2025年度の活動
11月30日(日)、第4回カレッジ長大で哲学対話の2回目を開催しました。イラスト、写真からストーリーを作り上げるワークです。10月12日(日)のグループで【言葉を絵にするワーク】の逆バージョンとなります。
取り掛かりからストーリー完成まで、1時間程度のワーク。
大まかな流れは、次のとおりです。 ①絵や写真を観る ⇒ ②見えていることと、見えていないことをそれぞれ書き出す ⇒ ③文章化したものをつなぎ合わせ、グループ(学生と障害当事者混合チーム)ごとにストーリーを作る。途中、甘いもので、頭の中を柔らかくするサプリ(?)を摂取しながら。
「拡散と収束」との交互作用の中で、「(各自の)想像・創造と(グループ内の)協働」を用いながら、ストーリーをまとめあげる高次のワークとなりました。リベラルアーツ(自由になるための技法)そのものに触れるプログラムとなりました。
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「さあ、どんなお迎えデザインにしようかなぁ?」 -
「見えているものは黒ペンで、見えていないところは赤ペンで……」 -
「マイグループの創作ストーリーを聞いてください!」
11月26日(水)、上田市内にある「まるこ福祉会」(子ども支援、障害者支援、高齢者支援など人の一生に対するケアを実践している事業所)で「私のみらい選択・暮らし編」ワークショップを実施しました。カレッジ長大(障害者の生涯学習)の学内活動から、この度初めて学外に出かけての実践となりました。本学学生、教員合わせて15名、同事業所の障害当事者20名程度や職員との出会いと交流を体験しました。
本プログラムのねらいは、「学生のプレゼンテーションと障害当事者の選択を通じて、意思決定の大切さ、伝わる言葉と伝わりにくい言葉を体験し、また、共通言語化への取り組みを通じて、DEI(多様性・公平性・包摂性)社会づくりに貢献する」です。
今回の素材として、「目玉焼きにかけるものといえば、何にしますか?」という問い立てからスタートします。そのあと、「しょうゆ、塩、ソース」の3つの選択肢にかかる学生プレゼンテーションを行ったのち、利用者さんに心に届いたものを【投票】してもらうという内容です。個々人の好みはありますが、伝わる言葉と伝わりにくい言葉に焦点を当てながら、利用者さんにその判定を行ってもらう仕組みになっています。
利用者さんからは、「ソースは具体例があってよかった」「醤油は人気だろうなと思った」「醤油と塩で迷った」などの言葉に代表されるように【選択と投票】にかかる行ったり来たりの心の動きに出会うことができました。
まるこ福祉会の利用者、職員の皆様、今回のワークショップを行う機会を作っていただき、感謝申し上げます。
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「シブイ案内のオ・モ・テ・ナ・シ」 -
「もちろん、私が一番人気です!!!」 -
「自分の好きなものとプレゼンとの間で悩むなァ~」
11月2日(日)に「私のみらい選択」ワークショップの実施状況については、すでに大学HPに載せていますが、11月12日(水)の午後、主として私のみらい選択プログラムの活動に参加している学生スタッフ向けに学習会を開きました。
主権者教育については、平林浩一さん(狛江市副市長、総務省の主権者教育アドバイザー)が、選挙自体については、掛川泰督さん(上田市選挙管理委員会事務局長)が、意思決定支援については、三村仁志さん(長野県社会福祉士会事務局長、長野大学非常勤講師)が担ってくれました。
平林さんから選挙は社会参加の一つであり、障害の有無に関係なく、「意思のいない人はいない」という話しがありました。掛川さんからは、選挙という固い話題について、ホンモノの投票箱や投票記載台を使いながら、選挙のリアルを伝えてもらいました。三村さんからはご自身の施設職員の経験も踏まえ、意思決定支援の内容やプロセスについて丁寧な説明がありました。
3時間の長丁場の学習会でしたが、充実した時を経て、各自、星が輝く家路についたと思います。
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「どっちだろうか? ウ~ン、難しい!」 -
「そもそもセンキョというものはですね~」 -
「ノーマライゼーションとは? 人権とは? 自己決定とは?」
第3回目プログラムを11月2日(日)に開催しました。受講者は、9名。テーマは「私のみらい選択」ワークショップ。2023-2024年度カレッジ長大ではなかったメニューです。大きな枠組みは教職員が決めましたが、当日の発表内容と進行等は学生スタッフが担いました。
