塩田中学校で総合的な学習の時間「塩田平のバードウオッチング プロジェクト」の出前授業を実施(2025.7.3-4)
塩田中学校・3学年の総合的な学習の時間では、「地域のために」というキーワードのもと、講座別で探究学習を行っています。講座「塩田平のバードウオッチング プロジェクト」を選択した生徒さん35名は、6月~10月の間に、学校周辺の田畑やため池へ足を運び、野鳥の観察を行います。
高橋一秋ゼミ(里山再生学ゼミ)では、本プロジェクトにおける「野鳥観察の準備」と「野鳥観察の本番」という授業をサポートさせていただきました。ゼミ生たちは、生徒さんに双眼鏡の使い方を教えたり、校舎の周りで見られる野鳥を紹介したりしました。
<1日目>野鳥観察の準備(2025.7.3)
まず、生徒さんたちは、エコツーリズム可動式看板「塩田平・ため池の生き物がたり」と可動式看板「舌喰池で観察される鳥類」を使って、塩田平にため池が多い理由、ため池に訪れる野鳥について学びました。次に、双眼鏡の使い方を学びました。最後に、校舎の周りで野鳥の観察を行いました。暑い日で、観察時間は15分しかありませんでしたが、ハシブトガラス、トビ、カワラバト、ヒヨドリ、スズメを観察することができました。
可動式看板をハイエースで運搬
可動式看板の搬入
双眼鏡の準備
可動式看板の設置、完了
ため池に訪れる野鳥を学ぶ
双眼鏡の使い方を学ぶ
校舎の周りで見られる野鳥を紹介
ハクセキレイとセグロセキレイの違いは?
校舎の周りで野鳥を観察
最後に、お互いに「ありがとう」のあいさつ
<2日目>野鳥観察の本番(2025.7.4)
そして迎えた本番当日。はじめに、生徒さんたちは、野鳥の調査方法について学びました。観察事項を書き込む記録シートとマップを使って、観察した野鳥の情報を記録します。いよいよ、本番!双眼鏡を持って、調査に出かけました。学校の敷地から、両脇に住宅地や水田のある道路を進み、ため池の甲田池を目指しました。調査時間は往復で1時間ほど。学校から甲田池までのルートでは、ハシボソガラス、スズメ、ヒヨドリ、ムクドリ、アオサギを観察しました。甲田池では、子育てをしているカイツブリの親子(親鳥とヒナ)、オオバンとバンの成鳥、オオヨシキリとツバメを確認することができました。30℃を超える猛暑でしたが、生徒さんたちは、野鳥を熱心に観察していました。
野鳥の調査方法を学ぶ
調査に使った記録シートとマップ
調査開始
住宅地を抜けて、甲田池へ
見つけた鳥の種名と位置を記録
甲田池に到着
双眼鏡で鳥を探す
望遠鏡で鳥を探す
ヒシで作ったカイツブリの巣
カイツブリの親鳥
カイツブリの親子
カイツブリの親鳥がヒナに魚を与える
ヤブカンゾウ
記録シートとマップを確認し、まとめ
お礼
塩田中学校の野口あや先生には、貴重な機会をいただきました。エコツーリズム可動式看板「塩田平・ため池の生き物がたり」は、塩田平におけるエコツーリズムの活動や小学校・中学校での環境教育の教材として広く活用していただくために作製したものです。今回の出前授業は、その目的を果たすことができました。記念すべき1回目でした!この場をお借りして、お礼申し上げます。
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里山再生学ゼミ(高橋一秋ゼミ)とは
研究テーマ:里地里山を生息・生育地とする動植物の生態を解き明かし、生態系サービスを地域に活かす
里山再生学ゼミ(高橋一秋ゼミ)では、生態学の視点から、里地里山を生息・生育地とする動植物の生態を解き明かし、生物多様性の保全や再生に寄与する研究を行っています。また、里地里山の生態系サービスを地域社会の持続的発展に役立てるためのアイデアを産み出し、それを具現化するための手法の開発と実践を目指します。これらの研究成果を活用して、環境教育学の視点から、環境問題の解決に役立つ環境教育プログラムやESD(持続可能な開発のための教育Education for Sustainable Development)プログラムの開発と実践にも取り組んでいます。
2026年4月から、環境ツーリズム学部と企業情報学部の再編による「地域経営学部」が開設されます。それに伴って、里山再生学ゼミ(高橋一秋ゼミ)は「地域経営学部、地域サステイナビリティコース・環境ツーリズム領域」に移ります。研究テーマは変わることなく継続し、これまで以上に、新たな価値を創造しつつ、サステイナブルな(持続可能な)地域社会の実現を目指します。
<研究分野>
動植物生態分野:生態学をベースに里地里山の動植物の生態を明らかにし、保全策を提案します。また、保全策を実施し、里地里山の再生・保全に貢献します。
環境教育分野:里地里山の動植物の生態や特徴を学ぶプログラムや教材を開発・実施し、その学習成果を評価します。これによって、次世代を担う人材の育成に貢献します。
エコツーリズム分野:里地里山の動植物や生態系サービスを題材としたコンテンツを作成し、エコツーリズムの推進に貢献します。
生態系サービス分野:里地里山の生態系サービス(供給、調整、文化、生息・生育地サービス)を再生・保全しつつ、活用するアイデアを考え、実施します。これによって、地域社会の持続的発展に貢献します。
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教員紹介
教授
高橋 一秋
タカハシ カズアキ
所属
環境ツーリズム学部、地域経営学部