2023年度の活動
2023年7月6日
長野大学は、文部科学省の令和5年度「学校卒業後における障害者の学びの支援推進事業」の委託事業に採択されました。「大学・専門学校等における生涯学習機会創出・運営体制のモデル構築」として「カレッジ長大」を運営していく予定です。
6月27日には、長野大学関係者・上田市・地域の福祉機関関係者で構成される「第1回連携協議会」が開催され、本事業の趣旨や方向性について話し合われました。本年秋頃の実施に向けてプログラムの開発、実施スタッフの募集・養成等を行っていく予定です。
2023年10月24日
「ボランティア論とその活動」は、前半がボランティアに関する基本的な考え方や現状を講義で学び、後半は実際のボランティア活動を行う中で、地域課題の発見や援助関係に触れていく科目です。2023年度は、55名の学生達が24か所のボランティア活動先で現場体験を行ってきました。
また、2023年度は、「ボランティア論とその活動」の学びを踏まえて、後期に教育プログラムとして実施する「文部科学省委託事業・カレッジ長大」(ねらい:障害者の生涯学習支援)の学生スタッフとして継続的に関わる学生もいます。
-
こども食堂 -
地域の居場所 -
カレッジ長大・学生スタッフ説明会
2023年10月24日
カレッジ長大の受講対象者は、主として軽度の知的ハンディキャップを持っている人たちです。募集活動の結果、大学の「知」を地域に開放する試みの一つとして、計9名の方々がカレッジ長大で10月以降に本学で学ぶことが決定されました。
8月~9月には、受講者受入の諸準備として、コーディネーターを中心に学生スタッフへの研修(障害とは何か、関わり方など)を行いました。また、受講対象者の不安軽減等をねらいとして、事前に受講対象者と学生スタッフとの面談も実施しました。
-
講義 -
グループワーク
2023年11月29日

約半年の準備期間をかけ、カレッジ長大が10月1日(日)にスタートしました。申し込みをしてくれた9名の受講者が果たして全員来てくれるだろうか。学生スタッフ(18名)も、教職員もそれが一番の心配事でした。
開講の10時、受講者全員、出席! 本日の一番の成果でした。
学長あいさつからプログラムが始まりました。午前は、名札作りや自己紹介を行い、午後は、カレッジ長大で頑張りたいことなどについて受講者と学生スタッフが話し合いを行いました。緊張と人との新しい出会い、とても充実した船出でした。
2023年12月5日

10/1(日)の第1回講義では、受講者の皆さんから「他の人に話しかけることができるよう頑張る」、「多くの人と交流したい」、「スポーツの体験が楽しみ」、「大学という場所を知りたい」など様々な思いを聞きました。【他の人と同じニーズ】ではなく、【私(受講者)のニーズ】への出会いでした。
10/14(土)の第2回講義は、こういった【私(受講者)のニーズ】を踏まえて、長野大学の学園祭(りんどう祭)に触れるプログラムでした。大学を知る・触れるための体験ツアーは、展示物の見学、お祭りでよく見かける的当てなど企画ものへの参加、大学際といえば、定番の焼きそばを味わうなどそれぞれが楽しんだ2時間のメニューでした。
2023年12月8日

10/28(土)は、「身体ほぐしと一流のスポーツに触れる」ことをねらいとするプログラム。場所は、大学の体育館。午前は、夏休みの朝の定番(?)、ラジオ体操第一からスタートし、カラダほぐしのためのストレッチで、「まずはけがをしないこと!」。「ボッチャ」(目標球と呼ばれるボールにいかに近づけるかを競うスポーツ)開始。見ていると、自分が持っているボールから中々手が離れない受講者もいました。ボールを大事にしているのかなぁ?
午後は、知的障害のあるアスリートとない人(パートナー)とがチームメイトとして一緒にゲームをする「ユニファイドサッカー」に挑戦。ゲームが始まると、ヒートアップして、そこにスピードがくっつき、見ている側はヒヤヒヤ。
ゲームが終われば、お決まりの金メダリストとの写真撮影会。女性受講者の中には、手でハートを作り、お顔は、超スマイル。けがもなく、カラダが解放された1日でした。
2023年12月11日

11/11(土)は、「言葉と身体を使って、ココロをほぐす」演劇です。演劇を楽しみにしていて、ワクワクドキドキしながら、前日は眠れなかったという受講者もいました。いよいよ私も芸能界入りか?と思われた方もいるかもしれません。
講師は千葉県からプロの演出、俳優をお呼びしました。舞台作りの基本を説明したのち、役者、舞台スタッフ、観客のそれぞれ役回りの中で、演技(台詞)、歌唱、ダンスを体験しながら、最後は成果発表として全員参加のショートミュージカルに仕上げていくプログラムでした。最後は紙吹雪でエンディング。初対面で、4時間で作品が出来上がるものなのですね。感動でした。
受講者、学生の皆さん、キラキラ輝いていました!
2023年12月14日

