このページの目次
- 森の生態系サービスの活用を学ぶ環境教育とは
- ❐「森の生態系サービスの活用を学ぶ環境教育」カリキュラムの紹介
- ❐恵みの森ライブ
- ❐活動紹介 もりくりブログ
- ❐教材ビデオ
- ❐映像ライブラリー:動画(movie)/動画(4件)/授業の様子(8件)/動物(16件)/植物(2件)
- ❐映像ライブラリー:写真(photo)
これからの社会において、日本の国土の67%を占める森をめぐる活動は、地域づくりの現場でも、企業でも、行政でも、NPOでも、ますます大切な活動となっていきます。森を上手に管理しながら、森の恵みを活かすことができる人は、これからもっとも必要とされる人材です。
森の生態系サービスの活用を学ぶ環境教育「森の恵みクリエイター養成講座」は、AUN長野大学恵みの森を舞台とした 「体験型の学び」 をつうじて、学生それぞれの森とのかかわりを構築し、 「森の生態系サービス=森の恵み」 を保全・再生・活用し、森の新しい価値を作り出し、地域の発展にいかすことができる人材を育てる環境教育カリキュラムです。 「森の恵みクリエイター養成講座」 では、森をいかす知識や技術を身につけ、森への愛情を備えた人には、長野大学独自の「森の恵みクリエイター資格」 を授与します。
そして、この講座を通して、多様なバックグラウンドを持つ学生が将来それぞれの社会的役割とキャリアの中で森とのかかわり続け、森の新しい価値を作り出し、森林生態系の保全と持続可能な社会づくりを推進していくことを目指しています。
(1)人材育成の目標
これからの社会において、森をめぐる活動は、企業でも、行政でも、NPOでも、ますます大切な活動となっていきます。森をじょうずに管理しながら、森の恵みを活かすことができる人は、これからもっとも必要とされる人材です。
■キャンパス内に森を持つ大学だからできる環境教育プログラム
豊かな自然に囲まれた長野大学は、キャンパス内に森を持っています。私たちは、この森を、地域を豊かにするという願いをこめて「AUN長野大学恵みの森 」と名づけています。
■森にかかわり続ける人を育てます
「森の恵みクリエイター養成カリキュラム」は、AUN長野大学恵みの森を舞台とした「体験型の学び」をつうじて、日本の国土の67%を占める森林を持続的に管理しながら森の恵みを再生・活用し、森の新しい価値を作り出し、地域の発展にいかすことができる人材を育てる画期的な環境教育プログラムです。 多様なバックグラウンドを持つ学生が、地域社会とのふれあいを基盤とした体験型の野外実習を通じて、自分なりの森とのかかわり方を見つけ出し、将来それぞれの社会的役割とキャリアの中で森とのかかわり続け、森の新しい価値を作り出し、森林生態系の保全と持続可能な社会づくりを推進していくことを目指します。
■森の達人の称号「森の恵みクリエイター資格」
この環境教育プログラムで森をいかす知識や技術を身につけ、森への愛情を備えた人には、長野大学独自の「森の恵みクリエイター資格」 が授与されます。やがて社会に飛び出した「森の達人」である森の恵みクリエイターたちが、将来どんな職業やキャリアについても、森への愛情を忘れずに、森の保全と活用に取り組んでいくことで、たくさんの人が、森をもっと身近に感じながら、その恵みを持続的に利用する社会を築きます。
(2)カリキュラムの基本理念
これからの地域を元気にするキーワードは、ズバリ「環境・観光・福祉・情報」です。長野大学には、これらを専門に学ぶ、環境ツーリズム学部、企業情報学部、社会福祉学部の3つの学部があります。環境、観光、福祉、情報の分野の意欲にあふれた教員たちが集結し力を合わせて、この環境教育プログラムにとりくみます。そして、この4領域の講義と野外実習からなる学際的なカリキュラムを通じて、森の恵みをいかすための総合的な視野と実践力を育てます。
■受講する講義と実習を選ぶのは「あなた」です
森の恵みをどんなふうにいかすかは、その人しだい。長野大学は、「学生の顔が見える教育」をモットーに、きめ細かい少人数教育と個別指導の実現に向けて全学をあげて取組んでいます。「森林の生態系サービスを学ぶ環境教育」カリキュラムでも、学生ひとりひとりの興味を大切にして、学生は、それぞれの興味関心に従って講義と野外実習を選択・受講することで、主体的に自分自身と森とのかかわりを構築します。そのために、講義と野外実習を学生が最大限の自由度をもって選択できるように配置します。
■「自分なりの森とのかかわりかた」と出会うための万全のサポート体制
「自由に講義や実習を選べるのは良いけど、どんなふうに選べば自分の目指す森とのかかわりかたができるようになるのか分からないな‥」 「そもそも、生態系サービスってなんだろう?」
こんな不安を感じる人もご心配なく。カリキュラムには、森の生態系サービスを活用するための基礎がわかる必修の講義と野外実習 が用意されています。この基本の講義と実習を受講すれば、自らの目指す道が自然と見えてくるはずです。
さらに、学生がそれぞれの興味関心の発展に応じて効果的に講義と野外実習を選択・履修できるように、教職員がそれぞれの学生に個別に履修のサポートを行います。もちろん、学生が狭い関心や特定の専門分野に偏らないよう、多面的な視野から森とのかかわりを形成できるように配慮して履修指導を行いますので、必修の講義と実習以外には、履修の制約をいっさい設けません。
■専門的な知識と技術を極めることも可能です
特定の生態系サービスに関して特に専門性を深めることを希望する学生は、特定の野外実習を何度も履修することができます。その際に学生の成長に合わせて実習におけるそれぞれの学生の役割や課題を個別に設定し、専門的な知識と技術の向上を図ります。また、カリキュラムで学んだことを自分自身の研究に生かすための個人指導も実施します。
■お互いの得意ワザをいかして協力
世の中にはあなたと興味や関心が異なる人がたくさんいます。そんな人たちと、お互いの得意分野をいかして協力できたら楽しいと思いませんか?
