共創情報科学部設置準備室では、来年度の開設・授業開始に向けて関連するさまざまな準備を進めています。
今日は、生物多様性実習や卒業研究の舞台として活用される見込みのため池において、秋季の水生植物相の確認などを行いました。
ため池は稲作の普及とともに水を引くことが困難な地域を中心に各地で築造されてきたもので、現在では全国に約二十万か所以上のため池が存在しています。長野県上田市は年間降水量が900㎜程と全国でも屈指の寡雨地帯であり、キャンパス周辺の塩田平には百を超えるため池が存在しています。また、塩田平最古と考えられる久保池の1577年を筆頭に、現存するものの多くが江戸時代までに築造されたと言われ、ため池は水田と共に里山を構成する日本の原風景の一部であるといえます。さらに、そうしたため池には長い時間をかけて特有の生物相が成立しており、生物多様性保全の観点から重要な環境であるだけでなく、生態系の仕組みを紐解く研究の観点からも大変興味深い場となっています。

キャンパス周辺に広がる塩田平。写真中央に見えるのはキャンパスからも見える生島足島神社の大鳥居。

キャンパス近くで見られるため池の様子。写真中央奥に見えるのは建設中の新棟。

採集されたタヌキモ(写真上)とヒシの実(写真下)。タヌキモは珍しい水生(沈水)の食虫植物です。
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教員紹介
教授
満尾 世志人
ミツオ ヨシト
所属
環境ツーリズム学部、共創情報科学部