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松本少年刑務所を見学(小林万洋ゼミ、鈴木由美子ゼミ)

  • 社会福祉学部

11月22日、2ゼミ合同で松本少年刑務所を訪問し、施設見学及び所長さんからの説明と質疑応答を行いました。訪問にあたり、小林先生から事前オリエンテーションを受けて質問項目を作成しました。

松本少年刑務所は、26歳未満で犯罪傾向の進んだ受刑者を収容する施設で、日本で唯一、公立中学校である桐分校、また長野県松本筑摩高等学校通信課程である桐教室が施設内に置かれています。どちらも全国の刑務所から集まった受講生が在籍しています。桐分校には、2024年4月初めて女性の受刑者が5名入学しました。

地域の方々によって構成される「少年母の会」は、文通プログラムを通じて受刑者との交流を行うなど、支援を行っているとのことでした。地域に理解があり、地域に開かれた刑務所を目指した取り組みがなされていることを伺うことができました。さらに、2025年6月より開始する拘禁刑についても学ぶことができました。

【小林万洋ゼミ生の感想】

私たちが特に注目したのは、さまざまな形の「信頼」や「配慮」によって刑務所の運営が成り立っている点です。例えば、受刑者に対する信頼の表れとしての「外部通勤作業」や、一般の方からの依頼を受けて行われる「自動車整備の刑務作業」がありました。また受刑者を「さん付け」で呼ぶことや、「歩き方の制限がない」点、さらに桐分校における女性受刑者の受入れに見られるような施設側の配慮には、ダイバーシティへの深い理解を感じました。

私たちがもともと抱いていた刑務所や受刑者のイメージと、実際に見聞きした光景との間には、乖離がありました。収容期間を終えた受刑者は、今後、私たちと同じ社会で共に暮らしていく存在となります。しかし、私たちが「刑務所で何をしてきたのか」という背景を理解せずに、前科や入所歴といった過去を理由に偏見や差別を抱くことは、出所者の社会復帰を遠ざける要因になりかねません。

「罪を憎んで人を憎まず」という言葉を改めて胸に刻み、出所者に対する社会の寛容さこそが、彼ら彼女らの社会復帰を後押しする重要な要素であると学ばせていただきました。

【鈴木由美子ゼミ生の感想】

松本少年刑務所は、生産作業や外部通勤作業、文通プログラムなどを通して、積極的に地域とのつながりを構築していました。罪と向き合いつつ、地域との関わりの中で今後の自分の人生についても向き合える機会をつくることは重要な取組であると考えました。また、刑務所は刑罰、隔離を行うだけではなく、社会復帰に向けた教育、訓練を行う場でもあると学びました。出所した人たちが二度と刑務所に戻ることのないように、私たち一人ひとりが犯罪や受刑者に対して偏見をなくし、彼らを支える社会の一員であることが重要だと感じました。

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