影されています。センサーカメラとは、動物が発する赤外線に反応して自動的にシャッターが切れるカメラのことです。カブトムシの幼虫は来年の夏に成虫になりますが、それまでの間に彼ら動物に狙われる可能性もありますので、堆肥場の上に防御用のネットを被せました。
今後も、センサーカメラでどのような動物が堆肥場に訪れるか、モニタリングする予定です。

市民開放講座「総合科目」で落葉で作った堆肥場の土壌動物(カブトムシ幼虫など)を観察
長野大学「森の恵みクリエイター養成講座」ブログに掲載

堆肥場の中でカブトムシの幼虫を探すようす

堆肥場の中でカブトムシの幼虫を探すようす

堆肥場の腐葉土を全て掘り出しました。

堆肥場の腐葉土を全て掘り出しました。

腐葉土を埋め戻すようす

腐葉土を埋め戻すようす

全ての腐葉土を埋め戻しました。

全ての腐葉土を埋め戻しました。

幼虫が何匹いるかカウントしました。

幼虫が何匹いるかカウントしました。

カブトムシの幼虫は合計125匹でした!

カブトムシの幼虫は合計125匹でした!

幼虫をアップで撮るとこんな感じです。

幼虫をアップで撮るとこんな感じです。

幼虫を堆肥場に戻し、自然に潜るのを待ちました。

幼虫を堆肥場に戻し、自然に潜るのを待ちました。

アナグマやタヌキなどの哺乳類に幼虫が狙われないように、ネットを被せました。

アナグマやタヌキなどの哺乳類に幼虫が狙われないように、ネットを被せました。

幼虫が無事に成長してくれることを願い、記念撮影。

幼虫が無事に成長してくれることを願い、記念撮影。

土壌動物観察を行う前の堆肥場のようす

土壌動物観察を行う前の堆肥場のようす

昨年の夏に堆肥場に訪れたアナグマ

昨年の夏に堆肥場に訪れたアナグマ

柳沢自治会の文化祭でポスター発表

2009年11月1日 入門・専門ゼミナール活動報告

ゼミ生の山口友子さん(環境ツーリズム学部3年)は、塩田平のため池の土手に生育している植物についての研究成果を、上田市柳沢自治会の文化祭でポスター発表しました。ポスターでは、手洗池で見られる植物のうち、食用や薬用に利用されてきた植物をまとめました。

地元の皆さんから、土手の管理方法が時代とともに変化してきたことや、昔のほうが植物が豊かだったことなどを教えていただきました。現在、年に2回行っている土手の草刈りは、10年ほど前には年に1回だったそうです。それ以前は主に野焼きを行って植生を管理していました。さらに昔の、牛を稲作で利用していた時代には、土手が牛の餌場所として利用されていたそうです。その時代は草刈りや野焼きを行う必要はありませんでした。また、草刈りを年に2回行うようになってから土手の植物が減り始めたと、おっしゃっていました。以前は、ユウスゲが綺麗に咲いていたそうです。

山口さんは、今回の発表を通じて、手洗池を研究フィールドとして提供してくださった柳沢地区の皆さんにお礼ができました。今後は、地元の皆さんからご提供いただいた情報をもとに、土手の植物の多様性が低下してしまった要因を探って行きたいと、山口さんは意欲を燃やしています。

長野大学ホームページ「ニュース&トピックス」に掲載

ポスター発表を終えた山口さん

ポスター発表を終えた山口さん

土手の管理や植物について多くのことを教えていただきました。

土手の管理や植物について多くのことを教えていただきました。

美味しい料理をいただきました。ご馳走さまでした。

美味しい料理をいただきました。ご馳走さまでした。

綿あめをいただきました。

綿あめをいただきました。

柳沢の一年を振り返るスライドショーで、手洗池の草刈りのようすが映し出されました。

柳沢の一年を振り返るスライドショーで、手洗池の草刈りのようすが映し出されました。

手洗池の改修工事の写真(昭和30年)

