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企業情報学部・森ゼミナール ビール業界の「イノベーションプロジェクト(1年生)」(13)の活動報告!

企業情報学部・森俊也ゼミナールでは、企業イノベーションプロジェクトと題し、企業の課題発見・問題解決に取り組んでいます。08年度・09年度・10年度・11年度・12年度に引き続き、13年度の課題発見ゼミナール(1年生ゼミナール)では、ビール業界に焦点をあて、業界の中で1位ないし2位の立場にある「キリン」の今後のイノベーションについて考えています。ビールと言えばの質問に、アサヒ、キリンの名前は出てきますが、必ずしも1位、2位といったトップの座は安泰ではありません。多様な飲み物が生まれたり、人々のビール離れが顕著になってきたり、同業界のサントリーが新ジャンルを続々を市場に投入し猛追してきたりと、とっても厳しい状況にあり、この問題解決は中々難儀になりそうです。

この度のプロジェクトの趣旨です。

ビール業界の問題解決をする前に(同じく成熟期にある家電小売業界で問題解決を実践)

4月19日、20日の両日、白樺湖高原で企業情報学部オリエンテーション合宿が開催されました。そこで、森ゼミ生は、自身の将来像「社会や企業で生きていく」というものを考え、「これまでにない発想で物事を考え、問題解決ができる人になりたい!」「人から信頼される人になりたい!」という目標を立てるとともに、その第一歩として、成熟期にある業界・企業の問題解決を実践しました。

具体的には、成熟期にある家電小売業界・K社に焦点をあて、ここでの課題を明らかにし、その課題を克服するようなコンセプトをデザインし、新たな商品をデザインするという問題解決を行いました。

ミッツーチーム、ノゾミチームの2チームに分かれ、作業を行い、各チームとも、これまでの家電小売業界においては、新製品、安価、品揃えの豊富さを追求し、現状では必ずしも十分に顧客に響いていなかったり、ライバルへの違いとなっていなかったりという問題点を明らかにするとともに、これらの問題点を踏まえて、2チームともに家電小売りの武器を活かしつつ、「顧客にしてほしい思い」の視点からコンセプトをデザインし、商品を考案しました。

ミッツーチームの検討の様子。ゼミ長の安達さんが場を和ませます。

こちらはノゾミチーム。チーム長の内山さん、ゼミ長の篠原さん、報告大会長の駒形さんが打ち合わせ中です。

このたびのプロジェクトテーマです。家電小売業界の各企業は苦しんでいます!

これまでの家電小売業界の取組(店舗展開)です。何か、同じような視点で店舗展開が行われている気が・・・。

検討を進めるに際しての確認事項

ミッツーチームの検討・健闘の様子。まとめるがミッツーこと林さん。書記は宮澤さん。

こちらは、ノゾミチーム。とても悩んでいます。まとめるのはノゾミこと内山さん。書記は荒井さん。

K社の問題点を探り、問題を解決するコンセプト、そのコンセプトを踏まえた店舗等をデザインしていきます。顧客にしてほしい思いから、店舗イメージができあがっていきます!荒井さん、徳武さんがデザインを担います。

ミッツーチームは、使用者の生活を想定した家電売り場を考案!

必死に考えたものを発表し、審査員(先輩、教員)に訴えます!ノゾミチームは、使用者の立場に立って家電の諸ニーズに対応したブースを考案!

両チームとも接戦でした。審査の結果、ミッツーチームの勝利!チーム長の林さんと手塚さんには、表彰状と景品が!プレゼンテイターはオリターの中島さん、櫛田さんです。

ノゾミチームにはオリター賞が!受け取るのは内山さんと春原さん。家電製品の使用時、使用後のお客さんの諸ニーズをつかんだユニークな提案でした。ご苦労さまでした。

【当日(K社の問題解決をしてみて)の感想より】

〇いざ話し合いをしてみると、人をまとめるのが難しく、話を振ったり、意見を聞き、まとめてみんなに提案していくのがなかなかできませんでした。夜中も同じグループのメンバーに集まってもらい、話し合いをしました。不安もいっぱいでしたが、みんなボーとしたりしていても寝るのを我慢して聞いてくれたり、考え出してくれたりしました。みんなに有難う!!という感じです。課題発見・問題解決の難しさを痛感しました。

