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専門ゼミナール(井上ゼミ)第31回日本子ども虐待防止学会ほっかいどう大会において研究成果を報告

  • 社会福祉学部

11月16日に札幌市で開催された日本子ども虐待防止学会(JaSPCAN)のポスターセッションにおいて、専門ゼミナールでの研究活動を報告しました。今年度の専門ゼミ4年生は、A市で起きた高校生が乳児遺棄するショッキングな事件をきっかけに、昨年度に卒業生が行った「子ども虐待に関する調査から考える子どもにやさしい社会」の研究で見えてきた虐待予防教育の内容を引き継ぎ、さらに内容を発展させてアンケート調査を実施し、その結果を紹介しました。

2025年の研究テーマは「次世代の親への虐待予防教育〜オーストラリアの教科書から学生に必要とされる虐待予防教育をまとめ調査する〜」として、支援につなげるための基盤として、虐待予防教育が重要である点に着目し、調査・研究活動を進めてきました。なお、今回のアンケート項目を作成するにあたっては、1984年にオーストラリアで中高生向けの虐待予防教育のために出版された副読本『UNDERSTANDING CHILD ABUSE』を参考にしました。

本調査結果を通して見えてきたことは、子ども虐待に関する制度や知識は、福祉を専攻する学生のほうが理解が進んでいる一方で、虐待の背景や構造については専攻に関わらず理解が深まりにくいということが明らかになりました。また、義務教育段階から自らの権利や虐待に関して学ぶ予防教育を取り入れることで、若年出産に伴う遺棄事件を防ぐ1つの可能性があることについても、考察として報告しました。

当日のポスターセッションは、大学の研究者・高校教員・子ども虐待の支援機関の方などから時間いっぱいまで、質問や助言をいただきましました。また、終了後にも、日本子ども虐待防止学会顧問の小林美智子先生、ご本人からも貴重なご意見を頂戴しました。この場をお借りして、深く感謝申し上げます。

教員紹介

准教授

井上 景

イノウエ タカシ

所属

社会福祉学部、大学院 総合福祉学研究科

総合福祉学研究科発達支援学専攻