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石川義宗 准教授(取材当時助教)

企業情報学部
石川義宗 准教授(取材当時助教)
担当講義:デザイン概論 他


上田に残る「農民美術」から地域文化の継承と発展を考える

「農民美術」が物語る信州の地域文化

 ここ上田市には、大正時代にはじまった「農民美術」という木工芸があります。それは一見、農民が作った素朴な木彫りです。しかし実際には、旧神川村(現在の上田市神川地域)に入ってきた西洋文化の結果であり、大正デモクラシーの影響を受けた近代的な芸術性をもちます。
 信州には木曽漆器のような伝統工芸もありますが、大正以降に、松本や軽井沢そして上田で、モダンな西洋風の家具や小物が作られるようになりました。それらを近代における信州の一帯的な地域文化の展開として研究することが、私の現在の研究テーマです。

地域文化の継承と発展

 日本の木工芸は精巧で、そのデザインは国際的にも高い評価を受けています。しかし、後継者不足などによって、今後が危ぶまれているものも少なくありません。地域に根ざした文化が、今後も継続し、発展するためには、市民による啓蒙活動や生産者による新しい製品開発が必要不可欠です。まさに地域として取り組むべき事柄なのです。
 長野大学は、上田市を拠点にさまざまな地域貢献に取り組んできました。その中で、地域文化である「農民美術」を研究したり、次世代に伝えたりする役割も担っていると言えます。

ものづくりの現場を体感すること

代表的な「上田獅子」

 地域文化を理解したり、その課題について考えたりする上で重要なのは、地元の方との対話です。なぜなら、地域文化とは、地域のコミュニティによって熟成されるものだからです。「農民美術」を例にすれば、生産者との対話を通じて、その木工技術を理解することが大切です。そのため、実際に工房を訪ねて、手仕事を見させてもらったり、自ら試作したりもしています。
 また、市民の啓蒙活動にも参加し、「農民美術」への率直な思いを伺うようにしています。研究として学問理論を構築することは当然ですが、研究の性質上、ものづくりのリアリティを正面から見据えることが大切だと思っています。

石川義宗助教からのメッセージ

 日本には実に多様な文化があり、日本全国がそれを資源として見直す取り組みを行っています。上田市には、歴史ある街並みや老舗劇場、5世代にも続く美容院や伝統工芸の作業場などがあり、地域の魅力に溢れています。だからこそ、学生生活の中で、能動的に考え行動することを通して、自ら地域文化を発見する豊かな心を養ってほしいです。