〇今回のテーマは結論までもっていかなければならないということで、ゼミのみんなの意見をきちんとくみとることができるか、問題解決ができるか最初は不安でしたが、その不安はみんなと議論をしていくうちに解消されてきました。

〇ゼミの問題解決では頭がおかしくなりそうになった。何回もふりだしにもどって答えが出ないと思った。

〇話は一方通行でたった一日でこんな難しい課題がクリアできるか少し不安でした。だけど、リーダーののぞみを中心にチーム内でひたすら考え、悩み、時間はかかりましたが、納得のいくプレゼンができたのではないかと思います。

〇私達のチームのメンバーはとにかく自分の意見をバンバンいう人ばかりでした。自分が思ったことをどんどん発言してくれるので、1つの見方にとらわれず、様々な視点で見ることができました。

〇話し合いではあまり意見などが出せず、ものすごく迷惑な存在になってしまったと悔やんでいます。しかし、それをかばってくれるメンバーがありがたかったし、その分何かしなければという気持ちが出てきました。確かに森ゼミは他のゼミと比べてかなり大変です。しかし、この大変さが好きです。

〇どのように進めていけば全く分かりませんでした。分からないなりに考え進めようとすると要点がずれてしまうし、「いいんじゃない」と思うことも納得できるものではなく大変でした。実際に深夜の3時近くまで討論しました。眠いし分からないはで正直何を言ったか記憶にありません。ですが、みんな必死にやっていたのは本当です。

〇単刀直入な感想としては、「ものすごく大変だったけど、ものすごく楽しかった」。今回の合宿での取組で、ものごとを多角的にみて考えるというおそらく一番基本的なところを確認できたので、それらを活かしながら、またさらに様々なことを学びながら活かしていきたい。

〇最初の学部長のあいさつで、「ゼミの人、同じ学部の人と仲良くなることを目的とした合宿なので楽しんでください」という甘い言葉にだまされて、最初のうちは楽しみにしていました。ゼミの時間に家電K社の売上を伸ばそう!という、それはそれは難しい議題を振られ、頭をフルで活用せざるをえなかったことはとても大変だったし、深夜までそれについてグループのみんなと話し合ったことは初めての経験だった。意見が出れば楽しいけど、煮詰まれば少しも楽しくないみたいな状況がおもしろかった。2日間ずっと考えて発表まで進めたことはすごく嬉しかったし、発表の内容を褒めてもらった時は感動した。出発した時は、「トランプがない!」とみんなで嘆いていたけど、トランプをやっている時間なんてなかったというのは言うまでもないと思う。


このような企業や社会の問題解決を通じて、自分自身にとってどのような能力・姿勢・態度が必要になるのかをイメージする2日間となったようです。これから、同じく成熟期にあり、上述のようになかなか難解なビール業界・キリンの問題解決に挑んでいきます!

キリンの課題発見・問題解決(13)

シノカズチーム(リーダー:篠原さん)の検討の様子。顧客のキリンに対するイメージの中から、同社の課題がいくつか出てきます!書記の荒井さんが出された意見をまとめます!

リサチーム(リーダー:安達さん)の検討の様子。早速関連するデータについて堀内さん、百瀬さんが共有します。問題解決の際に、それぞれの役割の重要性について改めて認識しています。

ビール業界の各企業においてはこれまで、品質、原材料、鮮度、香り、のどこし、口当たりなどを製品開発の軸にし、さまざまな商品が開発されてきました。ジャンルも、プレミアム(高級志向)、ビール、発泡酒、新ジャンルとさまざまで、同業界は「新たな価値(これまでにない価値)を創造・開発しなければならない」成熟期に入っています。

08年度・09年度・12年度において研究対象としてきた「サッポロビール」「サントリー」は、品質、原材料の良さというものを基礎にした商品開発を、また、10年度・11年度において研究対象としてきた「キリンビール」「アサヒ」は、顧客に「おいしいもの(うまいもの)を提供しよう」ということを基礎にした商品開発をしてきました。品質が良く、おいしいものが溢れる現代の社会の中で、これらの視点のみで商品開発をしていては、顧客には必ずしも十分に響きません。単に商品(品質)の良さやおいしさをアピールするのではなく、顧客にしてほしい「思い」を基礎にしてコンセプトを策定し、そのコンセプトを踏まえた商品を考案していくことがきわめて重要となります。

