9月24~25日の二日間にわたり、南信地域にある木製構造物や流木の劣化状況を調査しました。本件は信州大学農学部流域保全学研究室の福山泰治郎先生との共同研究として実施しました。
9月24日は諏訪市にある諏訪大社上社本宮の南側渓流に設置された木製構造物(通称:「棚」)の劣化状況を調べました。「棚」はこの地域の伝統工法であり、現地発生材のみを使用し地域の森林組合の方々が自ら設置・管理されているものです。古い「棚」は設置後50年ほど経過していますが、河床の侵食をおさえたり土砂を捕捉する機能は今も健在です。
翌日の9月25日は、伊那市南アルプスの山地にある雪崩起源の流木(2017年2月発生)と、斜面崩壊起源の流木(2019年10月発生)の劣化状況を調べました。市街地まで流下する流木は撤去されますが、山地奥地の流木はそのまま残されるケースが多く、次期出水で流下する危険性があります。また劣化が進むと木材密度が小さくなり流下しやすくなると想定されます。このような流木の集合体が経年的にどのようなプロセスで劣化していくのか、またどの程度の出水で再移動・堆積するのかという現象の面には未解明な部分が多いのが実情です。今後、今回の調査結果を分析して明らかにしていきたいと考えます。
なお、「棚」については、以下の記事で紹介されていますのでご覧ください。
https://www.nagano-np.co.jp/news/detail.php?id=4600
(文責)秋田寛己
(参加)共創情報科学部環境コース:秋田准教授、藤田准教授
共創情報科学部1年:武居拳聖氏、丸山楓馬氏
伝統工法「棚」の様子。ピン貫入試験やコアサンプリングを行い、木材表面の劣化状況を調べています。武居拳聖さんと丸山楓馬さんも計測調査で奮闘してくれました。抜き取ったコアは、フラクトメータという機器で強度を計測します。福山先生が丁寧に現地でレクチャーしてくれました。
雪崩起源の流木調査の様子。地道に手作業でコツコツデータを取得していく…
斜面崩壊起源の流木の様子。現地には過去の森林軌道(木材搬出用)の跡があり、上部からも流木の堆積状況を観察。
関連リンク
教員紹介
准教授
秋田 寛己
アキタ ヒロミ
所属
共創情報科学部