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受験生の方へ

鈴木誠 教授

企業情報学部学部
鈴木誠 教授
担当講義:キャリアデザイン論、若者と労働、中小企業論 他


経営と労働を主軸に 学生が主役となる学び

人事制度の分析を通して日本的雇用システムを探る

 現代の日本企業において、年功賃金や終身雇用は崩壊したと言われていますが、時を経て何がどのように変わったのか、あるいは変わっていないのかを明らかにすることが大事です。このような観点から、私は日本的雇用システムと労使関係をテーマに研究しています。働き方や雇用のあり方を定める社会システムのことを雇用システムといい、経営者と労働者の関係のことを労使関係といいます。そして、雇用システムの制度的背景は企業の人事制度であるといえます。
 私は、経営者と労働者の異なる利害が調整されていくプロセスに着目しています。とりわけ日本を代表する企業の一つである三菱電機の事例を取り上げ、経営環境の変化と人事制度改定に焦点をあてた考察をしています。この研究からは、戦後の日本企業における人事制度の歴史的展開と、労使関係が織りなす社内秩序が明らかとなってきています。

社会に出てから活きる経営と労働の知識

 人事管理と労使関係の双方を学ぶことは、社員のモチベーションの維持・向上をいかに図るのかについて自分なりの考えをもつことにもつながります。これは、社会に出た時に一人ひとりが理想とする働き方を実現するという非常に難しい課題を解決する糸口となります。
 理想とする働き方は人それぞれですが、社会的・組織的役割を周囲から与えられるのではなく、自分自身でつくっていくことが大事です。主体性をもつことは仕事のやりがいを見出し、自らのキャリアを設計していくことにもつながります。社会や組織の中で自らの役割を全うし、自己実現するためにも、大学時代に経営と労働の知識を学ぶことは非常に意義があるといえます。

経営と労働の実態を知るために質的調査法を習得

 経営と労働を学ぶために、ゼミでは特に対面的な質的調査法を重視しています。なぜなら、経営と労働という異なる側面の実態を課題探索的に知ることができるからです。そのためのツールとして活用しているのが上田市の商店街を対象にしたタウン誌の作成です。
 このタウン誌は、企画立案から取材の交渉、インタビューの実施まで学生自ら行い、商店街の紹介だけではなく街に生きる人から直接情報を収集し、魅力的な人の紹介をします。学生たちは、取り組みを通じて経営と労働に関する実態を直接見聞きし、視野を広げ、さらには潜在的な課題を見出すことにつなげています。さらに学生たちはアルバイト等だけでは知り得ることのできない労使関係の重要性を、地域をフィールドとして体感しながら学んでいます。

鈴木誠教授からのメッセージ

 経営者と労働者の異なる利害をいかに調整するかは、労使関係を学ぶ上で非常に重要なポイントです。私は、学生たちが経営と労働に関する調査研究の手法を習得することによって労使関係という窓から社会を分析する目を養い、課題の発見と解決ができるようになってほしいと考えています。そして、社会参加した際には自らの役割を全うし、自己実現をしてもらいたいと願っています。