13年度はそれらの状況を踏まえながら、研究対象企業を業界トップシェア企業の「キリン」に焦点をあて、同社の課題発見・問題解決に取り組んでいます。

同社の代表的なビール類は、「ラガー」、「一番搾り」、「のどごし生」など。ただ、ビール本来のにがみや絞り方の特徴、のどごしなどを単にアピールしても顧客に対する訴えかけは・・・。このような中で、どのような問題解決をしていけばよいのか頭を悩ませています。

同社のこのような問題点を踏まえつつ、今後の方向性やコンセプト、さらには具体的な商品展開について社員の立場にたって考えていく必要があります。

入学して間もなくではありますが、自分たちの将来の仕事がこのような「問題解決」になるということを意識しながら、これら活動に意欲的に取り組んでいます!

実際に同社のイノベーションを考える基礎となる、ビール業界の構造や、ビールというものとは(物理的にどういったものか、感情的にどうなるものか、どういった状況・時に飲まれるものか)、サントリーも含めたビール業界企業の商品の概要について、グループごとに調べ、根拠も含めて意見交換しています。

今後は、このような業界の現況をとらえ、同社の生死を左右する課題を特定し、その課題を解決するコンセプト(顧客にして欲しい思い)をデザインし、それぞれのジャンルごとの商品を考案していきます。

荒井さんがさまざまでてくる意見を束ねます!

こちらはリーダーの安達さんと、宮澤さん。リーダーは内容を整理しながら、それぞれの人に検討をお願いをしながらと目が回ります!

企業、顧客の調査、企業の課題の特定、それらに関するコンペ(2013・5月、6月)

発表前にデータを確認しています(シノカズチーム)。

森ゼミではシノカズチーム(代表:篠原君)、リサチーム(代表:安達さん)の2チームに分かれ、企業および顧客の調査、企業の課題の特定を行い、その成果をコンペ形式で発表する会を設けました。

第1回のコンペ大会では、
①われわれにとってビールとはどういったものか
②ビールの中でキリンとは(キリンのイメージ)
③キリンが所属するビール業界の特徴、構造、推移
④キリンの状況(成功しているといえるのか、理由も含めて)

また、第2回のコンペ大会では、
⑤キリンの現状分析(ビール業界の商品開発の大まかな流れ・特徴、キリンのコア商品の特徴やこだわり、広報上の特徴)
⑥顧客やライバルの状況(顧客はキリンやその商品をどうとらえているのか、また他社はどのような動きをしているのか)

といった内容を互いに報告し、質疑応答を行いました。両チームとも連日集まり、いかに相手に内容をわかりやすく、そして会社の課題等を明確に伝えるかを考え、会に挑みました。また、それぞれのグループの報告に対するコメントをコメントシートに書いてもらい、それぞれの報告をたたえあいました。ここでは、ゼミの先輩方にも協力を頂き、審査および建設的なアドバイスを頂きました。

この検討過程を通じて、キリンの課題が浮き彫りになりました。

≪第一回目のコンペにおいては≫

まず一つは、ビール業界のトップ企業ではあるものの、必ずしも一位を維持することはできず、アサヒとどっこいどっこいであること(アサヒと大きく違わないこと)

また二つめは、苦みを強調したり、絞り方を強調したりと伝統的なビールにこだわり、新しく発売したビールは健康志向など他社と大きく変わらないこと

さらに三つめは、王道のビールにおいて近年同社らしい新しいビールが開発されていないこと

また、関連して、ビールの定番となっている商品(具体的には、アサヒ・スーパードライ、キリン・ラガー)も最近の展開は弱く、必ずしも「このビールをこういった理由で飲みたい」という積極的な理由で選んでいないことから、同社の今後の商品は「このビールをこういった理由で飲みたい」と顧客に思ってもらえるようなものを開発していく必要があるという認識に至りました。

≪顧客の状況やライバルの状況をさらに深堀りした第二回目のコンペにおいては≫

課題1として、おいしさやのどごし、製法、風味などにこだわり、キリンの商品で相手をこうしたいというものが感じられない。
⇒キリンの今後の考えているわけであり、キリンがこれまで大事にしてきた部分を活かしつつ(キリンが前向きにこの方向に進めるように)、お客さんに飲んでもらってこんな気持ちになってほしいな~というものを考える。

課題2として、キリン=にがいビール、伝統的なビール、ビールの中のビールをイメージする人が多く、最近のヒット商品の中でキリンの商品が少ない
⇒キリンがビールの新機軸を生む絶好の機会であり、伝統的なビールで培ってきたキリンらしさを活かし、新たなビールを開発する(他の会社には無いものが生まれやすく、この商品ってキリンらしいというものが生まれるのでは?)

