秋の味覚として知られるマツタケですが、その生産量は1941年の12,222トンをピークに減少を続け、2024年には51トンとなりました。さらに2020年には、IUCNレッドリストにおいて危急種 (Vulnerable: VU) に指定されるなど、世界的に見ても減少が懸念されています。マツタケの減少には、マツ枯れや気候変動などさまざまな要因が関係していると考えられていますが、森林の利用や管理の減少も重要な要因として指摘されています。なぜマツタケは減少したのでしょうか。本研究では、マツタケを手がかりに、人と森林との関係の変化について考えています。
研究対象は、長野県上田市にある自治会林です。マツタケが発生するアカマツ林は、かつて薪や落ち葉、木材などを利用する人々の営みによって維持されてきました。しかし、生活様式の変化とともに森林との関わりは薄れ、多くの里山で環境が変化しています。現地では森林環境の調査や土壌の採取を行うとともに、地域住民への聞き取りや意見交換を通じて、森林との関わり方や森林に対する価値観の変化について調査しています。
本研究の目的は、マツタケを増やすことだけではありません。マツタケの減少は、人と森林との関係の変化を映し出している可能性があります。森林には木材生産だけでなく、生物多様性の保全、水源涵養、文化の継承など多様な価値があります。本研究では、マツタケを入口として森林の価値を見つめ直し、地域と森林が新たな関係を築くための手がかりを探っていきます。
調査対象の自治会林
森林環境や土壌を調査している様子
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教員紹介
准教授
藤田 智郁
フジタ トモフミ
所属
共創情報科学部