一例として。「目玉焼きにかけるものとして、『しょうゆ、塩、ソース』のうち、どれを一番かけたいと思いますか?」を「(正解のない)問い」として、3人の学生が『しょうゆ、塩、ソース』についてプレゼンテーションしていきます。プレゼンの前に受講者に好みを聞き、プレゼンによって、それが変わったかどうかを追っていきます。共通言語化を目指して、言葉とその意味をすり合わせる作業でもあります。
学生達はこれまで準備を重ねてきましたが、現実は予想を裏切っていきます。障害当事者から「問いが抽象的である」「目玉焼きを普段食べないので、選択が難しかった」「プレゼンであんまり響かない」「熱意は全員ある」など課題の提起と励ましをたくさんいただきました。プレゼンの練習はこれからも続きます。
教員から一言。「Teachの客体」から「Learnの主体」に学生達の役割が変化していく有様が実感できました。
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プレゼンテーションの1シーン
「犬の素敵なところはですねえ~~~」 -
プレゼンテーションを受けての記入行動
「どこに入れるか、迷うなぁ~~~」 -
いよいよ、投票
「これが私の清き一票!」 -
カレッジ長大・缶バッチ(作/増成和敏氏)つけて学びます
「2025年度カレッジ長大」の第2回目プログラムを10月12日(日)、十分秋なのに、夏日が戻ったような気温の中、実施しました。午前がそば打ち体験、午後は哲学対話①。
受講者7名、学生スタッフや教職員等の他、報道機関等の取材も入る中、そば打ち体験がスタート。
講師は自宅でそば打ち教室を開業している、本学環境ツーリズム学部の丸山朝陽さん。そして、助っ人として高校「そば部」に所属している生徒さんに来ていただきました。ほとんどの人はそば打ち初体験で、手を動かしながら、ワイワイガヤガヤ状態
一番眠気のくる午後は、哲学対話。グループで言葉を絵にするワークショップ。
さて、眠気に拍車がかかったか、否か。
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「そば部」部員による厳しくも、暖かい指導
「そば粉をしっかり混ぜてください」 -
世界でただ一つ「マイ手打ちそば完成!」 -
「哲学対話より、雑談の方が楽しいよね」
「私のみらい選択等プログラム」(三菱みらい育成財団)の一つ、「2025年度カレッジ長大」が9月28日(日)、秋晴れの中で、スタートしました。
障害のある当事者等の受講申し込みが11名あり、初回は9名の参加がありました。
午前10時、本学学長の挨拶から始まり、午前中は「最初の出会いプログラム」の中で、受講者と学生スタッフとのコミュニケーションゲームを楽しみました。
午後は酒井浩文氏(競歩のオリンピック出場選手、アジア大会メダリスト)による競歩の実際を見たり、ボッチャ大会を実施しました。受講者からは「疲れたけど楽しかった」といった感想をいただきました。
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学生スタッフによる名札作りの説明 -
コミュニケーションゲームの一風景 -
ボッチャの判定
2025年度カレッジ長大・学習プログラム
| No. | 日時 | 場所 | 内容 | ねらい |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 9/28(日) 10〜15時 |
2-306教室 上田市自然運動公園体育館 |
午前:開校式 自己紹介と交流 午後:スポ-ツ |
私、他者、プログラム内容を知る ボッチャ大会 |
| 2 | 10/12(日) 10〜15時 |
食堂 2-306教室 |
午前:そば打ち体験 午後:哲学カフェ① |
・そばを実際に打つ。 ・【想像的アート】 言葉から絵を作っていく。 |
| 10/18(土)ー19(日) | 大学祭 ※自由においでください |
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| 3 | 11/2(日) 10〜15時 |
2-306教室 | 「私のみらい選択」ワークショップ | 選択と決定の体験が、暮らしの基本であることを知る |
| 4 | 11/30(日) 10〜12時 |
2-306教室 | 哲学カフェ② | 【鑑賞型対話】絵、写真などを見て、物語を創る |
| 6 | 12/20(土) 10〜15時 |
2-306教室 | 成果発表会の準備 | 受講者と学生スタッフとの協働を作品化する |
| 7 | 12/21(日) 10〜15時 |
2-306教室 リブロホール |
午前:成果発表会、修了式 午後:クリスマス会 |
学びの発信と終わりの式 お茶会と交流 |
- プログラムを進めていく中で、一部内容や時間等の変更があるかもしれません。御承知おきください。