例年、国内各地では地震や豪雨による土砂災害が頻発し、私達の人命や財産に影響を及ぼしています。過去に長野県内では2019年台風19号のように甚大な被害がありました。強雨の領域が広がるほど、土砂災害につながる土砂流出(土石流や崩壊など)は一つの山岳域にとどまらず広い場所で発生します。発災後は可能な限り早期に、土砂流出がどこで・どの程度の規模で発生したかを把握できれば、復旧に取り掛かりやすくなり二次被害を抑止できます。衛星は広域かつ早期の情報取得にメリットがあり、私はその中でも植生消失による光学衛星データのピクセル差分値を活用した土砂流出の抽出手法を開発し、2024年能登半島地震・豪雨災害では最速で解析し情報公開しました。
光学衛星データの解析により場所と面積が抽出できることを明らかにしましたが、次にそれら情報から土砂と流木の量を推定できれば発災後の処分量の把握に有用です。私は過去の国内の土砂災害地の崩壊面積A・48時間雨量x1・崩壊地傾斜x2と土砂流木量Vの関連性を統計的に調べて経験式を構築し、Aとx1とx2がわかればVまでを求めるアルゴリズムを新たに考案できました。今後は一連のアルゴリズムのシステム化に取り組みます。長野県内で豪雨があった際には長野県林野行政に土砂流出の抽出情報を提供する枠組みになっているため、長野県の関係者の方々と共にこの手法をより現場に近い形で実証していく予定です。

地震もしくは豪雨による土砂流出箇所の空間分布(能登半島の一部)
関連リンク
教員紹介
准教授
秋田 寛己
アキタ ヒロミ
所属
共創情報科学部