本文へ移動

能登半島の被災地で段ボールを使った支援活動(輪島市での活動)

  • 社会福祉学部
【2024.9.12】
社会福祉学部 繁成 剛

9月7日能登町での活動編はこちら

 9月9日は輪島市の子育て支援センターで保護者を対象に強化段ボールを使って子どもの椅子を作るワークショップを開催しました。現地のコーディネートをしていただいた保育士の山本さんの案内で、センターの2階にある研修室に学生達と材料や道具を搬入して準備をしました。10時には3歳から6歳までのお子さと保護者10組が集まり、ワークショップを開始。まずは学生と教員の自己紹介から始めて、教員が強化段ボールの加工の仕方、道具を使うときの注意点を説明しました。その後でさっそく段ボールを切り始めましたが、3歳くらいの幼児がカッターナイフを持って切るのは危険なので、切断作業は保護者にやってもらうようお願いしました。1時間もしないうちに椅子が次々に完成し、出来上がるたびに親子で手を叩いて喜んでいました。中には硬い段ボールをなかなか切れない母親がいたので、教員や学生がサポートしました。組み上がった椅子の切断面をカラー布テープを使ってカバーする作業は親子で協力してできたので、とても楽しそうでした。最後に完成した椅子に子ども達が座って参加者と一緒に記念撮影をして、ワークショップは無事に終了しました。

 13時からは地震で大きな被害を受けた輪島塗の現状について、蒔絵師の大窪敏正さんからお話を伺いました。輪島塗の作業工程から蒔絵師の仕事を丁寧に解説していただき、倒壊した工房から材料や道具を回収して、請け負っていた仕事を半年かけて終えたということでした。仮設住宅では設備がないので満足な仕事ができないということ、自治体からの支援はほとんどないが、経済産業省の中部経済産業局から輪島塗の関係者176名が支援補助金を受ける予定だということで、これらの関係者と協力しながら復興に向けて進めたいと意欲を語っていただきました。

 輪島市内には倒壊したままの建築物や起伏の激しい道路が整備されない状態がまだ多くみられました。輪島のまちづくりと市民の住まい、そして産業の復興と多くの課題を抱えていることがわかりました。これから私たちにできることは何か考えながら支援活動を継続したいという想いを抱きながら帰路につきました。

輪島市子育て支援センターで実施したワークショップの様子

繁成教授関連ページ