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高木潤野 准教授

社会福祉学部
高木潤野 准教授
担当講義:聴覚・言語障害教育総論、発達診断の理論と方法


一人ひとりの良さを認め合える社会にするために

適切な支援が必要な「場面緘黙」

 「場面緘黙(ばめんかんもく)」とは、話す力があるにも関わらず、学校などの社会的状況で話せなくなってしまう症状のことです。約500人に1人が発症していると言われています。幼少期から適切な関わり方をすれば、ほとんどの場合は改善させることができますが、授業の妨げになることがないので学校で十分な支援を得られず、放置されてしまうケースも少なくありません。
 また、誤った指導によって状態が悪化してしまい、大人になっても話せないという人もいます。

安心して自分らしく居られる環境を

 現代社会では、多くの場面で、円滑にコミュニケーションを図ることが重要視されています。学校も同じで、「コミュニケーション力」に左右される「スクールカースト」のような目に見えない序列化によって、多くの子どもたちは縛られています。教師にもこのような風潮を気に留めない人がいるかも知れません。
 しかし、「コミュニケーション力が大切」というのは一つの価値観に過ぎません。多様な子どもたちがいるということを前提に、学校の文化そのものを作り直すことが必要ではないかと考えています。
 私が専門とする「場面緘黙」は、日本ではまだ、圧倒的に研究者が少ない分野です。きちんと対処できる教員や専門家を育成し、問題を抱えている一人でも多くの子どもが、適切な支援を受けられる機会を広めていきたいです。

場面緘黙の子がいれば、学校に駆けつける

 「場面緘黙」を対象とした個別の相談やカウンセリングの依頼は全国から寄せられ、年間約200件にのぼります。保護者との面談はもちろんですが、必要があればその子の学校まで出かけていって直接先生方と具体的な対応を検討します。場面緘黙への理解を広げるための校内研修なども行っています。
 適切な環境で、症状とうまく付き合う力を身につけていけば、子どもたちは成長していきます。そのために私たちができることは、子どもの声に丁寧に耳を傾けること。個別相談やカウンセリングの際には、学生にも子どもと触れ合ってもらう場面があります。実践的に子どもと向き合う機会を通じて、マニュアルのない教育現場で、私たちには何ができるだろうか、いっしょに追究していってもらいたいと考えています。

高木潤野准教授からのメッセージ

 子どもたちの抱える問題は多様化・複雑化しています。これに教師が一人で立ち向かおうとすれば、その教師は「何でも屋」にならなければいけません。しかし、子どもたちの抱える問題は、マニュアル通りの方法で対応できるものばかりではありません。
 それよりも、個性豊かな個人商店が集う商店街のように、教師や多様な専門職が互いに連携し合うことが大切です。自分にしかできないことを深め、追求していくためにも、大学では「学問」に取り組んでほしいと思います。