長野大学企業情報学部が独自に開発している日本刀をはじめとする美術品のデジタルアーカイブシステムを紹介します。
このページの目次
- 企業情報学部のデジタルアーカイブ技術の特徴
- シーンによって見え方の異なる日本刀 - 光をいただく -
- 本プロジェクトで開発している3DCGソフトウェアで生成した日本刀の再現CG
- 日本刀をリアルにCG再現する技術を開発
しかし、実際には日本刀の質感や美しさというものは、本来はこの光沢も含めた全体的な見えから得られます。
そこで我々のプロジェクトでは、光沢を除去して写真撮影をするのではなく、その光沢そのものも含めた日本刀デジタルアーカイブ技術を開発しています。
ここでは照明の当て方や見る位置を自分で自由に設定して、自由な環境で日本刀を鑑賞できることが特徴となります。
実物の日本刀の反射の様子
(日本刀の提供、宮入小左衛門行平刀匠)
そのため、日本刀の置き方や見る位置が少し変わるだけで、その日本刀の見え方が大きく変化します。
刀匠は日本刀を鑑賞するとき、「光をいただく」という表現を使います。これは日本刀に映り込んだ光によって日本刀を鑑賞することです。
我々が開発している技術では、このような周囲の環境も含めて映像化できることを目指しています。
長野大学テラスのシーンを想定して生成した日本刀の再現CG
長野大学リブロホールのシーンを想定して生成した日本刀の再現CG(周囲の環境で日本刀の色の見え方が変化していることに注目)
長野大学図書館内のシーンを想定して生成した日本刀の再現CG
長野大学図書館内のシーンを想定して生成した日本刀の再現CG その2(照明方向や見る位置を自由に設定できる)
この計算時に任意の照明条件や視点の情報を与えれば、その環境下で日本刀を映像再現できます。つまり、この方法では自分の好きな照明条件や見る位置や角度で日本刀を鑑賞できるようになります。
日本刀の再現CGは、長野大学のキャンパス内の実在のシーンを計測し、3DCG生成に利用しています。
また、リアルタイムで映像生成が可能ですので、ユーザは、その場のマウス操作で周囲の照明環境や日本刀を動かして自由に鑑賞することができます。
光反射計測に基づいた日本刀デジタルアーカイブ技術(3次元的な記録と映像化)
グラフィックス生成用ハードウェア、大型プラズマディスプレイ、色校正用ディスプレイを組み合わせた美術品専用の映像生成システム
(美術品をリアルタイムで映像生成可能)
精密な色再現のためにディスプレイの色を計測している様子