「森林の生態系サービスを学ぶ環境教育」カリキュラムには、いろいろな学部の学生が参加します。そのため、自分と得意分野の異なる人たちといっしょに講義や野外実習を受ける機会がたくさんあります。専門分野の違う人たちとのふれあいをとおして、お互いに新たな関心や興味を発見したり、より広い視点から立場や関心のちがう人と協力していくためのコミュニケーション能力を養うことも、このカリキュラムでは大切にします。
■あなたの興味と関心に合わせてカリキュラムは常に進化します
「こんな講義があったらいいのにな」
「あの実習はもっとこんなふうになると楽しいのに」
今まで学校の講義や実習を受けていて、こんなふうに感じたことはありませんか?一人一人違う人間なのですから、人によって興味や関心が異なるのは当前です。こんな「当たり前のこと」にきちんと対応するために、定期的に学生の興味や関心の変化をモニターして、講義と野外実習の内容を常に改善していきます。そして、必要に応じて新たな講義と野外実習を開発します。
(3)カリキュラムの構成
これらの講義や実習は半期(15回)あるいは通年(30回)の科目ですが、森の恵みクリエイター資格の取得要件となる講義や実習は、それぞれの科目で1〜2回程度です。自分の関心のある分野を「つまみ食い」する気分で、ぜひ楽しみながら受講してください。資格取得の詳細な方法については、森の恵みクリエイターとは?をお読みください。
2009年度の履修科目一覧は森の恵みクリエイター履修科目情報をお読みください
「森の生態系サービスの活用を学ぶ環境教育」についての詳細はこちらをお読みください
バードウォッチングのための森づくり
~巣箱づくりと巣箱かけ、シジュウカラの観察~
執筆 : kazuaki 2012-6-15 20:00 2012月6月15日(金)、
入門ゼミナール(高橋一秋ゼミ)の授業の中で、選択の野外実習「バードウォッチングのための森づくり~巣箱づくりと巣箱かけ、シジュウカラの観察~」が実施されました。
今回の実習では、恵みの森に設置した巣箱のチェックを行いました。
SNSによる情報共有の練習問題~森の恵み探検隊!~
執筆 : kazuaki 2012-6-13 20:00 2012月6月13日(水)、
「地域情報メディア論」の授業の中で、選択の野外実習「SNSによる情報共有の練習問題」が実施されました。
「森の恵み探検隊」と称し、デジカメで撮った写真を地域SNSに掲載しました。
森の生態系サービス概論(供給サービス・文化的サービスの理解-森の保水力の測定-
針広混交林と人がよく通るトレイルで、保水力がどのくらい違うかを計測しました。
恵みの森
針広混交林を構成する主要樹種のアカマツ、クヌギ、ウワミズザクラ
針広混交林
塩ビパイプの測量計にそそがれた水がしみこむようす
トレイル
水がほとんどしみこみません。
昆虫採集のための森づくり~樹皮を剥ぎで昆虫を誘引する~
今回はクヌギ樹木10本に樹皮剥ぎを施しました。林床から60cmと120cmの高さの2箇所に鉈で樹皮を少し削りました。写真のような削り方が「樹木を枯らさず樹液をしみ出させる」方法です。2007年10月から実施してきた研究によって開発された方法です。
鉈を使って樹皮をはぐ
木を枯らさず樹液を出させる樹皮剥ぎの見本(クヌギ)
森の生態系サービス概論
(供給サービス・文化的サービスの理解~堆肥場の切り返しと土壌動物モニタリング~)
2012月6月4日、「環境科学」の授業の中で、必修の野外実習「森の生態系サービス概論(供給サービス・文化的サービスの理解~堆肥場の切り返しと土壌動物モニタリング~)」が実施されました。「恵みの森」では、2007年から毎年12月に堆肥づくりを行っています。堆肥づくりの目的は、供給サービスとしての腐葉土を生産することと、堆肥場はカブトムシの産卵場所として利用されることから、昆虫採集の楽しめる森づくりを行うことで文化的サービスを創出することです。
実習では、2010年12月に作製した堆肥場の中のミミズや微生物などの土壌動物を観察し、落葉が土壌動物によって分解されるしくみを学びました。また堆肥づくりの目的を体験的に学びました。2010年12月に作製した堆肥場は、穴型堆肥場(落葉広葉樹)、木枠型堆肥場(落葉広葉樹)、木枠型堆肥場(針葉樹:アカマツ)の3タイプです。土壌動物のモニタリング調査の結果、木枠型堆肥場(落葉広葉樹)のみから、カブトムシの幼虫が観察され、堆肥場がカブトムシの産卵場所として利用されることが分かりました。
アカマツの葉で堆肥を作ることで、アカマツ林の林床が整備されます。その結果、マツタケが発生しやすい環境になります。したがって、アカマツの葉を使った堆肥づくりは、マツタケ林の管理にもつながるのです。
右が木枠型(落葉広葉樹)、左が木枠型(針葉樹)
木枠型堆肥場(落葉広葉樹)
土壌動物をルーペで観察し検索表から分類群を判定
木枠型(落葉広葉樹)から出てきたカブトムシの幼虫
信越トレイル・ブナ林トレッキング
2012年5月25日(金)−26日(土)、「入門・専門ゼミナール(高橋一秋)」の授業の中で、選択実習「信越トレイル・ブナ林トレッキング」(一泊二日)が実施されました。
目的: ① なべくら高原「森の家」(http://www.nabekura.net/)が主催するトレッキングツアー(ガイド付)に参加し、エコツーリズムの魅力を体験的に学ぶ。② 信越トレイル周辺のブナ林を散策し、ブナの新緑と芽生え(7年ぶりの一斉発芽)を楽しみながらブナの林の生態を学ぶ。
詳細 → 高橋一秋ゼミナールブログ(http://wwws.nagano.ac.jp/circle/kazuaki/2012/05/)へ
鍋倉山ブナ林トレッキング
■5/25(金)
14:30 大学出発
14:30~16:30 借り上げ大型バスで移動
16:30 なべくら高原「森の家」到着(チェックイン)
16:30~17:00 休憩
17:00~17:15 借り上げ大型バスで移動
17:15 「いいやま湯滝温泉」到着
17:15~19:30 温泉入浴、夕食(郷土料理プラン)
19:30 借り上げ大型バスで移動
19:45 なべくら高原「森の家」到着
20:00~21:30 ナイトハイク(「森の家」周辺)
21:30~00:00 自由時間
00:00 就寝
