里山再生学ゼミ(高橋一秋ゼミ)とは
研究テーマ:里地里山を生息・生育地とする動植物の生態を解き明かし、生態系サービスを地域に活かす
里山再生学ゼミ(高橋一秋ゼミ)では、生態学の視点から、里地里山を生息・生育地とする動植物の生態を解き明かし、生物多様性の保全や再生に寄与する研究を行っています。また、里地里山の生態系サービスを地域社会の持続的発展に役立てるためのアイデアを産み出し、それを具現化するための手法の開発と実践を目指します。これらの研究成果を活用して、環境教育学の視点から、環境問題の解決に役立つ環境教育プログラムやESD(持続可能な開発のための教育Education for Sustainable Development)プログラムの開発と実践に取り組んでいます。
2026年4月から、環境ツーリズム学部と企業情報学部が統合され、「地域経営学部」が開設されました。それに伴って、里山再生学ゼミ(高橋一秋ゼミ)は、2028年度までは「環境ツーリズム学部(環境分野)」で開講されますが、2027年度からは「地域経営学部(地域サステイナビリティコース・環境ツーリズム領域)」でも開講されます。2029年度以降、里山再生学ゼミは、地域経営学部に完全に移行しますが、研究テーマは変わることなく継続し、これまで以上に、新たな価値を創造しつつ、サステイナブルな(持続可能な)地域社会の実現を目指します。
→詳細は:
橋一秋&里山再生学ゼミのWebsite
2025年度の論文受理・掲載報告
2025年度は、以下の研究テーマについて、卒業論文をブラッシュアップした論文が日本鳥学会誌(査読付き)に受理され、長野大学紀要に掲載されました。
論文受理
卒業論文をブラッシュアップした論文が日本鳥学会誌(査読付き)に受理されました。
①高橋一秋・神通川雅史 (2025年12月受理) 高山帯における鳥類相およびツツジ科小低木の果実利用:浅間山の事例. 日本鳥学会誌 75(1): 85-101.
<目的>
ライチョウが生息していない中部日本の高山帯で、鳥類相を把握するとともに、仮説「高山帯では,果実食鳥類の訪問頻度や訪問種数は低い標高で、かつ餌資源となる果実量が多い季節や群落で多くなる」を検証することと、ツツジ科小低木の果実を採食する果実利用者を特定し、種子散布者となりうる鳥類を推定することを目的とした。
浅間山の高山帯
止まり木で糞を排泄するハシブトガラス
論文掲載
卒業論文をブラッシュアップした論文が「長野大学紀要」の47巻2号と3号に掲載されました。
①佐古哲祥・高橋一秋 (2025a) 塩田平の社寺林における巨樹の特徴と樹洞性動物の利用(前編):要旨・はじめに・方法・結果(前半). 長野大学紀要 47(2): 29-38.
②佐古哲祥・高橋一秋 (2025b) 塩田平の社寺林における巨樹の特徴と樹洞性動物の利用(後編):結果(後半)、考察、引用文献. 長野大学紀要 47(3): 23-32.
<目的>
社寺林を対象に、環境省が定める巨樹・巨木の基準を満たす樹木を「巨樹」、独自に定めた基準を満たす樹木を「巨樹候補」と定義し、(1)それらの樹種と個体数、(2)巨樹・巨樹候補の個体数に及ぼす社寺林の面積と社寺林から森林までの最短距離の影響、(3)巨樹・巨樹候補にフクロウ科の鳥類とリス科ムササビ属(Petaurista)の哺乳類が訪れる時期とその動物種、その動物種が巨樹・巨樹候補に訪れるか否かに及ぼす巨樹・巨樹候補の胸高周囲長、社寺林の面積、社寺林から森林までの最短距離の影響、(4)樹洞の個数と巨樹・巨樹候補の胸高周囲長の関係を把握することを目的とした。また、得られた結果に基づいて、巨樹が有する自然環境保全上および生活環境保全上の価値について考察した。
→論文のダウンロード:
佐古・高橋(2025a)論文
佐古・高橋(2025b)論文
巨樹の調査
生島足島神社の御神木(ケヤキ)
③長友晴香・高橋一秋 (2025a) 塩田平における鳥類のため池・水田・河川の利用特性(前編):要旨・はじめに・方法・結果(前半). 長野大学紀要 47(2): 39-48.
④長友晴香・高橋一秋 (2025b) 塩田平における鳥類のため池・水田・河川の利用特性(後半):考察、引用文献. 長野大学紀要 47(3): 33-38.
<目的>
鳥類によるため池・水田・河川の利用特性を明らかにすることを目的とし、具体的には、①鳥類の分類群によって利用する水辺環境(ため池・水田・河川)に偏りはあるのか、②各分類群の鳥類(成鳥・幼鳥)はどの季節にどの環境を利用するのか、の2つの問いについて調査した。これらの調査から得られた結果を用いて、各分類群の鳥類による環境選好性や、繁殖地や渡りの中継地として重要な水辺環境の特徴について考察した。
→論文のダウンロード:
佐古・高橋(2025a)論文
佐古・高橋(2025b)論文
→関連論文のダウンロード:
三枝広樹・高橋一秋 (2024) 長野県上田市の塩田平ため池群における水鳥の繁殖. 長野大学紀要 46(3): 67-84.
→関連ページ:
可動式看板「舌喰池で観察される鳥類」
コツーリズム可動式看板「塩田平・ため池の生き物がたり」が完成:現・元環境ツーリズム学部教員による共同研究
水鳥調査(甲田池)
北ノ入池で観察されたイソシギ
⑤矢作尚賢・高橋一秋 (2025a) 簡易ビオトープとその周辺の河川に生息する水生生物(昆虫類・両生類)の比較(前編):要旨・はじめに・方法・結果(前半). 長野大学紀要 47(2): 49-57.
⑥矢作尚賢・高橋一秋 (2025b) 簡易ビオトープとその周辺の河川に生息する水生生物(昆虫類・両生類)の比較(後編):結果(後半)・考察・引用文献. 長野大学紀要 47(3): 39-46.
<目的>
周辺に河川と水田を有する小学校に、高橋ら(2023)が考案した簡易ビオトープを設置し、その「水辺環境」に訪れる水生生物と河川に生息する水生生物を調査・比較することで、そのビオトープが周辺の河川からどのような水生生物を誘引することができるのかを明らかにすることを目的とした。また、河川での生息が確認されたが、簡易ビオトープでの生息が確認されなかった水生生物を特定するとともに、それらの生物を誘引するためには、簡易ビオトープにどのような改善が必要かを検討した。
→論文のダウンロード:
矢作・高橋(2025a)論文
矢作・高橋(2025b)論文
→関連論文のダウンロード:
高橋一秋・大内梓・馬場惣莞 (2023) トンボ類が利用できる簡易ビオトープの設計・設置・評価. 長野大学紀要 45(1): 35-50.
簡易ビオトープの設置(塩田西小学校)
水生生物の調査(追開沢川)
関連リンク
教員紹介
教授
高橋 一秋
タカハシ カズアキ
所属
地域経営学部、環境ツーリズム学部