課題3として、キリンの最近の展開を見ると、新ジャンルが中心であり、のどごし生以外は、他社を追随するものが多く、その中身は、「健康志向」、「アルコール0」などビールの課題を解消しようとするもの
⇒他社と同じような視点では、違いが出ず、お客さんにとってどれも同じと受け取られかねないため、キリンらしさを活かし、「○○の理由でキリンのこの商品を飲みたい」というものを開発する。

やはり、さまざまな視点から考えると、課題の内容が深くなることがわかりました。

これ以降においては、これらの課題を解決するコンセプトを「顧客にして欲しい思い」をもとに考え、そのコンセプトを踏まえて、各ジャンルごとの商品を考えていくことになります。

発表前の打ち合わせ(リサチーム)。どのような内容でいくのか、改めて確認です。

シノカズチーム、最終リハ。

おっと、こちらは余裕?の表情。

審査員の先輩方はスタンバイOKです!

シノカズチーム。報告大会長の駒形さんが口火を切ることになりました。これまでの検討の成果を見せるときが・・・

ビール業界の現状について、春原さん。

徳武さんからは、業界全体の商品展開上の特徴です。

荒井さんは、それぞれのジャンルごとの商品ごとの特徴の整理が・・・

内山さんは、キリンが提供している商品と、それらの顧客の現状の認識です。顧客の状況を知るためにはとても大切な視点です。

関さんが、キリンが成功しているといえるのか、いえないのかをいくつかの基準で整理しています。

次はリサチーム。切り出しは、堀口さん、発表において、いいふりをしています。

チーム長の安達さん。ここまでビールとは何か、これまでどんな展開をしてきたのか、チームをよくまとめてきました。

ミッツーこと林さん。視線を集めるように、表現にも気を使っています。商品の特徴のあげ方がとてもうまい!!

報告大会長の中沢さん。キリンの状況を踏まえて今後の方向性について提示しています!

コメントタイム。報告の内容、プレゼンの仕方についてコメントおよび質問です。リサチームから、シノカズチームへ。

コメントタイム。シノカズチームからリサチームへ。相手を気遣い、建設的なコメント!

続いて、ゼミの先輩たちからのコメントおよび質問。奥から櫛田さん、中島さん、横前さん。この会社の今後を考えていくうえで、本質かつ鋭いコメントが・・・。

コンペのあとに審査を行い、その結果・・・・、優勝はシノカズチームに、準優勝はリサチームになりました。ここでのコメントを受けて、次のコンペに向けて課題をより整理していきましょう!

景品は、風船で選んでもらいました!

優勝したチームにはチョコレートでできたアンパンマンハウスが・・・

6月13日。第2回コンペ。またまた先輩方に審査をしてもらいました。

シノカズチーム。副チーム長の内山君。業界の商品展開をまとめます!

チーム長の篠原さんが自ら、業界のシェア構造とその要因について報告します。

シノカズチーム、報告大会長の駒形君がビールの商品開発のこだわりの変遷をまとめます。

リサチームのメンバーはメモをとりながら耳を傾けます。

荒井さんは、4社のコンセプトを大きく二つに区分します。顧客のおいしさの視点、品質の視点。

シノカズチーム、春原さんが、最後に主要課題3つをまとめます!

かわって、リサチーム。スタートはやはりこの二人。場を盛り上げながら、ビールとは、ビール業界の現状を語ります。

リサチーム、堀内さんによるビール業界のシェア構造の説明とこのような状況になった理由の解説!

リサチーム、宮澤君は、キリンがこだわってきた部分を語ります。

チーム長の安達さんが、CM動画を紹介しながら各社が伝えたいポイントを整理します。

リサチーム、報告大会長の中沢君が今後のコンセプトの方向性を語ります。

第2回コンペの結果は、「リサチーム」が最優秀賞となりました。おめでとうございます。表彰状には森先生が・・・。

優秀賞のシノカズチームにも表彰状と景品が・・・。

コンペを終えて、全員で集合写真。今回もみんな全力で頑張りました。自主ゼミもご苦労さま!!