■26(土)
7:30 起床
7:30~8:15 朝食(お部屋毎にベーグル、ピタサンド、お飲物)
8:15~8:45 荷物パッキング
9:00 なべくら高原「森の家」(チェックアウト)
9:00~10:30 トレッキングツアー①:ブナ林散策、ブナ芽生え観察(「森の家」周辺)
10:30~11:00 借り上げ大型バスで移動
11:00~14:00 トレッキングツアー②:残雪と新緑の原生的ブナ林散策、「いいやまブナの森倶楽部」保全活動現地見学、昼食(鍋倉山中腹)※残雪上を歩く。
14:00~14:30 借り上げ大型バスで移動
14:30~15:00 道の駅「花の駅・千曲川」(http://www.chikumagawa.net/)
15:00~16:30 借り上げ大型バスで移動
16:30 大学到着、解散
ほだ木によるキノコ栽培~キノコのコマ打ち~
2012月5月11日、「入門・専門ゼミナール(高橋一秋)」の授業の中で、選択の野外実習「ほだ木によるキノコ栽培~キノコのコマ打ち~」が実施されました。コナラのほだ木(50本)に電気ドリルで穴をあけ、シイタケ・ナメコ・クリタケの菌を打ちました(シイタケ30本、ナメコ10本、クリタケ10本)。
堆肥づくりによる森林再生~カブトムシの産卵場所の創出~
2010年12月4日、選択の野外実習「堆肥づくりによる森林再生~カブトムシの産卵場所の創出~」が市民開放イベント「堆肥づくり」と同時開講で実施されました。活動には、長野大学「森の恵みクリエイター養成講座」の登録者31名と一般市民10名(うち小学生9名)が参加しました。
堆肥づくりの目的は家庭菜園やガーデニングで利用される良質な堆肥(腐葉土)を生産することと、カブトムシの幼虫が利用する堆肥場を作ることで昆虫採集が楽しめる森を作ることです。実習では、環境ツーリズム学部3年の柳貴洋さん(森の恵みクリエイターⅡ種)が、Ⅰ種資格の小論文で提案した「堆肥場を利用する生き物どうしの関係を学ぶカードゲーム」を実施し、参加者はカードゲームを楽しみながら、堆肥づくりの目的や落葉を分解する土壌動物、それらを捕食する中型動物などについて学びました。その後の堆肥づくりでは、恵みの森で落葉広葉樹(クヌギ・コナラ)とアカマツの落葉を集めて、森の中に作った穴型堆肥場(直径2m×深さ60cm)1個と木枠型堆肥場(縦1.6m×横1.6m×高さ90cm)2個の中に詰めました。今後は、腐葉土のでき具合やカブトムシの産卵場所としての質を落葉広葉樹とアカマツの葉で比較します。アカマツの葉の利用が進めば、アカマツ林の整備につながり、松茸林の再生活動にもなります。
また「森の恵みクリエイターⅡ種資格」第一号取得者とⅡ種資格取得見込者が小学生対象の「森博士(初級・中級・上級)」認定制度を考案し、今回の「堆肥づくり」のイベントから開始しました。認定制度の目的は、森の恵みや森に暮らす生き物について楽しみながら学びたい小学生を支援することです。12月の「堆肥づくり」(カブトムシの産卵場所づくり)、6月の「クヌギの樹皮剥ぎ」(カブトムシの餌場所づくり)、8月の「昆虫採集」(カブトムシ採り)の全ての活動に参加した小学生に「森博士(初級)」の認定カードをプレゼントします。
カードゲームの説明をする柳さん
カードゲームを楽しみ参加者たち
落葉広葉樹の落葉集め
穴型堆肥場に落葉をつめる
森林の水浄化機能の評価
2010年10月26日、「森と水の社会史」の授業の中で、選択の野外実習「森林の水浄化機能の評価」が実施されました。恵みの森では、20年度に水環境調査を実施して、地下水を汲み取ることができる実験環境を整えました。実習では、その地下水と造成されたため池に水を採取し、その水質をパックテストで比較検査することで、森林の重要な生態系サービスである水質浄化の機能を把握しました。
地下水を汲み取るための実験用パイプ
地下水を汲み取る受講生
パックテストによる水質検査
実験用パイプの中のようす
エコツーリズムにおけるモニタリングの観光化
~野生果樹の結実モニタリング~
2010月10月25日、「環境教育論」の授業の中で、選択の野外実習「エコツーリズムにおけるモニタリングの観光化~野生果樹の結実モニタリング~」が実施されました。「恵みの森」では、生態系サービスのさまざまな恩恵が地域社会にもたらされる森林づくりを行っています。2007年~2010年の春には、ジャムや果実酒などの原材料になる15種類の野生果樹を植栽しました。今後は、森林内のさまざまな環境に植栽した野生果樹の成長と結実状況を定期的にモニタリング(監視)することで、それぞれの野生果樹の結実に適した環境を明らかにし、森林内栽培の手法を明らかにします。実習では、エコツアーのガイドと観光客がモニタリングを実施する最適な人材と考え、野生果樹の収穫を楽しみながら、結実の状況をモニタリングしていく手法を学びました。また、実習自体をエコツアーと見立てて、観光客になったつもりで、野生果樹の収穫を行いました。合計20種類の木の実が収穫されましたが、その中には、果実酒、ジャム、ゼリーの原料となるもの、薬用成分が含まれるものがありました。
表) 収穫された野生果樹の果実と利用方法
(※ 果実の収穫量は32名の参加者が、それぞれ20分間収穫したものの合計値)
種名 | 果実の分類 | 利用方法 | 収穫量(g) |
ミヤマガマズミ | 液果(多肉果) | 果実酒、ジャム、ゼリー | 1.1 |
コバノガマズミ | 液果(多肉果) | 果実酒、ジャム、ゼリー | 8.3 |
ガマズミ | 液果(多肉果) | 果実酒(疲労回復、利尿)、ジャム、ゼリー | 4.8 |
ナツハゼ | 液果(多肉果) | ジャム、ゼリー果実酒(疲労回復、滋養強壮) | 21.6 |
サルトリイバラ | 液果(多肉果) | 果実酒 | 1.6 |
タラノキ | 液果(多肉果) | 果実酒 | 1.9 |
ノイバラ | 液果(多肉果) | 薬用(便秘、利尿、むくみ、にきび、腫物) | 13.7 |
アオツヅラフジ | 液果(多肉果) | 薬用(神経痛、関節炎、リウマチ、痛風、 膀胱炎、利尿、むくみ) | 8.6 |
ヘクソカズラ | 液果(多肉果) | 薬用(しもやけ、ひび、あかぎれ) | 8.2 |
ツルウメモドキ | 液果(多肉果) | 薬用(腫毒) | 2.9 |
