私の専門である数理物理は、数学と物理の「共創」の分野です。数学と物理は研究目的が異なる分野ですが、物理の理解のために新しい数学が必要になることや、物理的な直観から面白い数学が生まれることがあります。例えば、高校で学習する微分・積分は、もともと力学の運動方程式を正しく記述するために作られました。このような数学の発展と物理の理解において重要な構造を、物理と数学の最先端の話題から見つけることが、数理物理という分野の研究の醍醐味です。
数理物理における重要な概念として「対称性」があります。考えている物理系に何らかの変換をしても系の振る舞いが変わらないことを対称性と呼びますが、対称性を通して物理系の理解が深まる一方、数学的にも面白い構造とつながっています。
特に私が興味を持って研究しているのは、弦理論やM理論の対称性に関する数理物理です。弦理論・M理論はこの世界に働く基本的な力の統一理論の候補として考えられている理論であり、素粒子の最小単位を「点」ではなく「弦」や「膜」であるとする理論です。
これまでの理論物理では、理論の対称性は「Lie群」や「Lie代数」と呼ばれる数学で記述されてきましたが、弦理論やM理論における対称性を記述するためには「Lie群」や「Lie代数」を拡張した数学が必要になります。この「弦理論やM理論における対称性」に対応する数理構造を理解することが私の主な研究です。

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助教
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ハヤミ リョウ
所属
共創情報科学部