課題を解決するコンセプト(戦略)の検討(6月後半)

各グループごとにキリンの企業調査をしてきました。その結果、上記3つの課題を発見・特定しました。これらの課題を解決し、「顧客にしてほしい思い」を明確にし、キリンらしさやキリンのこだわりがいき、さらに、商品が続々開発されるようなコンセプトづくりを行いました。

ここでは、キリンのこれまでの取組や顧客にしてほしい思いを中心として、いくつかのキーワードをそれぞれから出してもらい(各人15程度のキーワード)、それを、ビールを飲んだ時の「感情」、「表現」、ビールの「程度」、「その他」という視点で区分けを行いました。

また、現在、ビール企業大手のコンセプトが「顧客が『飲んだ時』に思ってほしい気持ち」が中心であり、顧客が『飲んだ時」から『飲んだ後』にどのような気持ちになってもらうかを考えることで、また、「キリンのこの商品を飲みたい」という気持ちになりやすくなるのではないかという結論に達しました。

ビール企業各社が気持ち・感情をコンセプトにしている中で、同様に気持ち・感情で定義してよいのかという意見も出され、同じ感情でも「飲んだ時」から「飲んだ後」へという視点を加えることで、ほかの会社との違いになり、また、顧客に響きやすくなるのではないかということになりました。

さらに、ビール企業大手各社のコンセプトはビールを飲んだ時に感じてほしい気持ち・感情は出てはいるものの、「それぞれの企業らしさ」というものが十分に出ているものではなく、「おいしさ、笑顔」というコンセプトをこれまで掲げてきて、風味、のどごし、製法、皆で楽しく、伝統的なビールにこだわってきたキリンらしさを考えていこうということになりました。

このような視点で検討した結果、同社の新コンセプト(案)として「みんなで心地よい感動を」というものにしようということで合意が形成されました。

このコンセプトを受けて、プレミアム、ビール、新ジャンルごとにプロジェクトチームをつくり、商品を検討することになりました。

プレミアムチームのマネジャーは内山君、ビールチームのマネジャーは宮沢君、新ジャンルチームのマネジャーは林君です。また、それぞれのチームをまとめる事業部長は、駒形君、中沢君です。今後は彼らが中心となり商品を考案していきます。

感情がいろいろ出されます!

キリンらしさ、ビールを飲んだ後にしてほしい感情の面から考えます。

一行のコピーではありますが、今後の会社のコンセプトということを考えると、頭を悩ませます!

企業のコンセプトを踏まえた、商品デザイン(6月後半から)

7月に入り、ビールが最もおいしい時期となりました。森ゼミ生は、キリンの現状と課題を踏まえて、その課題を解決するコンセプト「みんなで心地よい感動を」を策定しました。

この会社全体のコンセプトを踏まえ、プレミアムビール、ビール、新ジャンルごとに商品を考えました。商品のコンセプトを策定し、それをふまえて商品の概要(製法、素材、香り、のどごし、味わい、口当たり)を具体化させました。また、それらを踏まえて、商品名や缶のデザインについて具体化しました。これまでサントリーが展開してきたそれぞれの分野の主力商品(ビール:ラガー、一番搾り、新ジャンル:のどごし生)のどの部分を活かし、「みんなで心地よい感動を」というキリンらしいコンセプトをそれぞれのジャンルのビールに新たな価値としてどのように反映させていくのかが検討の焦点となりました。

この製作過程のうち、缶のデザインについてご覧ください。

缶のデザイン製作については、商品のコンセプトや概要を踏まえ、何を強調したり、何をワンポイントにするのかをまずは話し合います。そのような強調点等を缶の中に各人が落とし込み、その絵を皆で協議します。そこで協議したものをもとに、ラフな缶デザインを描いてみます。

ラフなデザインといいながらも、おおよそ完成がイメージできる程度に仕上げることが必要となるので、文字のフォント、大きさ、位置、絵やポイントをどのように協調するのか等についてよく考えながら進めていきます。

これらの活動を通して、コンセプトを商品として具体化していく一連の過程を味わうとともに、ものづくりの大変さ、イメージを相手に伝えることの難しさ等を痛感しました。

篠原社長、安達社長は会社全体の方向性のとりまとめ、駒形事業部長、中沢事業部長は全ジャンルの商品開発のとりまとめ、御苦労さまでした。なお、この商品の考案については、森ゼミの先輩方に多大なるご支援を頂きました。記して、深く御礼申し上げます。

コンセプトを踏まえて各ジャンルごとに商品をデザインしてきます。

プレミアムチーム。みんな真剣です!

