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ホーム  > 教育・研究  > 社会福祉学部の活動  > 高大連携バリアフリー調査

高大連携バリアフリー調査

 2015 年11 月、上田千曲高校のボランティア部と生活福祉科有志による上田駅構内のバリアフリー調査が行われました。その調査活動の事前準備からサポートに当たったのが伊藤ゼミのメンバーです。以前から長野大学社会福祉学部と上田千曲高校生活福祉科とは社会福祉基礎実習の報告会で連携授業を行っています。
 
 この共同調査活動は福祉分野における高大連携の新たな礎となるものです。今後はバリアフリーに関する調査活動を継続させ、さらに交流を深めていく予定です。

高大連携の取組み

 社会福祉学部では2013 年から、上田千曲高校生活福祉科との連携授業を行っています。これは大学生自身が大学での学びや自らの実習体験を報告することを通し、高校生に介護だけではない福祉の広がりや地域社会の実状を知ってもらい、キャリア教育にもつなげていくことが狙いのひとつです。また大学生にとっては、
 
 高校生の前で発表することで実習で体験したことを再確認でき、高校生の質問や意見から新たな気づきを得るというメリットがあります。
 
 2015 年のバリアフリー調査は、こうした流れのなか、福祉教育に関する新たな学びの場を設けたいという上田千曲高校の申し出を受けて実現しました。メンバーはバリアフリーを研究テーマのひとつとする伊藤ゼミの学生たちです。
 調査対象の上田駅はバリアフリーに関する法律に基づいて建設された駅です。しかし法律は万能ではありません。移動に不便はなくても、駅では切符の購入や時刻表の確認など、さまざまな行動が必要となります。果たして本当に高齢者や障害者にとって使いやすいものになっているのかどうか。この調査では、実際に車いすあるいは白内障の症状を体験できるゴーグルを使用して駅構内を調査し、法律ではカバーしきれない部分を見つけることを目的としました。

継続的なバリアフリーの調査活動

 高校生が大学に来てバリアフリー新法に関する講義や学内での車いす体験を行うなどの事前学習を経て、バリアフリー調査は2015 年11 月の土曜日に実施されました。
 
 ゴーグルを装着した白内障患者役や車いす利用者とその介助者役を務めるのは高校生たち。大学生は調査のサポートです。チェックリストに沿って、切符の購入やトイレの利用などを体験するなかで、さまざまな気づきがありました。
 
 例えば、車いすに乗ったままでは券売機上方のタッチパネルに触れることができません。コインロッカーも利用できる高さが限られています。またゴーグルを装着した状態ではエレベーターのボタンや案内表示の文字も見にくく、照明によっては点字ブロックの位置がわかりづらいという発見もありました。
 
 その後の振り返り活動では、高齢者や障害者の視点から考えることの重要性を実感したという声が高校生から多く聞かれ、バリアフリーを法律の基準だけ満たせばよいとするではなく、さまざまな視点から検証し、進化させるべきだという意見も出されました。大学生もまた、高校生との調査活動を通して、福祉のみならず社会人としても重要なコミュニケーション力を磨くことができました。
 
 こうした実りの多い試みを持続・発展させるため、2017 年度からバリアフリーに関する調査活動を継続的に実施していきます。地域の高校生と大学生が連携したバリアフリーへの取り組みは、本格的にスタートします。 

地域からのメッセージ

生徒と学生が主体の地域福祉活動

知久 朱美さん
長野県上田千曲高等学校教諭

 連携授業(報告会)は、上田の地で福祉を学ぶ高校生と大学生が、ともに学び合う機会を得ようという目的で始められました。今回は長野大学に進んだ本校の卒業生が実習報告者として来校しました。この報告会は、高校で学び得た知識や技術を将来どのように活かしていくのか考える機会となっています。
 
 2015 年の共同バリアフリー調査は、こうした交流のなかで生まれました。発端は「子どもからお年寄りまで、みんなが笑顔になるにはどうすればいいか」という生徒たちの思いです。そこから参加者一人ひとりが考えてもらえるような体験をというアイデアにつながり、参加者とともに上田駅のバリアフリーを調査するという活動へと発展しました。長野大学の伊藤ゼミのみなさんには、その準備段階から参加いただき、合同会議や上田駅でのプレ調査で生徒たちをサポートしていただきました。

 生徒たちにとって、深い専門性に裏打ちされた大学生のアドバイスやアイデアは大きな刺激になったようです。「大学で福祉を学びたい」「今学校で学んでいることの大切さを実感した」といった声が聞かれました。企画運営に携わった上田千曲高校の生徒たちにとっては高校で学んだ福祉の力を社会でどのように活かすのか、その実践を学ぶ得難い機会となりました。今後も、こうした高校生と大学生が主体の地域福祉活動を企画・運営していきたいと願っております。