手洗池の改修工事の写真(昭和30年)

長野大学「森の恵みクリエイター養成講座」の野外実習「森林の食材と観光利用」に参加

2009年11月8日 入門・専門ゼミナール活動報告

ゼミ生は、野外実習「森林の食材と観光利用」に参加しました。実習では、上田地域の特産物であるマツタケを「恵みの森」に再生させる目的で、アカマツ林の整備を行いました。長野県は平成18年から3年間連続でマツタケの生産量が全国で1位ですが、年々生産量が低下しています。それは、マツノザイセンチュウによる松枯れが進行していることや、アカマツ林の伝統的な手入れが行われなくなったことなどが原因です。実習では、「恵みの森」のアカマツ林のうち、約5m×15mの面積を対象に、枯れ木(倒木)の撤去、低木の刈り取り、サデさらい(アカマツの葉を掻き取ること)を行い、マツタケの出やすい環境に整えました。

講師にお招きした手塚さん(上田市下之郷)によると、長野大学のアカマツ林は尾根に位置し、マツタケの発生には適した立地だそうです。適齢期のときにはマツタケが出たと思うが、現在は間伐やサデさらいなどの手入れが必要だとおっしゃっていました。シロ(マツタケの菌糸が固まった部分のこと)は環境条件が整うと他の場所から自然と移ってきます。これまで50年ほど山を見てきたが、3回くらいはシロが移っているように思うと、手塚さん。マツタケは、植林してから20年ほど経ってから出始め、30年~40年がピーク。その後、70年~80年が過ぎるとほとんど採れなくなるそうです。

長野大学「森の恵みクリエイター養成講座」ブログに掲載

講師の手塚さんに森林整備の流れを説明いただく

講師の手塚さんに森林整備の流れを説明いただく

サデさらい(アカマツの葉を掻き取ること)

「サデさらい(アカマツの葉を掻き取ること)を行って、砂地を露出させると、マツタケが出やすい環境になります」と手塚さん

アカマツの倒木を運び出しやすい長さにノコギリで切るようす

アカマツの倒木を運び出しやすい長さにノコギリで切るようす

倒木を林の外へ運び出す

倒木を林の外へ運び出す

立ち枯れ木を切り倒す

立ち枯れ木を切り倒す

こうやると、太い低木でもカマで刈り取れます

こうやると、太い低木でもカマで刈り取れます

ネズミサシのみを残して、落葉樹の低木を刈り取る

ネズミサシのみを残して、落葉樹の低木を刈り取る

倒木の撤去と低木の刈り取りが終わり、ひと休み。

倒木の撤去と低木の刈り取りが終わり、ひと休み。

いよいよ、熊手でサデさらい

いよいよ、熊手でサデさらい

落葉を除くと、モグラやネズミの坑道と思われる穴が出てきました。

落葉を除くと、モグラやネズミの坑道と思われる穴が出てきました。手塚さんによると、モグラの穴はその後、キツネやタヌキが掘り広げて、子育ての場所に使うそうです。

切り倒した立ち枯れ木の年輪を数えてみたところ、約50年生でした。

切り倒した立ち枯れ木の年輪を数えてみたところ、約50年生でした。

林から運び出した倒木

林から運び出した倒木

サデさらいの終わった林内のようす

サデさらいの終わった林内のようす

実習前の林内のようす

実習前の林内のようす

「うえだ4大学リレー講座2009」をサポート

2009年11月8日 入門・専門ゼミナール活動報告

第一回「うえだ4大学リレー講座2009」が「上田発☆未来学科 ~点から線へ 暮らしにつながる学びの創造~」のテーマで開催されました。この講座は、上田女子短期大学・信州大学繊維学部・長野大学・長野県工科短期大学校の4大学が、それぞれ1つずつ講義を担当し、全4回実施されます。11月8日の第3回は「森の生態系サービスを学ぶ」(講師:高橋一秋)をテーマに、長野大学で開催されました。

