この地域協働型教育を具体化するものとして、「長野大学VISION」、「中期計画」に「信州上田学」の創出を掲げました。同時に上田市政においても「上田の魅力を知り、ともに地域を築く体験を通して若者定着へと繋げる」「信州上田学の推進」が位置づけられました。これにより、上田市や、教育委員会、他の教育機関と手を携えて、幼保小中高大一貫して地域を担う人づくりに本学として取り組むことで、学園都市上田にふさわしい、公立大学らしい展開を目指しています。
信州上田学のめざすもの
・ 既存の教科の枠組みにとらわれない学際的な研究と教育
・ 現実社会の題材を多角的視野から取り上げ、地元企業、行政、地域の方々と触れ合い、共同で課題解決を目指すことによる、新たな知の産出
◎地域の豊富な資源を持続的に活用して地域の発展を牽引できる人づくり
▶︎初年次教育
・ 新たな「学力観」に対応し、現代のグローバル社会が求める総合的でクリエイティブな能力の育成
・ 知識伝達・技能偏重ではなく、「課題解決の指向性を持って」知識を使いこなす能力、「自ら問いを立て生涯学び続けることのできる能力」、「クリエイティブな思考力」の育成
・ 地域の豊かな題材を取り上げ、地域課題の解決に向けたアクティブ・ラーニングを重視することによる主体的で深い学び
▶︎専門教育/キャリア教育
・ 上級生向けには、キャリアサポートや、地域の企業との交流、ゼミナールなどによる地域と連携した課題解決の取り組み
・ 上田をよく知り、地域と一緒に活動し、就職をするところまでの人づくりの一続きの過程
・ 圏外の出身地へ就職しても、自らの地域の発展を牽引するとともに、信州上田をよく知り、出身地と信州上田をともに発展させていく、いわゆる「関係人口」の増大が期待される
1.長野大学における「信州学」「信州上田学」の授業やまちなかキャンパスにおける講座
「信州学」は、信州を対象とした学際的な地域学。広大な県土を持つために生活・文化等に多様な地域特性を備える長野県を対象に、地理・歴史を中心に信州の特性や魅力を学び、社会科学的な分析をとおして信州の未来像を描く学際的なアプローチ
▶信州上田学授業
地元企業や行政、地域の講師との交流を通じて多角的な現実に触れ、学生のみずみずしい感性で自ら課題を捉え、グループワークを通して解決策をプレゼンテーションするワークショップや演習をおこなう、アクティブな学習プロセス
2.大学を含む地域の匠の人材バンクの構築とそれを活用したライフステージ(幼保、小、中、高、市民)ごとの信州上田学
・幼児から大学生、生涯学習まで、ライフステージごとの一貫した地域学教育の実施
・古来より豊かな自然と共生し、産業を起こしてきた在野の経験知を教える「地域の匠」として地域の方々を登録した人材バンクの構築と活用
3.若者のアイデアを生かし、ともに上田を築いていくための「上田未来会議」の実施
第二の故郷となるキャンパス生活を 学長 中村 英三
中村英三学長
信州上田学の概要は、三つの柱からなっています。
1つめは、長野大学における「信州学」「信州上田学」の授業やまちなかキャンパスにおける講座
2つめは、大学を含む地域の匠の人材バンクの構築とそれを活用したライフステージごとの信州上田学
3つめは、若者のアイデアを生かし、ともに上田を築いていくための「上田未来会議」の実施
つまり、学生の皆さんが主役ということです。
地域の方々とともに、この授業を通じて、「上田の魅力を知り、ともに地域を築く体験を通して若者の定着へ繋げる」教育の実践を行っていきたい、学園都市上田にふさわしい公立大学の役割を果たしていきたいと、考え方として持っています。
全国各地から来てくれている皆さんにとって、上田が生涯の中で第二の故郷といってもらえるキャンパス生活を送っていただきたい。「信州上田学」を介して、地域の方々から、上田で過ごすこと、上田とはこういうところだと、しっかり学んで欲しいと思います。
2019年度オムニバス形式による授業 4クラスに分かれて、信州上田を主体的に学ぶ
古田睦美教授(環境ツーリズム学部長)による「信州上田学」ガイダンス
4クラスの担当教員紹介(左から)
古田睦美教授クラス「醸造文化とワイン」
前川道博教授クラス「上田探検隊~上田ってどんなまち?」
高橋大輔教授クラス「千曲川の水産および観光資源」
石川義宗准教授クラス「デザインから見る歴史」
前期「信州上田学A」(まちあるき探検 )、後期「信州上田学B」(オムニバス形式)が開講しています。新型コロナウイルス感染症対策のため、前期はオンライン授業、後期は対面授業とオンライン授業の併用に変更しています。それぞれの授業の様子を動画で紹介しています。
地域の方々によって創設された長野大学は地域貢献の先駆的大学として地域学の研究と教育に取り組んできました。2017(平成29)年度から上田市の公立大学となり、より一層地域貢献できる学びの体系として初年次から4年次まで地域課題の解決に取り組む地域協働型教育を推進しています。
21世紀社会は、市民、企業や行政を含む組織等が主体で活動・協働しつつ、学生世代を含む次世代と一緒になって創り出していくものです。長野大学は学生が“地域で”、あるいは“地域と” 実践的に地域課題と向き合う学び、地域の皆様と協働する学びを実践します。全国どこの地域においても求められる地域課題解決の方法論「上田メソッド」をつくり、上田から全国に広げていくことを目指します。
◆◆11月18日(水)「信州上田学」オンラインセミナー ✖ シャトー・メルシャン椀子ワイナリーを開催しました。◆◆
日時:11月18日(水)14:30~16:00
会場:長野大学・オンライン配信
講師:シャトーメルシャン椀子ワイナリー 小林憲弘ワイナリー長
テーマ:「シャトー・メルシャン椀子ワイナリーについて」
*冒頭で、学生報告「椀子ワイナリーに行ってみた‼」を行いました