スイカズラ | 液果(多肉果) | ― | 9.0 |
イボタノキ | 液果(多肉果) | ― | 29.8 |
ヒヨドリジョウゴ | 液果(多肉果) | 毒 | 30.7 |
ヨウシュヤマゴボウ | 液果(多肉果) | 毒 | 1.7 |
ニシキギ | 液果(多肉果) | 毒 | 10.5 |
クリ | 堅果 | 栗ご飯、和菓子、洋菓子 | 35.4 |
クヌギ | 堅果 | ドングリクッキー | 110.8 |
コナラ | 堅果 | ドングリクッキー | 2.5 |
ネズミサシ | 堅果 | 果実酒 | 0.0 |
果実の採集
収穫したカラフルな果実
果実の計量
森の生態系サービス概論
(供給サービス・文化的サービスの理解~堆肥場の切り返しと土壌動物モニタリング~)
堆肥場タイプ | カブトムシの幼虫数 | 1個体当たりの平均重量(g) |
木枠型堆肥場 | 33 | 16.2 |
木枠型堆肥場 | 64 | 26.3 |
穴型堆肥場の切り返し
木枠型堆肥場の切り返し
土壌動物の調査と観察
堆肥場から出てきたカブトムシの幼虫
昆虫採集のための森づくり~樹皮を剥ぎで昆虫を誘引する~
2010年8月7日、選択の野外実習「昆虫採集のための森づくり~樹皮を剥ぎで昆虫を誘引する~」が、市民開放イベント「昆虫採集」と同時開講で実施されました。「恵みの森」での研究から、クヌギの樹皮を削ると樹液が染み出し、カブトムシやクワガタムシなどの甲虫が集まることと、森の中で堆肥場を作ると、そこをカブトムシが産卵場所として利用することが分かってきました。樹皮剥ぎと堆肥づくりをセットで行うことで、昆虫採集の楽しめる森づくりになるのです。実習では、実際に昆虫採集を楽しむことで、樹皮剥ぎと堆肥場がもたらした昆虫誘引の効果と、それによって創出された文化的サービスを体験的に学びました。また、地元の小学生と一緒に昆虫採集を楽しみました。
種名 | 捕獲した個体数 |
カブトムシ | 22 |
カナブン | 4 |
アカハラケシキスイ | 3 |
コクワガタ | 2 |
カミキリムシsp | 1 |
ノコギリカミキリ | 1 |
ヨツボシオオキスイ | 1 |
ムナビロオオキスイ | 1 |
受付で自作の木の名札を配る受講生
樹皮剥ぎの部分にいたカブトムシを捕まえる小学生
堆肥場の中にカブトムシがたくさん潜んでいました。
樹木への負担の小さい樹皮剥ぎの方法を説明する受講生
脱炭素社会へ向けた森林の活用~森林のCO2吸収量簡易測定~
2010年7月17日、野外実習「脱炭素社会へ向けた森林の活用~森林のCO2吸収量簡易測定~」(選択実習)が、地球環境論の中で実施されました。地球上には陸地面積の約30%を占める森林がありますが、そこには大気中に含まれる約7300億トンという炭素量の、実に約1.4倍の炭素が蓄えられています。実習では、樹木の胸高周囲長(地上から1.3mの高さの樹木の周囲長)を巻尺で計測して、樹木が固定している炭素量を推定する手法を学びました。また、その推定値と私たちが日常生活で排出している炭素量とを比較することによって、森林の二酸化炭素吸収能力を実感しました。
巻尺で胸高直径を測るようす
このデータを持ち帰り、エクセルで炭素固定量を推定しました。
鳥類に多い一夫一妻の婚姻システムの観察
2010月7月12日、「生命科学」の授業の中で、選択の野外実習「鳥類に多い一夫一妻の婚姻システムの観察」が実施されました。「恵みの森」では、生態系サービスのさまざまな恩恵が地域社会にもたらされる森林づくりを行っています。2007年から毎年春になると、巣箱を設置し、バードウォッチングの楽しめる環境を整えています。実習では、巣箱を利用するシジュウカラを観察しながら、シジュウカラの婚姻システムや繁殖生態について学びました。また、高橋一秋ゼミでシジュウカラの繁殖生態を調査している受講生が、環境教育の教材用に開発したシジュウカラの生体と卵の模型(姿かたちと重さが本物と同様なもの)と、巣箱の古巣を観察できるボックスを持参しました。他の受講生はこれらの教材を通じて、シジュウカラの生態について詳しく学びました。
フィールドスコープで巣箱からでるシジュウカラを観察
巣箱で繁殖したシジュウカラの古巣を観察する学生
模型のシジュウカラの卵を見せる受講生
バードウォッチングに用いた教材
樹液に集まる昆虫ライブカメラ
恵みの森の樹液に集まる昆虫たちの様子をモニター出来ます。
カメラA
カメラB
カメラA
カメラB
バイオトイレの活用と環境負荷低減
2010年6月30日、「エコキャンパス論」の授業の中で、選択の野外実習「バイオトイレの活用と環境負荷低減」が実施されました。人間のし尿は、自然環境に負荷を掛けている要素のひとつです。特に、平均気温が低い富士山や北アルプスなどの高山では微生物の活性が極めて低く、し尿が自然に分解されるスピードが極端に遅いため、オーバーユースが予想される観光地においては、し尿処理の問題は深刻です。一方で、バイオトイレと私たちのし尿をうまく活用することで、植物にとって肥料となる液肥を生産することができます。実習では、「恵みの森」に設置してあるバイオトイレの分解層から液体を採取し、その成分を調べることで、し尿が分解される仕組みと植物にとっての栄養価が液肥に含まれるかどうかを学びました。また、液肥が実際に植物の成長や結実にとって効果があるかを調査するために、2010年4月の植樹祭で植栽された野生果樹に液肥をまきました。
バイオトイレの分解層から液体を採取
パックテストによる水質検査
バイオトイレから液肥を取り出す
野生果樹へ液肥をまく
昆虫採集のための森づくり~樹皮を剥ぎで昆虫を誘引する~
2010年6月28日、「レクリエーションと社会」と「生涯レジャー論」の連結科目の中で、選択の野外実習「昆虫採集のための森づくり~樹皮を剥ぎで昆虫を誘引する~」が実施されました。「恵みの森」では、クヌギの樹皮を削ると樹液が染み出し、カブトムシやクワガタムシなどの甲虫が集まることを利用して、昆虫採集の楽しめる森づくりを行っています。実習では、クヌギの樹木を対象に、ナタで樹皮を剥ぐ作業を行いました。また、高橋一秋ゼミで樹皮剥ぎによる昆虫誘引の効果を研究している受講生が、昆虫への誘引効果の高い樹皮剥ぎの方法や、樹木への負荷の小さい樹皮剥ぎの方法について説明し、最も効果的な樹皮剥ぎの方法を実演しました。
