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社会福祉学部の必修科目「人間と社会の理解」(越田ゼミナール)が後期もディベートを行っています

長野大学では「導入科目」として、社会福祉学部の「人間と社会の理解」という必修科目を設けています。この科目は少人数のゼミナール形式で行われており、問題を自ら発見・考察し課題探究力を養うことを目的としています。

社会福祉学部の越田明子准教授が担当する1年生ゼミナールでは、前期から毎回異なるテーマでディベートを行っています。自分たちの関心あるテーマについて、ランダムに賛成・反対に分かれて討論を行い、最後に、審査員となった学生らによる判定結果で勝敗を決めます。

このディベートは、個人の客観的な主張を述べるのではなく、客観的に論証していく力を身につけることを目的するものです。将来、福祉専門職を目指す学生に必要とされる視点です。また、専門科目の履修が少ない1年生にとって、自由な発想で社会的問題の切り口を探っていくプロセスは、事象の背後にある今まで知らなかったことを仲間と発見することができ知的好奇心も刺激され楽しく取り組めます。

そして、次のようなディベートの判定基準を設けて審査していますので、審査員も真剣です。併せて、全員に審査項目にある力がつきます。①準備は十分か(情報収集力・客観的分析力・データに基づく論証の準備)、②発表力(明確な主張:大きな声・抑揚・身振り・手振り)、③視覚的資料は十分か(有効活用したか・見やすかったか・インパクト)、④聞く力(相手の主張をよく聞いて反論・質問できたか、質問は明確か)、⑤相手の反論への回答は筋が通っており明確か⑥最終弁論は説得力があったか(主張を繰り返し説得・新たな主張の追加)、⑦チームワークは十分だったか(助け合い・役割分担)、です。

12月2日(水)は「シングルマザーが再婚することに賛成か反対か」というテーマでした。個人の生き方は自由ですので賛成という意見は妥当でもあります。しかし異なる立場から、現代社会におけるひとり親家庭の経済的状況や貧困問題、そして子どもの虐待問題に至るデータや文献を示しながらの討論になり、新たな発見につながりました。また、主観から離れた議論を試みる一方で、自分や家族、そしてその他の人々の多様な暮らしにも想像が及んだようです。家族とこのテーマについて話し合ったという学生もおりました。

学生たちのコメント (シングルマザーが再婚することに賛成か反対か)

シングルマザーが再婚することに賛成か反対か

反対派(女子)
ディベート準備の段階では、前回よりも文献や統計資料などを徹底的に探し、「データ」にこだわり私情を挟まないよう話の流れを作っていくのは難しいと感じました。しかし発表時は、かなり緊張しましたが今まで準備してきたものを存分に主張することができたと思います。今後はさらに堂々と発表できるようになりたいです。今回のディベートを通して、母子家庭を取り巻く環境は厳しいと今回わかったので、ひとり親支援に求められているものは何かを考えていこうと思います。

賛成派(男子)
前期で行ったディベートに少し悔しい思いがあったので、今回は頑張ろうと思いました。前期の反省を生かして資料を十分に用意し、パワーポイントを使用して理解を得ることを意識して準備しました。実際のところ、シングルマザーの再婚に関する情報はとても少なく準備するのがとても大変でした。結果的に反対派の意見の班に負けてしまいましたが、自分なりに前期の反省を生かして発表できたので全く悔いはないです。次は、参考文献と資料、そしてパワーポイントをたくさん使ってやりたいと思いました。

審査担当(女子)
前期に比べ、テーマを多角的に捉え、豊富な情報収集で筋の通った発表、質疑応答、最終弁論となっていました。ディベートの経験によって、新たに生まれてくる様々な問題に自分の意見を多角的な面から考え、問題提起、利点と欠点の把握、解決へと、スムーズに考えられる力が養われたように思います。親や子ども、政府の取り組みから考えたディベートでとても意見がひろがりました。大学1年生のうちからディベートを通して学んでいけることに嬉しく思っています。

これまでのテーマ

「しつけとして子どもをたたいてもよい」
「学校での昼食は、給食ではなく弁当がよい」
「大学生をするならスマホをやめたほうがよい」
「今後急増すると予測されている都市に住む高齢者は、地方に引っ越したほうがよい」
「日本は介護人材が不足しているので外国人労働者を導入したほうがよい」

今回、「シングルマザーの再婚に賛成か反対か」
次回の12月9日(水)は「出生前診断によって胎児に障害が分かった場合、中絶することに賛成か反対か」です。