11/25(土)は、スポーツ、演劇に引き続き、リベラルアーツの第3弾、頭の中を自由にするため、身近なモノ・ことをテツガクする「哲学カフェ」のオープンです。
第4回が終わったところで、学生スタッフ達とこれからのプログラムの進め方について話し合いの場を持ちました。受講者同士の交流、受講者がカレッジ長大に求めているもの、学生スタッフの受講者への想いなどが語られました。
本日は、はじめて行なう受講者同士のグループ活動。スタッフ側もドキドキ。アイスブレイクを踏まえ、「どうして信号機はあるのでしょうか」といった【目的さがし】など日常生活にかかるテツガクを実験しました(写真はクジラの定義)。そして、なによりも今回、学生企画のプログラムが登場したことは、カレッジ長大の大きな収穫でした。
2023年12月25日
受講者は、これまでカレッジ長大が用意したプログラム参加者としての関与でしたが、今回からステージが変わりました。これまでの学びの結果をどう表現するか、アウトプットするかの次元となりました。
12/17(日)の成果発表会に向けての準備です。テーマは「私の~」です。「~」には、好きな食べ物、好きなこと、好きな言葉、苦手とその克服などが入ります。基本は、「私(受講者)」を中心に据えることとしました。
発表のスタイルは、A1版パネルを用い、受講者・学生サポーターとの協働発表です。コンセプトは、「チャットGPTにできないことをやろう!」です。
折り紙などを用いた立体感のあるパネル、オーソドックスにコピー用紙に自分のことを書いて張り付けたものなど受講者9人ですから、【9人9色】です。お互いパネル作品を見ることができるものの、それがどのような形で17日に発表されるのかは全くわかりません。発表のリハーサルは別室でそれぞれ行い、ライブ感覚を秘しながら、 16日を終えました。
2023年12月26日
10月から開始したカレッジ長大が、12月17日最終回を迎えました。
今回は、受講者のみなさんがサポーターの助力を得ながら作品を発表しました。どの作品もテーマや願いがふんだんに盛り込まれた力作揃いでした。また受講生・スタッフがそれぞれこの2ヶ月を振り返り、カレッジ長大での思い出話をしながら、会えなくなることの寂しさを吐露していました。
最後には学長からの挨拶とともに、修了証が受講生に手渡されカレッジ長大はフィナーレを迎えました。2ヶ月間という短い期間でしたが、思い出を語る際の涙と、最後の笑顔が、この2ヶ月間が如何に濃密で有意義な時間であったかを物語っていたと思います。
カレッジ長大2023年度はこれにて終了となります。
See you Next...?


2024年1月23日
連携協議会開催にかかる元々の計画としては、年3回の実施予定でありましたが、本プログラム日程との関係上等により、2023年度は年2回の実施となりました。
今回は、1年間の総括ということで、本プログラムの実施状況の報告と、教育機関・福祉関係者との連携やプログラム日程などのことを含めた次年度カレッジ長大の事業継続が中心的な議題となりました。事務局としては、受講者9名が全員、1回の欠席もなく、全出席であったことを強調しました。
また、成果報告会(2023.12.17)に出席した同会委員からは、カレッジ長大の活動を通じて障害当事者の成長や学生スタッフの学びなどの評価がなされ、2024年度以降の取り組み期待が寄せられました。
2024年1月23日
2023.12.17の成果発表会、2024.1.15学生スタッフの打ち上げ会(任意)、そして2014.1.18に学生スタッフによる振り返りのための座談会を実施しました。
小川コーディネーター、三村コーディネーターの進行により、「カレッジ長大に参加してみての感想」「障害者の生涯学習にかかる社会的意義」「プログラムを実施しての気付き、改善点」などについて意見交換を行いました。本意見交換の内容については、その一部を成果報告書の中で取り上げることとなっています。また、座談会の記録に関しては、聴覚障害のある学生への情報保障としてノートテイクを行っている学内サークルの協力がありました。
2023年度カレッジ長大の
学習プログラム
No. | 日時 | 内容 |
---|---|---|
1 | 10/1(日) |
開講。社会福祉(クラシ) ①自分を知る ②環境を知る
|
2 | 10/14(土) | 学園祭参加 |
3 | 10/28(土) | スポーツ(カラダ) |
4 | 11/11(土) | 演劇(ココロ) |
5 | 11/25(土) |
社会福祉(クラシ)
|
6 | 12/9(土) | 成果発表会準備 |
7 | 12/16(土) | |
8 | 12/17(日) | 成果発表会 修了式 |