樹皮剥ぎによる昆虫誘引の効果を説明する受講生
樹木への負荷の小さい樹皮剥ぎでは、1年後に傷口が修復します
樹皮剥ぎのお手本を見せる受講生
樹皮剥ぎ作業のようす
ほだ木によるキノコ栽培~キノコのコマ打ち~
2010年6月6日、「野外活動論」の授業の中で、選択の野外実習「ほだ木によるキノコ栽培~キノコのコマ打ち~」が実施されました。「恵みの森」では、「AUN長野大学再生プロジェクト」がスタートする前から、キノコ栽培を行っています。実習では、クヌギ、コナラ、サクラの原木に、ナメコ、シイタケ、クリタケを植菌しました。電気ドリルで原木に穴を開け、キノコの菌を含むコマを木づちで打ち付ける作業を通じて、供給サービスとしてのキノコの栽培について学びました。
原木に穴を開け、キノコ菌のコマを打ち付ける
しばらく水を定期的にかけて菌を原木に蔓延させます
山の幸・山菜の食文化
2010年5月15日、野外実習「山の幸・山菜の食文化」が特設科目として実施されました。山の幸・山菜は現代社会においても春の食卓を飾る旬の料理であり、森の貴重な生態系サービスの一つです。実習では、恵みの森に自生するタラノメなどの山菜の採集を楽しみながら、身近な里山にある山菜について学びました。採集した山菜は、その後、天ぷらなどに調理し、いただきました。山菜の見分け方や採集の仕方は、山菜に詳しい清水卓爾氏(ゆうすげと蝶の里の会代表)にご指導いただきました。
タラノメの採集
今日の収穫
天ぷらに調理
美味しくいただきました。
屋上を活用した森林種苗生産
2010月5月8日、「エコチャンパス論」の授業の中で、選択の野外実習「屋上を活用した森林種苗生産 」が実施されました。長野大学では、2010年から校舎の屋上を利用して、上田周辺地域に自生する苗木の生産を開始しました。屋上で苗木を育てることで、屋上緑化にもなり、屋上と建物のクーリング効果も期待できます。また、森林再生を試みる際は、ぞれぞれの地域に自生する植物の遺伝的特性をかく乱しないためにも、最近では地元の苗木を活用した植林活動が盛んになってきています。しかし、地元の苗木はどの地域でも入手できる状況になく、地域性苗木の生産がとても重要です。実習では、「恵みの森」から採取したクヌギの苗木と、長野大学から半径50km以内の地域から採取した苗木をプランターに植栽しました。また、日比谷アメニスの坂本哲氏を講師にお招きし、屋上緑化の効果と植栽方法についてレクチャーいただきました。
恵みの森でクヌギの苗木を採取
プランターへの植え込み方法を説明する坂本氏
苗木をプランターに植え付ける受講生
プランターを配置して完成
バードウォッチングのための森づくり~巣箱づくりと巣箱かけ~
2010月5月6日、「野外活動論」の授業の中で、選択の野外実習「バードウォッチングのための森づくり~巣箱づくりと巣箱かけ~」が実施されました。「恵みの森」では、生態系サービスのさまざまな恩恵が地域社会にもたらされる森林づくりを行っています。2007年から毎年春になると、巣箱を設置し、バードウォッチングの楽しめる環境を整えています。実習では、マンション型の巣箱を作製しました。これは、シジュウカラ用の小型巣箱が縦に5つ重なったものです。マンション型巣箱を利用するシジュウカラなどの鳥類を観察することで、繁殖場所として必要な条件を調査する予定です。
巣箱を作製する受講生たち
完成したマンション型巣箱
野生果樹の植樹と森林再生
2010年4月24日、選択の野外実習「野生果樹の植樹と森林再生」が市民公開イベント「植樹祭」と同時開講で実施されました。実習では、環境ツーリズム学部3年の柳貴洋が「森の恵みクリエイターⅡ種資格」の小論文で提案した「~野生果樹の生態と活用を学ぶ環境教育プログラム:アイスブレイキングへの導入の試み~」を実施し、受講生は植樹祭で植える野生果樹の特徴や加工方法について学びました。また、植樹祭では、ナツハゼ、ヤマグワ、モミジイチゴ、ヤマブドウ、サルナシ、ホオノキ、コシアブラ、ヤマザクラ、ウワミズザクラの計9種類の野生果樹を植栽しました。そのうち、5種類の野生果樹(ナツハゼ、ヤマグワ、モミジイチゴ、ヤマブドウ、サルナシ)は、その後の育て方を3通り(バイオトイレの液肥と水をやる、水のみやる、何もしない)に変えて、その後の成長や結実の状況をモニタリングし、最も適した栽培方法を確立する予定です。
⇒ 第4回植樹祭を開催~森の恵みクリエイター養成講座・野外実習「野生果樹の植樹と森林再生」~
表1) 植樹祭で植栽した野生果樹の個体数 | |
樹種 | 植栽した個体数 |
ナツハゼ | 33 |
ヤマグワ | 33 |
モミジイチゴ | 33 |
ヤマブドウ | 33 |
サルナシ | 30 |
ホオノキ | 6 |
コシアブラ | 6 |
ヤマザクラ | 6 |
ウワミズザクラ | 6 |
表2) 植栽した野生果樹の管理方法 | ||||||
樹種 | 給水なし × | 液肥なし × | 給水あり 〇 | 液肥なし × | 給水あり 〇 | 液肥あり 〇 |
ヤマグワ | 11本 | 11本 | 11本 | |||
モミジイチゴ | 11本 | 11本 | 11本 | |||
ナツハゼ | 11本 | 11本 | 11本 | |||
ヤマブドウ | 11本 | 11本 | 11本 | |||
サルナシ | 10本 | 10本 | 10本 | |||
給水あり 〇 | 液肥なし × | |||||
コシアブラ | 6本 | |||||
ホオノキ | 6本 | |||||
ヤマザクラ | 6本 | |||||
ウワミズザクラ | 6本 | |||||
提案したプログラムを説明する柳さん
プログラムに参加する受講生と地域住民
苗木を植える
苗木の植え方を参加者に指導する受講生
森の生態系サービス概論(供給サービス・文化的サービスの理解
~堆肥場の切り返しと土壌動物モニタリング~)
2010月4月21日、「エコキャンパス論」の授業の中で、必修の野外実習「森の生態系サービス概論(供給サービス・文化的サービスの理解~堆肥場の切り返しと土壌動物モニタリング~)」が実施されました。「恵みの森」では、2007年から毎年12月に堆肥づくりを行っています。堆肥づくりの目的は、供給サービスとしての腐葉土を生産することと、堆肥場はカブトムシの産卵場所として利用されることから、昆虫採集の楽しめる森づくりを行うことで文化的サービスを創出することです。実習では、堆肥場を利用するミミズや微生物などの土壌動物を観察し、落葉が土壌動物によって分解されるしくみや、堆肥づくりの目的を体験的に学びました。
