顧客にしてほしい思いをもとにした企業や地域のイノベーションを

「企業のイノベーションを生み出す論理」について研究しています。日本の多くの企業が成熟期にあるなかで、品質・機能・価格の視点では相手に十分に響かず、「顧客にしてほしい思い」をもとにした経営が重要と考え、「思いの経営学」を構築しました。これをもとに、ゼミでは「企業イノベーションプロジェクト」を進めています。学生たちがイノベーションを生み出す論理を組み立て、成熟期にある企業や地域の食品・ホテル・スーパーマーケット・情報系企業のコンセプトについて提起し、新商品やサービスを企画・立案し商品化をめざします。また、産学官協働の実践的な研究と理論的・事例的な研究を同時に進め、企業の今後の経営やイノベーションについても考えています。
タウン誌作成を通じ、
経営・労働に関する研究を展開

「地域マネジメントプロジェクト」と題し、上田市にある企業の経営者や労働者に着目した研究を展開しています。そのひとつが、学生が主役となって情報誌を作成する「タウン誌作成プロジェクト」です。企画立案・企画書作成から、取材交渉・インタビュー・写真撮影・記事執筆・原稿校正までを行い、経営と労働に関する質的調査研究の手法を習得します。また、グループワークでメンバー間のコミュニケーションを図るほか、多様な業務を分担することで課題発見・問題解決能力を育成します。取材活動から得た知見や経験を学生自らのキャリアデザインに生かしていくだけでなく、上田市の経済活性化を促し、町おこしや地域の課題発見・問題解決にもつなげていきます。
地域の芸術文化を生かし
次世代に伝える

地域の芸術文化の研究・教育・振興をテーマに、ゼミでは取材班・デザイン班などに分かれて作業を行います。1年次の「課題発見ゼミ」では、パッケージデザインに取り組んでいます。長野県の伝統食で、お土産としても人気の蕎麦やおやき、干し柿などは、パッケージの色や模様でその風味や食材、由来まで伝えることができます。そこから日本の食文化と、その価値を表現するためのデザインを考えます。2年次以降の「プロジェクト研究」では、伝統的工芸品などの研究・振興・活用に取り組みます。文化財について学んだり、地域の芸術文化を楽しく学べる教材を作り小中学校で授業を行ったりするほか、新しい技術で手で触れられる文化財の模型作りにも取り組んでいます。