グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



ホーム  > ニュース&トピックス  > 山形で地域デジタルコモンズ披露報告会を実施

山形で地域デジタルコモンズ披露報告会を実施

成果披露のプレゼンをする学生

地域デジタルコモンズ成果披露会の様子

地域デジタルコモンズプロジェクト成果披露

2019年度、企業情報学部のプロジェクト研究「地域デジタルコモンズプロジェクト」(前川道博ゼミナール)では、デジタルコモンズ社会の実現に向けて、その基幹サービスとなる参加型アーカイブサービスの開発、具体的な地域課題(下諏訪町、上田市西部地域)の解決に向けた「地域デジタルアーカイブづくり」支援を産学連携・域学連携の形で行ってきました。2月28日、山形市にあるAISOHO企業組合事務所で地域デジタルコモンズプロジェクト成果披露会を実施しました。前川ゼミ学生の白井裕介さんが学生チームを代表してプロジェクト成果の報告を行いました。披露会では、地域ポータルサイトyamagata1を運営する主なメンバーの方々と意見交換を行い、地域デジタルコモンズの実現が山形においても課題であることを確認できました。


学生からの成果報告の様子

学生の白井裕介さんが成果報告する様子の一部をご覧いただけます。

地域デジタルコモンズ参加型アーカイブ開発

デジタルコモンズの概念図

地域デジタルコモンズとは

下諏訪町デジタルアルバムのトップページ

「みんなでつくる下諏訪町デジタルアルバム」

どこの地域でも、地域内で情報を共有できるメディア環境がないことが大きな課題の一つとなっています。古い写真や資料、地域を知る上で欠かせないデータなどをネット上の情報棚に誰もが載せ合い取り出せるようにする地域ごとの「情報の本棚」があると、その地域の活動は重なり合い、世代を超え、時代を超えた地域づくりに活かしていくことができるようになります。みんなでつくる「情報の本棚」(クラウドサービス)とネットを介してつながりあうリアルな地域社会を総称して「地域デジタルコモンズ」と呼びます。

地域デジタルコモンズプロジェクトでは、下諏訪町立図書館から長野大学への委託により「みんなでつくる下諏訪町デジタルアルバム」を計画・設計・構築してきました。概念設計・地域活動モデルづくりは前川道博教授、システム開発はカンプロのSE、ウェブデザインはAISOHO企業組合(山形市)のウェブデザイナー、ユーザ目線に立ったユーザインタフェース設計と地域活動の支援は前川ゼミの学生チームが分担して取り組んできました。

なぜ山形で完成披露会なのか

11月1日には、山形市のAISOHO企業組合事務所で参加型アーカイブのウェブデザインの要件整理に向けた意見交換を行いました。誰もが使いやすいサービスにしていくためには、多様な年齢層に対応できる要件を踏まえた上での柔軟なユーザインタフェースの設計が求められます。日頃、前川ゼミでは地元・長野県内を地元フィールドとした課題探求を行っていますが、異なる離れた地域の実情・課題に触れることで、設計するシステムは普遍的・汎用的なモデルに高める知見を得ることができます。特定非営利活動法人Yamagaga1(ヤマガタワン)は山形県総合サイトYamagata1を運営するなど地域地域の課題解決、地域情報の発信・共有には実績があり、地域を超えたサービスの設計を行う上でもお互いにギブ&テイクができます。

意見交換の様子

ウェブデザインに向けた学生との意見交換

情報交換はスマホとSNSで機能的に

地域デジタルコモンズの今後に向けて

発表する様子

成果披露をする学生の白井裕介さん

台風19号被災の情報発信

課題共有の接点になった「防災情報」共有の重要性

2月28日の成果披露会は新型コロナウィルスの感染拡大が懸念される状況の中で実施され、少人数による会合となりました。

地域デジタルコモンズプロジェクトを推進した前川ゼミナールが関わった地域デジタルアーカイブの構築は、どの地域からも求められる地域内・地域間の情報共有のわかりやすい実践事例として、山形の方々にも関心を持って受けとめていただきました。特に社会的必要性の高い課題として提起されたのが「地域防災情報」の共有です。昨年10月に発生した台風19号は、全国各地に大きな被害をもたらし、山形でも地域防災情報共有の必要性が全社会的課題として浮上しました。行政からの情報発信がほとんど役に立たなかったこと、SNS等での市民からの発信はされても、必要とする情報の共有には限界がありました。「参加型アーカイブ」が現実に求められている地域課題のソリューションとなることを提起いただいたことは、このプロジェクトにとっても大きな手ごたえです。今後に向けてのプロジェクトの方向性がさらに拓かれてきました。学生チームの成果が評価されるよい機会となりました。