堆肥場を掘り返して、腐葉土を採集する
土壌動物の観察
森の生態系サービス概論(供給サービス・文化的サービスの理解)
~堆肥場の切り返しと土壌動物モニタリング~
⇒ 市民開放講座「総合科目」で落葉で作った堆肥場の土壌動物(カブトムシ幼虫など)を観察
⇒ 高橋一秋ゼミナール紹介 ⇒ フォトギャラリー ⇒ 「恵みの森」の堆肥場の土壌動物モニタリングを実施
堆肥場から腐葉土を持ち出すようす
堆肥場から出てきたカブトムシの幼虫
森林の食材と観光利用
2009年11月8日、野外実習「森林の食材と観光利用」が特設科目として実施されました。実習では、上田地域の特産物であるマツタケを「恵みの森」に再生させる目的で、アカマツ林の整備を行いました。長野県は平成18年から3年間連続でマツタケの生産量が全国で1位ですが、年々生産量が低下しています。それは、マツノザイセンチュウによる松枯れが進行していることや、アカマツ林の伝統的な手入れが行われなくなったことなどが原因です。実習では、「恵みの森」のアカマツ林のうち、約5m×15mの面積を対象に、枯れ木(倒木)の撤去、低木の刈り取り、サデさらい(アカマツの葉を掻き取ること)を行い、マツタケの出やすい環境に整えました。マツタケに詳しい手塚さん(上田市下之郷)にご指導いただきました。
⇒ 高橋一秋ゼミナール紹介 ⇒ フォトギャラリー ⇒ 長野大学「森の恵みクリエイター養成講座」の野外実習「森林の食材と観光利用」に参加
倒木を林の外へ運び出す
熊手でサデさらい(アカマツの葉を掻き取ること)のようす
し尿の分解をバイオトイレで学ぶ
2010年3月30日、選択の野外実習「し尿の分解をバイオトイレで学ぶ」が特設科目として実施されました。人間のし尿は、自然環境に負荷を掛けている要素のひとつです。特に、平均気温が低い富士山や北アルプスなどの高山では微生物の活性が極めて低く、し尿が自然に分解されるスピードが極端に遅いため、オーバーユースが予想される観光地においては、し尿処理の問題は深刻です。実習では、「恵みの森」に設置してあるバイオトイレの分解層から液体を採取し、その成分を調べることで、し尿が分解される仕組みを学びました。水質検査では、pH、リン酸、亜硝酸、CODを測定しました。また、森の恵みクリエイターⅡ種資格を第一号で取得した柳貴洋さんがSA(スチューデントアシスタント)として、農工大学で環境教育を専攻する大学院生の孟蘭さんがTA(ティーチングアシスタント)として実習をサポートしました。
バイオトイレがし尿を分解するしくみを説明する柳さん
水質検査の流れを説明する柳さんと孟さん
水質検査のやり方を説明する孟さん
水質検査のようす
森林内における堆肥づくり
2009年12月5日、野外実習「森林内における堆肥づくり」(選択実習)が、市民開放の特設科目として実施されました。森の落葉を集めて腐葉土を作り、農作物の肥料として利用した伝統的な資源利用の形態について学びました。また、落葉が土壌動物や微生物に分解され腐葉土になるしくみや、カブトムシの幼虫が落葉がつまった堆肥場を棲みかとして利用することなどについても学びました。森の中の堆肥づくりは、昆虫採集の楽しめる森を育てることにもなるのです。実習では、森の中に穴(直径2m、深さ90cm)を掘り、周辺で集めた落葉を詰める作業を行いました。また、堆肥場の中に潜む土壌動物(カブトムシの幼虫など)の観察を行いました。
掘った穴に落葉を詰め込むようす
昨年の堆肥場に棲むカブトムシの幼虫を観察
エコツーリズムにおけるモニタリングの観光化
~野生果樹の結実モニタリング~
2009月11月16日、「環境教育論」の授業の中で、選択の野外実習「エコツーリズムにおけるモニタリングの観光化~野生果樹の結実モニタリング~」が実施されました。「恵みの森」では、生態系サービスのさまざまな恩恵が地域社会にもたらされる森林づくりを行っています。2007年、2008年、2009年の5月には、ジャムや果実酒などの原材料になる14種類の野生果樹を植栽しました。今後は、森林内のさまざまな環境に植栽した野生果樹の成長と結実状況を定期的にモニタリング(監視)することで、14種類の野生果樹の結実に適した環境を把握し、森林内栽培の手法を明らかにします。実習では、エコツアーのガイドと観光客がモニタリングを実施する最適な人材と考え、野生果樹の収穫を楽しみながら、結実の状況をモニタリングする新しい試みの考え方を紹介しました。また、実習自体をエコツアーと見立てて、その観光客になったつもりで、野生果樹の収穫を行いました。合計18種類の野生果樹が収穫されましたが、その中には、果実酒、ジャム、ゼリーの原料となるもの、薬用成分が含まれるものがありました。
表) 収穫された野生果樹の果実と利用方法 (※果実の収穫量は18名の参加者が、それぞれ20分間収穫したものの合計値) | |||
種名 | 果実の分類 | 利用方法 | 収穫量(g) |
ミヤマガマズミ | 液果(多肉果) | 果実酒、ジャム、ゼリー | 33.1 |
コバノガマズミ | 液果(多肉果) | 果実酒、ジャム、ゼリー | 6.7 |
ガマズミ | 液果(多肉果) | 果実酒、ジャム、ゼリー | 5.3 |
ナツハゼ | 液果(多肉果) | ジャム、ゼリー | 8.1 |
サルトリイバラ | 液果(多肉果) | 果実酒 | 0.3 |
ノイバラ | 液果(多肉果) | 薬用(便秘、利尿、むくみ、にきび、腫れもの) | 12.5 |
アオツヅラフジ | 液果(多肉果) | 薬用(神経痛、関節炎、リウマチ、痛風、膀胱炎、 利尿、むくみ) | 4.4 |
ヘクソカヅラ | 液果(多肉果) | 薬用(しもやけ、ひび、あかぎれ) | 8.4 |
スイカズラ | 液果(多肉果) | ― | 24.8 |
イボタノキ | 液果(多肉果) | ― | 8.5 |
ヒヨドリジョウゴ | 液果(多肉果) | 毒 | 5.8 |
ヨウシュヤマゴボウ | 液果(多肉果) | 毒 | 6.1 |
