マツタケ再興プロジェクトのメンバーにより、自治会林における基礎調査を実施しました(2026年4月3、13日)。本調査では、荒廃したアカマツ林の現状を把握し、今後の森林管理や資源利用の方向性を検討しました。調査にあたっては、地域住民の協力を得て、現地の管理状況や利用の実態を踏まえながら進めました。
調査の様子
対象地域と目的
今回の調査は、地域で管理されてきた自治会林を対象として実施しました。こうした森林は、かつてマツタケの生産を含む里山利用の一部として機能していましたが、近年は管理の停滞や環境変化によりその機能が低下していると考えられます。本調査では、森林の構造や立地条件を把握し、マツタケの発生環境としての可能性を評価することを目的としています。

自治会林で見られた生物(アマガエル)

自治会林で見られた生物(シュンラン)
ドローンによる空中計測と3Dマップ作成
ドローンを用いた空中撮影により、対象林分の地形情報および樹冠構造などを取得しました。取得したデータをもとに、三次元モデル(3Dマップ)を作成し、アカマツおよび広葉樹の分布や密度を調査します。

ドローン調査の様子
対照区と管理区の設定
地上では、アカマツおよび広葉樹の分布を調査し、光環境や多様性といったマツタケの発生に関わるアカマツ林の状況確認や植生調査を行いました。森林内に複数の調査区を設定し、比較の基準となる対照区と、今後の施業を想定した管理区を設けました。これにより、施業の有無や管理方法の違いが森林環境に与える影響を検証できる体制を整えています。
対照区候補地
管理区候補地
本調査の位置づけ
本調査は、マツタケの発生環境を段階的に回復させるための基礎的研究に位置づけられます。今後は、アカマツ林の再生とマツタケ発生環境の回復に向けて調査区を設定し、森林管理の効果を検証していく予定です。管理の有無による違いを比較しながら、菌類の発生状況やアカマツの更新、林内環境の変化を継続的に把握し、適切な管理手法の検討につなげていきます。
アカマツの胸高直径を測定する様子
目指す方向性
本プロジェクトでは、荒廃したアカマツ林の再生を通じて、森林資源の新たな価値創出を目指しています。将来的には、木材生産に加え、マツタケや林床資源の活用、さらには管理技術の展開などを組み合わせた、持続可能な林業のあり方を検討していきます。
ドローンから自治会林を背景にメンバーを撮影