食料の供給や気候の調整など、私たちの暮らしは自然からの恩恵によって成り立っています。こうした恩恵は生態系サービスと呼ばれ、緑のダムとも表現される森による洪水緩和機能もその一つです。一方で、私たちは様々な形で生態系サービスを利用していますが、過剰な利用によって機能低下を引き起こす例が多くあり、SDGsにおいても社会の基盤を成すものとして生態系サービスの健全な利用が極めて重要な課題と位置付けられています。
環境ツーリズム学部の教養科目である「環境科学」では、生態系サービスに関する理解を深めるとともにその持続可能な利用についても議論しています。5月14日には、キャンパス内の「恵みの森」をフィールドとし、林内と林道の二か所で行い森の保水力に関する試験を行いました。森林からは木材生産や水質浄化、洪水緩和、登山等のレクリエーションといった多岐にわたる恵みを享受していますが、例えば繰り返される人の立ち入りは踏圧によって土壌を変質させ、保水能力を低下させることにつながります。受講生たちは人によって踏み固められた林道における顕著な保水力低下に驚きつつ、持続可能な利用について思いを巡らせているようでした。
教員紹介
教授
満尾 世志人
ミツオ ヨシト
所属
環境ツーリズム学部、共創情報科学部(仮称)設置準備室