まずはラフに!

こちらは新ジャンル「輪」。ビールを楽しむ時間、みんなで飲む感じを表現しようとしています。

新ジャンルの商品群です。

こちらはビールジャンル。毎日飲んでもらうことを考えて、シンプルかつみんなでつながっている感じをリボンで表現しようとしています。

躍動感のある「キリン」の表現に試行錯誤!

新ジャンル、出来上がってきました。

ビールジャンル、奮闘中!

商品の一つのイメージが出来上がります!

新ジャンルの概要を、林君が報告です。

新ジャンルのイメージデザインです。

ビールジャンルは、中沢君が報告です。

ビールは、これまでを大切にしながらもこれから長年愛されるビールに!

プレミアムビールの報告は、内山君です。

これまで重視してこなかったプレミアムを私たちが心をこめて・・・。

いよいよイラストレーターを利用した缶のデザインが始まります。応援いただくのはNUNIのみなさん。

缶のテンプレートを基礎にデザインをスタートです。プレミアムジャンル。

こちらも真剣な表情、ビールジャンル。

作業をしながら笑みがこぼれます!

ビールジャンル、改めて作戦会議です。

新ジャンルは、イラストに写真を取り込みます。そのための写真どりです。

ビールジャンルのコアはこのリボンとなります。

上の演習室では、これまでの取組をまとめています!

思いを形にするために先輩方に示唆をいただきます。

プレミアムジャンルは、背景の色、文字にこだわります。

ビールジャンル、イメージが形になってきました。名前は「歓杯」です。喜びと感動をあなたに!

プレミアムジャンル、「望」です。明日への希望を願う一品です。

新ジャンルは、最後の最後まで悩みました!

新ジャンル、「輪」です。みんなで一緒(輪)になって、一日中飲んでいただけるビールです。

ビールジャンル、完成です。

それぞれのジャンルのイメージデザインが、具体化されました!

ウサギが飛び跳ねるように、この半年、森ゼミ生はステップアップしました!

成果発表会

企業情報学部の学生の皆さん、先輩方、先生方にむけての発表です。まずは、これまでの問題解決について振り返ります。

この度焦点を当てたキリンのイメージについていくつかの側面から報告しています。

これまでビールでは何が開発されてきたのか。それを整理しています。

新商品は出してはいますが、キリンオリジナルなものではなく、健康志向、アルコール度数を変化させるなど、他の会社とほとんど変わりません。

ここで改めて業界の構造について見ていきます。シェアの変化などからそれぞれの企業の動きがうかがえます!

今後のビールを考えていくうえで、これまでのビールの革新の流れをまずは探ります。

その中でキリンとは、キリンのこだわり、大切にしてきたことについて注目します。

キリンのプロモーション活動を確認しながら、顧客に訴えかけている中身を分析します。新しい「飲み方」やみんなでワイワイを強調しています。

いくつかの課題を特定し、それぞれの理想の姿を提起します。

課題を解決し、顧客に響くコンセプトを明確にするために、いくつかの言葉を組み合わせコンセプト案を検討しました。

これまでの「おいしさを笑顔に」からいくつかの基準を踏まえて、「みんなで心地よい感動を」に。これが私たちが考えたコンセプトです。

会社のコンセプトを踏まえてプレミアムジャンル「望」です。

会社のコンセプトを踏まえてビールジャンル「歓杯」です。

会社のコンセプトを踏まえてビールジャンル「輪」です。この一連の報告の後に、学生および先生より沢山の質問を頂戴しました。いくつか踏まえるべき点がありましたので、今後さらに検討していきたいと思います。

報告後。みんなやりきった表情です。この度の問題解決や公私にわたるコミュニケーションを通じて、最強のチームになりました。ゼミ長の篠原君、安達さんをはじめ、森ゼミのみなさん、本当にご苦労さまでした。