ニシキギ | 液果(多肉果) | 毒 | 4.2 |
クリ | 堅果 | 栗ご飯、和菓子、洋菓子 | 3.2 |
クヌギ | 堅果 | ドングリクッキー | 50.7 |
コナラ | 堅果 | ドングリクッキー | 11.1 |
ネズミサシ | 堅果 | 果実酒 | 1.3 |
アカマツ | 堅果 | ― | 33.6 |
収穫した野生果樹
収穫した野生果樹を仕分けし、重さを計測するようす
森林の食材と観光利用
2009年11月8日、野外実習「森林の食材と観光利用」が特設科目として実施されました。実習では、上田地域の特産物であるマツタケを「恵みの森」に再生させる目的で、アカマツ林の整備を行いました。長野県は平成18年から3年間連続でマツタケの生産量が全国で1位ですが、年々生産量が低下しています。それは、マツノザイセンチュウによる松枯れが進行していることや、アカマツ林の伝統的な手入れが行われなくなったことなどが原因です。実習では、「恵みの森」のアカマツ林のうち、約5m×15mの面積を対象に、枯れ木(倒木)の撤去、低木の刈り取り、サデさらい(アカマツの葉を掻き取ること)を行い、マツタケの出やすい環境に整えました。マツタケに詳しい手塚さん(上田市下之郷)にご指導いただきました。
⇒ 高橋一秋ゼミナール紹介 ⇒ フォトギャラリー ⇒ 長野大学「森の恵みクリエイター養成講座」の野外実習「森林の食材と観光利用」に参加
倒木を林の外へ運び出す
熊手でサデさらい(アカマツの葉を掻き取ること)のようす
森で楽しむキノコ狩り
2009月11月4日、市民開放講座「総合科目」の授業の中で、選択の野外実習「森で楽しむキノコ狩り」が実施されました。キノコに詳しい相野慎也さん(所属:(株)エイブルデザイン)を講師にお招きし、キノコ狩りを楽しみながら、食べられるキノコと食べられないキノコのことや、キノコ(木材腐朽菌と菌根菌)の生活のこと、また、植物や動物の死がいなどの有機物を分解するキノコの働きについて学びました。ヒラタケ、キツネタケ、アミタケ、チチアワタケ、チチタケ属(数種)、マンネンタケ、キシャモジタケ、カイメンタケ、カワラタケ、ハカワラタケ、カイガラタケ、ヒイロタケ、アオゾメタケ、クヌギタケ、アシナガタケ、ニオイコベニタケ、キツムタケ、キナメツムタケ、ニガクリタケなどのキノコが採れました。
⇒市民開放講座「総合科目」でキノコ狩り
食用キノコのヒラタケも採れました。
採れたキノコの説明をする相野慎也さん。
脱炭素社会へ向けた森林の活用~森林のCO2吸収量簡易測定~
2009年10月12日、野外実習「脱炭素社会へ向けた森林の活用~森林のCO2吸収量簡易測定~」(選択実習)が、環境教育論の中で実施されました。地球上には陸地面積の約30%を占める森林がありますが、そこには大気中に含まれる約7300億トンという炭素量の実に約1.4倍の炭素が蓄えられています。実習では、樹木の胸高周囲長(地上から1.3mの高さの樹木の周囲長)を巻尺で計測して、樹木が固定している炭素量を推定する手法を学びました。また、その推定値と私たちが日常生活で排出している炭素量とを比較することによって、森林の二酸化炭素吸収能力を実感しました。
胸高直径を巻尺で計測するようす
巻尺の値を読み上げ、記録!このデータからCO2を推定
フィールドサーバと携帯端末を使った森林内情報収集と発信
AUN長野大学恵みの森の中には、フィールドサーバを利用した無線LAN環境が整備されています。このネットワークインフラ環境を利用して、森の中で気付いた発見を携帯端末で撮影し、その場でWeb上に発信する事で、森の中の情報をアーカイブ化し、お互いの発見を共有し合うという実習を行いました。
この実習は2009年9月19~20日に長野大学で開催された大学間里山交流会のプログラムの一つとして行い、交流会参加者と一緒に行いました。
し尿の分解をバイオトイレで学ぶ
2009年9月20日、野外実習「し尿の分解をバイオトイレで学ぶ」(選択実習)が、長野大学で開催された大学間里山交流会の中で実施されました。人間のし尿は、自然環境に負荷を掛けている要素のひとつです。特に、平均気温が低い富士山や北アルプスなどの高山では微生物の活性が極めて低く、し尿が自然に分解されるスピードが極端に遅いため、オーバーユースが予想される観光地においては、し尿処理の問題は深刻です。実習では、「恵みの森」に新しく導入されたバイオトイレの分解層から液体を採取し、その成分を調べることで、し尿が分解される仕組みを学びました。また、バイオトイレ製作者の石井孝二さんに講師としてお越しいただき、バイオトイレの製作理念と分解システムについてご説明いただきました。
⇒ 2009年度大学間里山交流会報告
バイオトイレの製作者・石井孝二さんによる解説
パックテストによる水質検査
昆虫採集
2009年8月9日、野外実習「昆虫採集」(選択実習)が、市民開放の特設科目として実施されました。クヌギの樹皮を削ると樹液が染み出し、カブトムシやクワガタムシなどの甲虫が集まることが、これまでの「恵みの森」での研究から分かってきました。実習では、実際に昆虫採集を楽しむことで、樹皮剥ぎがもたらした昆虫誘引効果と創出した文化的サービスについて学びました。
⇒ 高橋一秋ゼミナール紹介 ⇒ フォトギャラリー ⇒ 長野大学「森の恵みクリエイター養成講座」の野外実習「昆虫採集」(市民公開イベント)に参加
樹皮を剥いだ場所に昆虫が来ているかどうかチェック
カブトムシ・クワガタムシを真剣に探すようす
フィールドサーバを使った森林内の微気象観測と調整機能の分析
2009年7月26日、実習「フィールドサーバを使った森林内の微気象観測と調整機能の分析」を実施しました。森の生態系サービスの一つに微気象調整機能があります。森林のクールアイランド効果を体験的に学習する事を目的に、炎天下の中、AUN長野大学恵みの森と長大キャンパスにて、気温をルートセンサス測定し、フィールドサーバの定点観測データを基準とした温度勾配をGISで計算しました。結果はやはり、森林内はキャンパス内に比べ、2度程度低く、また、森林から離れるほど気温が高い事が明らかになりました。
結果:09/07/25 11時 長大キャンパスの温度勾配
(温度高:赤←黄→緑:温度低)
森の恵みを紹介する楽しいガイドマップを作ろう!
