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環境ツーリズム学部 研究・ゼミ紹介

地域との協働による観光まちづくりを考える

担当教員

教授 松下 重雄

田園環境での
持続可能な暮らしが惹きつける生活観光

専門分野は、地域協働のまちづくりをテーマに、都市・農村計画、まちづくり組織の運営方策に関する研究です。地方都市郊外、あるいは中山間地域においては、まちなか以上に人口減少問題に直面しています。そうした地域の多くでは、地域住民組織による新しいコミュニティ運営や地域資源を活用した新しい付加価値づくりが模索されています。「生活観光」というコンセプトもそのひとつで、田園環境での持続可能な暮らしそのものが多くの人々を惹きつけ、それを機に地域に持続的に関わり続ける「関係人口」が生まれることも期待されています。こうした地域主体の活動や新しいコミュニティづくりの仕組みについて、実践的な活動を通じて考えています。

研究内容

住民組織との試行錯誤を通した
アクション・リサーチ

研究フィールドのひとつは、上田市郊外の武石(たけし)地域です。ゼミでは、古民家の再生活動を通した地域コミュニティ拠点形成方策、武石地域の暮らし・里山体験を通した住民主体の持続可能なツーリズムの運営方策等について、実際の活動を積み重ねながら地域住民のエンパワメントを図るアクション・リサーチに取り組んでいます。近年では、住民組織との協働により、武石の地域づくりをテーマにしたワークショップを開催し、武石地域の地域資源を掘り起こした生活季節暦づくりや、そうした資源を活用して住民主体で運営する体験プログラムづくりも行っています。

学生の声

古民家をリノベーションして
地域のコミュニティ拠点に

私たち6名が取り組んでいるテーマは、「上田市の武石地域にコミュニティ拠点を作ろう」です。明治時代に建てられ今は使われていない古民家を、地域の住民組織の方々と一緒に再生していく活動です。「武石おさんぽギャラリー」というイベントでは、障子張りやたたきの土間づくりを体験するプログラムを企画し、地域の人々や市民の方に参加していただきました。今後は、普段から人々が集う交流拠点にするのが目標です。

環境ツーリズム学部 4年

大久保 美咲さん (長野県 長野吉田高等学校出身)
保坂 萌さん (新潟県 長岡大手高等学校出身)
小林 彩希さん (山形県 南陽高等学校出身)

環境ツーリズム学部 4年

政塚 愛海さん (長野県 上田染谷丘高等学校出身)
廣川 京香さん (長崎県 佐世保西高等学校出身)
磯 まりやさん (長野県 東御清翔高等学校出身)

地域からのメッセージ

学生のみなさんの協力のおかげでさまざまな課題をクリア

地域協働のまちづくりをめざし、官民協働など試みてきましたが、どうしても時間と労力がかかってしまっていました。しかし、松下ゼミの学生のみなさんが関わることで、その課題を軽やかに乗り越えられるのを感じます。ゼミの学びは基本構造がしっかりしていて、地域の課題を探り、調査研究の上に行動があります。活動に関わったみなさんは、卒業後もきっと世の中に貢献できる人材となるはずです。これからも一緒に活動していきましょう。

武石風土つなぎ隊
柳沢 裕子さん

森の恵みを持続可能な
地域づくりに生かす

教授 高橋 一秋

「たねぷろじぇくと」では宮城県の海岸防災林・里山の再生を、また浅間山では「ツキノワグマ」による種子散布や「マルハナバチ」による花粉媒介の研究を行っています。いずれも森に暮らす動植物や生態系を守りながら、森の恵みを地域づくりに生かし、地域課題の解決をめざす取り組みです。「たねぷろじぇくと」では被災地での種子の採取から植樹までを行い、学生がこれまで学んできたことを小学生に伝える、ゲームなどを交えたプログラムを開発・実践します。地元の企業・地域の方まで多世代がともに学び合うため、人との話しあいや協働・情報共有も大切です。 学生には、知的好奇心を満たし、学問を究める楽しさや喜びを多くの人と分かち合ってほしいと思います。

地域政策学の視点で
地域活性化の方法を探る

教授 古平 浩

「地域社会研究」には、地域に存在する複雑な現象や諸問題を理解するために、国内外の事例を参考にしながら、地域社会や地域政策の役割について研究を進める仕組みづくりが求められています。個別事例の検証をもち帰り、地域再生を実現するプロセスや技術、手法について、地域政策学の観点から考えます。例えば、私が取り組んでいるテーマのひとつに、伝統産業の後継者問題があります。地域経済を支えてきた伝統産業を守り、伝える人材をどのように残していくのか、政策的に解決できる方法を考えていきます。地域政策学からの地域社会研究は、地域の社会・経済活動を持続させていくサイクルや手法を探していくところに、その意味があるのではないかと思っています。

伝統野菜の保存と
それを活用した商品開発

教授 古田 睦美

さまざまな地域資源をどう活用すれば地域づくりに役立てられるか。ゼミでは、地域の食文化や農産物資源の活用について研究しています。長野県は全国有数の伝統野菜の宝庫で、地域の食文化と一緒に多彩な味覚が育まれてきました。ところが時代の流れとともに栽培されなくなった品種もあり、このままでは消滅する恐れもあります。気候風土に適応した伝統野菜を地域のブランドとして継承していくために、ゼミでは伝統野菜の保存とそれを活用した商品開発に取り組んでいます。上田地域の伝統野菜「山口大根」や「うえだみどり大根」を普及させていくために、学生は地域でのフィールドワークを通して、地域の団体と連携した持続可能な方法を模索していきます。