2025年11月9日、認知症とともにいきるまち・うえだ 希望都市宣言 関連事業の一環として、「住み慣れた地域で安心して暮らすための地域で認知症を支える講座」(主催:NPO法人新田の風、共済:新田自治会・上田市、協賛:一般社団法人長野県認知症介護指導者会)が、上田市 市民プラザ・ゆうで開催されました。
講師の宮島渡先生のタイトル「認知症の人の声を聴こう」という講義のあと、認知症当事者の方とのトークセッションとして、認知症当事者2名とパートナー1名をゲストでお招きし、貴重なお話をうかがうことができました。
矢野ゼミナールの学生と「助っ人(すけっと)」11名が参加しました。
終了後には以下のような感想があり、とても貴重な学びの機会となりました。
終了後の感想
・認知症の方の話を聞いて、『認知症=何もわからない人』という偏見があり、それは間違いであることを理解できた。支援する側が『できない部分』にばかり目を向けるのではなく、『できることや本人の意思』を大切にすることが重要だと感じた。
・私は『認知症』を他人事として捉えていたことに気付かされた。そういった意味で、私は認知症に対する『偏見』をなくせていないと思う。認知症を自分事として捉え考えていきたい。
・本日の『認知症サロン』に参加して、当事者が認知症と生きていくためには、周りの人の対応が重要であることを学んだ。認知症当事者の方やコーディネーターの方のお話を聞いて、周囲の人が認知症や本人のことを理解して居場所を奪ったりせず、認知症のことを学ぶ姿勢が重要だと思った。このことが、自己スティグマを生まず、自分らしく生きる手助けになると思う。私は、認知症を恐れていたが、自分事としてとらえ、当事者の主体性を大事にしていきたいと考えた。
・認知症の症状のほかに、見た目の変化が表れないことが悩みの種になってしまうこともあることを知った。当事者の方は、病気のことをオープンにする選択をとっていたが、それに対応する周囲の適切な認識と支援が必要であると思った。
・認知症が特別な状態ではなく、誰もがなりえる当たり前のことであり、『認知症になってもいいんだ』と前向きな想いを持ち続けることが大切だと思った。誰もがこのような想いを持つためには、周囲のサポートや理解がとても大切だと思う。
・会社や医師、関わる人たちの理解が、認知症の方の権利を守ったり、自信をつけることができるということを学んだ。
・認知症者を支援やケアを必要とする『護るべき』対象と捉えている面もあったが、『護るのではなく、支える』という言葉から、あくまで、当事者の人生を支えるという考え方が大切であると学んだ。
・認知症の方の声を聴く貴重な機会をありがとうございました。今日のゲストの方々の話を聞いて認知症に対する希望というか明るい未来が見えたと思います。
・認知症当事者の話を聞き、認知症の受けとめ方が変った。今までは『できないことを支援する』ことが重要だと思っていた。しかし、実際には『できることを一緒にやる』ことが求められていることを知った。地域で暮らす一人ひとりが認知症を自分のこととして考えることが大切だと思う。
・サポーターとパートナーの違いとして、パートナーは出来ないことを助けるわけではなく、できることを一緒にする友人であるということがすてきな関係だと感じた。
・今日、聴いたお話は、認知症に限らず、生きていくうえで大事なことだと思えることがたくさんありました。パートナーのお二人のお人柄も関係性も素敵で、将来、こんなふうな生き方ができたら良いなと感じました。


教員紹介
教授
矢野 亮
ヤノ リョウ
所属
社会福祉学部、大学院 総合福祉学研究科
総合福祉学研究科社会福祉学専攻博士前期・後期