マップ作成中
2009年7月11日、「課題探求ゼミナール」の授業の中で、選択の実習「森の恵みを紹介する楽しいガイドマップを作ろう!」が実施され、初めて森に入る人に、森の恵みを知り、体験し、楽しんでもらうためのガイドマップを制作しました。
情報の基本は5W1H(when, where, who, what, why, how)ですが、観光シーンにおいて数多く発信されているのは、何がどこにあるかを伝える情報です。
しかし、なぜそれが素敵なのか、どうすればそれを楽しめるのか、それらの情報を誰に向けて発信するのか、といった戦略は、まだまだ不十分であるというのが現状です。
実習では、初めて森に入る人(who)に、森の恵み(what)と、その意味(why)や楽しみ方(how, when)を伝えるためのマップ(where)を制作することを通じて、制作者自身が森の恵みを理解するとともに、観光情報の意義や役割にも目を向けながら、マップの作成を行いました。
今回は小学生の低学年を対象に情報を発信することとし、実際に「恵みの森」へ入り、子供たちの視線で見ることを意識しながら、子供の目の高さで写真を撮ったり、子供たちが興味を持ち、面白そうだなと思うような情報の素材を集めました。
マップ作成にはパソコンを使い、子供たちに森の恵みの良さを伝えるために、わかりやすい言葉づかいや、イラストなどを使って色々と工夫を凝らしたガイドを作成しました。
「恵みの森」での情報収集
こんなガイドマップができました
森の中のネットワーク環境の構築とライブ映像の発信
2009月6月20日、実習「森の中のネットワーク環境の構築とライブ映像の発信」を実施しました。この実習では森林内の様々な場所にネットワークカメラを仕掛ける事で、身近な森の中で起こっているさまざまな野生動物の生態を記録できる事、また、それが森の魅力を 多くの人たちに伝え、楽しませる文化的サービスとして活用で出来る事を学習しました。実習ではネズミのえさ場、シジュウカラの巣箱、けもの道などにネットワークカメラを仕掛け、撮影を行いました。
ネットワークカメラ仕掛け、
撮影を行いました。
ネットワークカメラを仕掛ける
シジュウカラ
アカネズミ
アナグマ
森の生態系サービス概論〜調整サービス・基盤サービス〜
2009年5月20日に、エコキャンパス論/森の恵みクリエイター養成講座必修科目である「森の生態系サービス概論〜調整サービス・基盤サービス〜」の実習をAUN長野大学恵みの森で実施しました。実習のねらいは、塩ビパイプなどの身の回りにある物を利用して、森の調整サービスの一つである「森の保水力」を測定・評価するための知識と技術を身に付けることです。恵みの森の針葉樹林帯(アカマツなど)、広葉樹林帯(クヌギなど)、草地帯(ススキなど)の3地点で土壌の保水力を測定したところ、針葉樹林帯や広葉樹林帯に比べて、草地帯の保水力は著しく低いことが明らかとなりました。森の保水力は、森を構成する樹木が落とした葉や枝などが分解して作られた土壌が発達しているほど高まります。草地帯では、この落葉落枝による土壌が未発達なため、保水力が低かったわけです。森の保水力を自分の手で調べ評価する知識と技術は、森の生態系サービスを管理していく上でとても役立つと思われます。
保水力実習写真
2009年度活動紹介
科目:特設科目 担当教員・研究員:三上光一・奥村博造
AUN長野大学恵みの森に設置された気象観測装置であるフィールドサーバのデータを用いながら、森の持つ気象調整機能について学びます。
⇒フィールドサーバを使った森林内の微気象観測と
森林の微気象調整機能の分析
−アイスブレイキングの理論と実習−
科目:グループワーク 担当教員:端田篤人
森の環境を利用したアイスブレイキング(はじめて出会った人同士が共に協力し合える雰囲気をうみだすためのグループワーク)の手法について学びます。
⇒グループ内の雰囲気を和らげるコツ
ーアイスブレイキングの理論と実践ー
科目:課題発見ゼミナールI 担当教員:奥村博造
森の恵みクリエイター養成講座の実習を取材し、その活動を公開するためのニュース放送用ビデオを制作することで、映像制作の基礎的な手法を身に付けます。
⇒森で学ぶ映像制作の基礎
科目:課題探求ゼミナール 担当教員:臺 純子
はじめて森に入る人に、森の恵みを知り、体験し、楽しんでもらうためのガイドマップを制作します。
⇒森の恵みを紹介する楽しいガイドマップを作ろう!
科目:エコキャンパス論 担当教員:高橋大輔
森の調整サービスの一つである「水の保水機能」を簡単に調べる方法について学びます。
⇒森の生態系サービス概論(調整サービス・基盤サービス)
ー森の保水力を調べるー
科目:環境教育論 担当教員:高橋一秋
AUN長野大学恵みの森に植えられた野生果樹が実をつける状況をモニタリング(監視)し、野生果樹の生長を計測するための知識と技術を身に付けます。
⇒エコツーリズムにおけるモニタリングの観光化
ー野生果樹の結実モニタリングー
科目:特設科目 担当教員:高橋一秋
家庭菜園やガーデニングの肥料として利用できる堆肥の作り方を森で学びます。森の中に堆肥場を作ることは、カブトムシなどの産卵場所を森に増やすことにもなりますので、昆虫採集を楽しめる森づくりにもつながります。
⇒森林内の堆肥づくり
科目:エコキャンパス論 担当教員:高橋一秋・高橋大輔
自然環境に負荷をかける人のし尿を微生物の働きによって分解するバイオトイレの仕組みについて森の中で学びます。
⇒バイオトイレの活用と環境負荷低減
森の保水力測定の実習
保水力実習写真1
2008年12月20日にAUN長野大学恵みの森において、森の保水力を調べました(対応科目:生態学B)。この実習では、森林の生態系サービスの一つである「水の調節機能」を測定する手法を身につけることを目的としています。今回の参加学生は10名でした。
森の保水力は、塩ビ管を土壌に差し込み、その中に水を入れて、水が土壌にしみこむまでの時間を計測することで測定しました。測定は、落葉広葉樹林帯(クヌギ優占)、針葉樹林帯(アカマツ優占)、草原(ススキ優占)の4つの場所で行いました。
データにばらつきは見られましたが、基本的には、土壌への水の浸透の速度は、落葉広葉樹林帯が最も速く、次に針葉樹林帯となっていました。そして、草原は最も水の浸透に時間がかかり、場所によってはまったく水が染みこまない場所もありました。これらの結果から、落葉広葉樹の落ち葉で形成された土壌は雨を保水する能力が高く、一方、草原は保水機能が極めて低いことがわかりました。
保水力実習写真2
保水力実習写真3
最新の動画(4件)
授業の様子(8件)
動物(16件)
2009年6月12日 8個目の雛が卵から孵りました。画面上側の卵に注目です。
AUN長野大学恵みの森では、気軽にバードウォッチングを楽しめる森づくりを目指し、野鳥の巣箱かけを行っています。この動画は巣箱内に設置したネットワークカメラの映像です。2倍速になっています。
2009年6月25日 6月12日に孵ったシジュウカラの雛たちも羽毛も生え換わり、こんなに大きくなりました。
AUN長野大学恵みの森では、気軽にバードウォッチングを楽しめる森づくりを目指し、野鳥の巣箱かけを行っています。この動画は巣箱に設置したネットワークカメラで6秒間隔で撮影した静止画をつなぎ合わせたものです。
2010年5月26日 母鳥が卵を温めている様子です。AUN長野大学恵みの森では、気軽にバードウォッチングを楽しめる森づくりを目指し、野鳥の巣箱かけを行っています。この動画は巣箱内に設置したネットワークカメラの映像です。
植物(2件)
恵みの森の稜線部からネットワークカメラで定点撮影した映像をつなぎ合わせたものです。早春から新緑の頃までの映像で、桜が咲いたり、木々が芽吹き、森が徐々に色づく様子が観察できます。撮影期間:2010年4月1日〜5月24日
■最新の写真
~授業の様子~
動物
植物
その他