講義のあと、ゼミ生3名と地球クラブ(長野大学サークル)のメンバー2名が参加者をキャンパス内の「恵みの森」に案内し、ゼミで研究していることや、森の恵みクリエイター養成講座で学んだことなどを解説しました。

上田市役所ホームページ:うえだ4大学リレー講座2009 「上田発 未来学科」
長野大学ホームページ「ニュース&トピックス」に掲載

アイスブレイキングと自己紹介

アイスブレイキングと自己紹介

樹皮剥ぎによる昆虫誘引の効果について説明する小林紀博さん

樹皮剥ぎによる昆虫誘引の効果について説明する小林紀博さん

設置した巣箱について説明する美齊津裕太さん

設置した巣箱について説明する美齊津裕太さん

樹皮を360°剥いでも枯れなかったクヌギの木を説明する美齊津裕太さん

樹皮を360°剥いでも枯れなかったクヌギの木を説明する美齊津裕太さん

森の中に落葉で堆肥場を作るねらいを説明する山本貴紀さん。

森の中に落葉で堆肥場を作るねらいを説明する山本貴紀さん。10月下旬に堆肥場を掘り返したところ、カブトムシの幼虫が125匹も出てきました。

バイオトイレの見学。人間が排泄する「し尿」の分解を学ぶための教材です。

バイオトイレの見学。人間が排泄する「し尿」の分解を学ぶための教材です。

長野大学「森の恵みクリエイター養成講座」の野外実習「森林内における堆肥づくり」(市民公開イベント)に参加

2009年12月5日 入門・専門ゼミナール活動報告

ゼミ生は、野外実習「森林内における堆肥づくり」に参加しました。今後ゼミナールでは、定期的に切り返し(落葉を掻き出し空気を入れる作業のこと)を行い、腐葉土のでき具合や堆肥場を利用する土壌動物をモニタリングします。
なお、このイベントは、長野大学「森の生態系サービスの活用を学ぶ環境教育」(文部科学省教育GP選定プログラム)とAUN長野大学恵みの森再生プロジェクト(旧称:長野大学恵みの森再生プロジェクト)が主催するものです。長野大学独自の資格認定講座である「森の恵みクリエイター養成講座」の野外実習と、一般市民向けのイベントを同時に実施しています。

長野大学「森の恵みクリエイター養成講座」ブログに掲載

直径2m×深さ90cmの穴を林内に掘る

掘った穴に粗朶(そだ)を敷き詰める

掘った穴に通気用の塩ビパイプを入れる

落葉を掻き取る場所の低木と草本を刈り取る

落葉集め

落葉詰め

発酵をうながす米ぬかを入れる

水を入れる

踏み込んで堆肥場は完成!

昨年の堆肥場に棲むカブトムシの幼虫観察

天敵(アナグマやタヌキ)よけネットを被せる

記念撮影!

恵みの森でベニヤ板を使った堆肥づくりを実施

2009年12月28日 入門・専門ゼミナール活動報告

12月28日、恵みの森でベニヤ板を使った堆肥づくりを実施しました。ベニヤ板(90cm×180cm)4枚を正方形に組み、その中に落葉を詰め込みました。今後は、2009年12月5日に、長野大学「森の恵みクリエイター養成講座」の野外実習「森林内における堆肥づくり」で林内に穴を掘って作った堆肥場と、腐葉土のでき方やその中に棲み込む土壌動物などを比較します。
また春になったら、落葉を掻いた場所と落葉を掻かなかった場所から芽生える植物の実生を観察します。それによって、落葉を掻くことが植物の芽生え
の発生にどのような影響を示すかを調査します。

落葉掻き

手前が落葉掻きを行った場所

落葉を掻いた地表面

ベニヤ板の木枠の中に落葉を詰める

水を入れる

米ぬかを入れる

通気口の塩ビパイプを差し込む

木枠の堆肥場完成!

「塩田平のため池群」の看板

  1. ホーム
  2.  >  教育・研究
  3.  >  教員紹介
  4.  >  高橋一秋のWebsite